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遺書日誌  作者: あやと
163/218

見惚れる

父の亡骸は干からびた老人の様だった

弧を描いて歪んだ背中には骨が浮かび上がり

燻んだ肌には斑点が散り、生気がない

小汚い残飯の山にのる魚の骨の様だ

目を見開いたまま上を向いたそれに

生前好きだった酒をドボドボと注いで

数日間放置しておこう


なんて死んでもいない人の骸を

夢の様に想像して心を埋めているだなんて

目の前の生者は気づいていないだろう

気づかれても面倒だが

そういった嗜好の精神に

作り上げたのはこの人達だ

とかなんとか言って、

恨んでいるし殺したいとも思っているけれど

愛している事も確かだから

そんな歪な私を咎める資格はないのだと

きっと、言ってしまえる私じゃない


死んだら尊いのだろうなと

感じるだけなのだ

家族でなければそう欲情するのだ

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