第3話 最初の犠牲者
「おっ、とうとう動いた見たいだな」
「動いたって、何がよ?」
そう言って目の前の少女は怪訝そうな顔を浮かべる。
「ん?あぁ、どうやら他の能力者同士がぶつかり合っているみたいなんだ」
そう、今まさに能力者同士が派手な火花を散らし戦っていた。
「なんで絶賛引きこもり中のあんたがそんな事知ってるのよ?」
「それは、俺の能力を使って外にいる一般人の視覚を共有してるからだよ」
「へぇ、便利なのね〜」
そういって呆れたような顔をする。
「にしても、あの能力は何なんだ?」
片方の男は18歳前後の若い学生に対しもう一人の方は無精髭を生やした30前後のダンディなオッサンだ。
若い学生の方は刃渡り50cm程の燃える剣を持ち、オッサンの方は…ショットガン!?
しかし、どう考えてもあのショットガンは能力によるものでは無い。何故なら能力による特殊な効果がある様には見えないからだ。
「片方は特殊な剣にしろ、オッサンの方は…」
もう少し近くで…
「ガチャ…」という音が辺りに響き渡った。
あっ…
「誰だッ!!」
バァーンッ!!
そして、映像は途絶えた。
「やっちまったな…」
もう少し近ずこうとしたらつい、物音をたててしまい、気づかれてショットガンで撃たれてしまった。
「なにドジくさいことしてんのよ…」
その冷たい視線が痛い…。
「しかし、オッサンの能力がイマイチ分かんねぇなぁ…」
だが、あのオッサンがあのショットガンを出すことが出来る能力、もしくは方法があるって事だな。どちらにせよあれは裏社会の人間だなぁ…銃に使い慣れてたしな、それも、姿の見えない一般人にも容赦なく打ってきやがったし…殺し屋とかか…?
それと…あっ、そうだ
「なぁ?燃える剣見たいな能力も可能なのか?」
「えぇ、基本的に最強過ぎる能力は無いけど物理的に不可能な事でも出来るわよ、だとえば武器を作り出したり」
「なるほどなぁ、全く便利な能力ばっかだなぁ…」
因みに、その後、学生と成人男性の変死体が見つかりニュースとなった…。
「すまんな…俺のせいで殺されてしまって…」
だが、手段を選んでいる場合では無いのだ…。