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01 ハードワーク

『リヴァイス 56 若仙人とめくるめく波状案件』の続きで、


『若仙人』サイリのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。




 どうも、イシン サイリです。


 以前にも増して異世界生活を楽しめているのは、いろいろと吹っ切れたおかげでしょうか。


 家族みんなも、やりたい事に向かってまっしぐら。


 もちろん、僕も家長として、みんなを応援しちゃうのです。


 僕に出来る範囲で、出来ることを、ですけど……




「人に個性があるように、魔物にも個体による違いが当然ある」


「その違いが個体の個性という枠を超えた場合、特別な括りで区別されるようになる」


「一代限りの変化であれば『変異種』」


「繁殖によって能力の違いを継続して継承出来るようになった『特異種』」


「『特異種』のコロニーが一定の規模を越えると、新種として承認されるそうだ」


「まあ、学者たちにはもっと難しいあれこれがあるのだろうが、冒険者は大体そんな感じで把握している」


「つまり、今回の討伐対象、ナイトウルフ変異種は、一代限りの変わり種と言うことだ」


「それゆえ、能力には未知数な部分が多い」


「目撃した村人たちによれば、積極的に襲ってくることは無いが、間違い無くこの辺りの生態系を乱すほどの強さを持っている、らしい」


「人が自然に頼って暮らさねばならぬ以上、いずれ衝突は避けられない、と言うことだな」


「ところで、ずっと無言だが、大丈夫か、サイリ殿」



 大丈夫、とは、言えません、よ、イリーシャさん……




 前回の討伐遠征でナイトウルフ変異種を見つけられなかった、仲良しヴァンパイア組のおふたり。


 ご自慢の"霧化"索敵が空振りだったことにスーミャがヘソを曲げちゃいました。


 それでも村人のためにと、おひとりでの再挑戦を決意したイリーシャさんの責任感に敬意を表して、討伐遠征のお供をすることになった僕ですが、


 ご存知引きこもり大王には、アウトドアなフィールドワークは予想以上にハードワークだったわけで、


 さまざまな身体強化系付与の重ねがけにも関わらず青息吐息でついて行くのが精一杯。



 無敵だなんだと調子コイていた僕ですが、


 普段やっていた討伐活動がいかに散歩気分のヌルいモノだったかを思い知らされたのです。



 つまりは、身体中が、イテェ!



「あー、そろそろ野営の準備を始めようか」



 イリーシャさんの優しさが、心に沁みるのです……



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