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10 出発


 そして、突発性無茶振り依頼は、計画と呼べるほどのものなどほとんど無いまま、解決に向けて勢いだけで進行中。



 ナニ食わぬ顔で入城し、ベルネシアさんの後ろに引っ付いて女王様の私室へ。



 後は、僕の影から出てきたナルンが、


 ちょっとだけ迷惑そうな顔でツァイシャ女王様からモフられまくっているのを、


 ひたすらチラ見するのみ。



「……絶品です!」



 うん、世界中の最高級生地やら各国秘蔵の希少魔物の毛皮やらの感触を良くご存知の女王様をもトリコにするとは、


 さすがはナルン、たぶんこの世でライバルはベルちゃんのみ。



「それでは、ナルンちゃんとベルちゃんを一堂に介しての、夢のコラボレーションによる撫で比べ対決を」



 ……ちょっと女王様。


 あまりわがままするようなら、ライクァさんにお願いしちゃいますからね、紳士的なお仕置き。



「……ごめんなさい」



 そんな感じで、ミッションコンプリート。


 これからは公式じゃなくて構いませんから正式に依頼を通してくださいね、と、


 女王様とベルネシアさんだけじゃなく、この場に居る『七人の戦乙女』の皆さん全員に、


 ぬるりと釘を刺すことも、もちろん忘れずに。



 これにて一件落着、からの、即、撤収。



 ……



 カミス邸の皆さんたちへのご挨拶もそこそこに、エルサニア王都をダッシュで脱出。


 一路、エルサニア大森林を目指す、ふたりと一頭。



 ごめんね、ナルン。


 おつとめご苦労さまでした。


 たぶん、僕と一緒で静かな暮らしを望んでいると思うけど、


 残念ながらサイリ家関連は、家長の意向や立地条件をガン無視して、やたらめったらと騒がしい時があるんだよ。



 ……うん、この表情は分かってくれたお顔。


 賢くて優しいね、ナルンは。



「それでは、行こうか」


 行きましょう、イリーシャさん。


 では、そろそろナルンふたり乗りのご許可を……



 ぽかり



 いてぇ!


 不意打ちはひどいよ、イリーシャさん。


 ナルンの情操教育にも悪いですし、出来れば暴力行為は抜きでの穏便な意思伝達を。



「阿呆なことばかり言ってないで、すぐに出立!」

「遅れるほどみんなが心配するのだぞ」



 ほう、暴力に訴えるほどお急ぎですか。


 そこまでの覚悟とあらば情け容赦は無用、


 では早速。



「きゃっ」


 よしっ、ちっちゃな騎士さまを確保。


 しっかり押さえておくから、全速力でいいよ、ナルン。



 レッツパーリィ!



 ……



 うっひょー、ちょーはえーっ



 さすがはナルン、ふたり乗ってもこの速度、


 タンデムサイコー!



「……」



 着いてから存分に暴れてくださいね、イリーシャさん。



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