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遺書日誌  作者: あやと
195/218

絶え間なくマトリョーシカ

薄膜が割れる

硝子が破れる

内へ内へと際限なく破れていく

そこにあった事すら割れてから気づくくらい

何もない様な透明が割れていく

限りなく奥底で

絶え間なく奥底へ

けれどまだ核心には届いていなくて

けれど無限を思わせる程に

何度も何度も何度も破れてはそれを知る

剥き出しになったと思えばそれはもう一枚で

まるで終わりがない

ラップよりも薄い、けれど伸縮性はなく、脆い

とても脆い

なのに尽きない

破れる破れる様に割れる

砕ける粉々になる弾ける爆ぜる

飛び散って暗闇に消えてしまう

また飛び散って暗闇に呑まれてしまう

終わらない

この空間は壊れない

壊れず、割れて消えて割れて消えて

時間がないみたいだ

鏡に頭を突っ込んで、気持ち良くなるみたいに

爆発的な快楽はない

ただむず痒くて、痒くて、痒くて仕方ない

内側で、中心に向けられた鋭角がきっと

ここよりももっと奥底へ刺さってるんだ

刺さっている核心を無限に覆う、実態のない硝子

光が斬り込む刃なら、それに透けたこれは

なにに見えるだろう

レントゲンみたいにしてその中身が見れたなら

この焦燥感の正体も分かるかもしれない

この、文法も語彙もかなぐり捨てた、記録の正体を

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