149/218
智慧/正体
ー
ー
吹き荒れる風は知っていた
なぜ私がこんなにも殺伐としているか
打ち付ける雨は知っていた
なぜ私がこんなにも愚かであるのか
吹き荒れる空は拒んでいた
軋むこの体を貫いて楽にさせていいのか
口付ける貴方は知っていた
私がただいつか誰かに許されたいだけだと
渇き果てた私は悟っていた
人生とはただ何よりも無感情な秩序だと
ー
ー
君に縋ったって何一つ出てきやしない
自分以上に私を壊せる言葉を君は知らない
そもそも私が私を殺したいだなんて信じない
それでも縋りつきそうになるこれは弱さだ
本来淘汰されるべき劣性因子だ
さようならも言えない資源ごみだ
悲しい夢の続きだ
永遠に終わらない悪夢の様な灰色だ