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勇者(笑)の異世界珍道中  作者: 達磨
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お人好しども

日差しが眩しくてゆっくりと目を開ける。


「知らない天井だ」


異世界転生物のテンプレセリフをいい放つ。

俺は転生ではなく転移だけどな。


掛けられていた布団をどかし、ベッドから降りる。なかなか上等なベッドではないだろうか。かなりふかふかだし。


「っっっくぁ~」


伸びをしながら欠伸をする。体がボキボキとなる。この体が気だるい感じ、半日位は寝っぱなしなかんじだな。同じような感覚の経験をしたことがあるからわかる。きっとみんなもあるだろう、寝そべって本を読んでいたら半日経過したことくらい。えっ?ないの?

首や指もボキボキと鳴らし、体に異常がないか確認する。気絶する前は腕の骨が折れていた気がするが、全くそんなことは見受けられなかった。痛みもないし。きっと回復魔法とかで治してもらえたんだろう。魔法まじチート。


「おし。異常なしと」


あっけないほどになにも異常は見受けられなかった。

さて、体は大丈夫みたいだし、さっき?手に入れた称号の確認しますかね。

セルフステータスを開き、称号を確認しようとする。



______________________________________________________________________________________


名前:オーヴァン


HP:150/150


MP:190/190


称号:薄幸青年  異世界を渡る者  勇者(笑)  主神に土下座させた者


固有スキル:異世界全言語習得  成長限界突破  回転乃力


____________________________________________________________________________________



ん?成長しとる?

僅かだがHPとMPが成長しているのがわかった。全力で戦ったし成長もするだろうと思い、称号を見る。

新たに手に入れた称号の能力は一体どんなだろうねぇ?



主神に土下座させた者:主神ですら頭を下げずにはいられない存在。あらゆる威圧系スキルが無効。



うん微妙?かね?威圧系スキル無効ってだけか。まあ、ないよりましと考えることにするか。


この時本人は知らないことだが、この威圧スキル無効という効果は実はとんでもないものだったりする。王様とかがもつ王の威圧、竜などがもつ竜の重圧といったスキルが存在するのだが、これらは本来ある程度の実力の差がないと抵抗すらできずに動けなくなったり、命令に逆らえなくなったりするのだが、オーヴァンの場合、これらを全てを無意識で無効にする。そして、この世界において威圧系スキル無効というのは存在しなかったのだ。超レア称号なのは言うまでもないだろう。もっとも、本人にその自覚はまるでないだろうが。



さて、そういえば俺のスキル確認してなかったよな?自分の事なのに、いろいろありすぎたせいで確認できてなかったからなあ。

頭をボリボリとかきながら苦笑いしてしまう。



異世界全言語習得:異世界のあらゆる言語をわかるようになる。


これって便利だよなー。お陰で言葉に困ることはないし、文字なんかも簡単にわかるようになるなるしで。元の世界であれば英語なんかもすらすらとできてしまいそうだ。


成長限界突破:成長の速度と本来あるべき限界が取り払われる。やればやるだけステータスが上がる。


イデア様に頼んで貰ったスキルだ。頑張れば頑張った分強くなれるスキル。実はこれが一番チートなんじゃないかって思う。



回転乃力:触れているものか、半径3m以内のものを回転させることができる。回転する技に補正がはいる。生物には効かない。


これも貰ったスキル。思っていたより強いな。つか、回転する技に補正ってことはあの時の背負いがやけに決まったり、足跡がすごいことになっていたのはこのスキルのおかげだったのか。なら納得。元の世界ではあんなこと一度たりともできたことがなかったからな。


そう考えていると、部屋のドアが開き人が入ってくる。入ってきたのはあの場所にいた面々だった。


「気がついたようであるな。半日も寝ていたから心配したのである」


ゴードンさんが俺の体にさわり、異常がないか確かめている。何でも、医療の知識があるとかで触診なんかもできるらしい。人は見かけによらんな。

異常なしとみたのかゴードンさんはすぐに下がり、こんどはなんとも沈痛な顔をしたセシリウスさんが俺の前に立つ。

どうしたのだろうと聞こうとしたら、とたんに頭を下げた。


「此度のこと、誠に申し訳ない」


どうやら俺に怪我させたことを悔いているようだ。魔法で治してもらえたみたいだから気にしてませんよと伝えると、すごく驚いた顔をしていた。

どうやら結構重症だったらしく、そんな怪我をおわせてしまったことをそんなに簡単に許されるとは思ってなかったらしい。

痛みも一瞬だったし、後遺症なんかもないので本当に気にしていないと伝えると、ゴードンさんに笑われた。解せぬ。


「ムハハハハ!会ったときから器のデカイ御仁であると思っていたが、これほどまでとは!」


「まったくだ。こうも簡単に許されては、身構えていたのが馬鹿らしくなってしまうな」


セシリウスさん的には、俺に罵倒されたり、殴られるぐらいのことは覚悟していたらしい。

変な要求とかしないので安心してほしい。そう言うと笑っていたゴードンさんが笑うのをやめ、真剣な顔で俺をみる。


「たが、許されたから終わりというのでは、こちらの気がすまない。レナス」


「こちらに」


セシリウスさんの言葉を聞いてレナスさんが俺の前にやってくる。その手にはエナメルバックほどの大きなの皮で作られたバックのようなものがあった。


「それを受け取ってほしい。私からの謝罪の証だ」


セシリウスさんがそう言うとレナスさんはバックの口をひらき、俺に見せてくる。そこには、大量の硬貨が入っていた。こちらの物価がどれくらいなのかはわからないが、それがかなりの高額であることは容易に察しがついた。


「こちらの通貨で2000万ゴールドあるんだ」


レナスさんのボソッと呟くような一言に、俺は顔から血の気がスーっと抜けていくのを感じた。そして悲壮な顔でセシリウスさんをみる。


「いや、なんでそんな顔で私をみるのだ?」


今度はセシリウスさんが困惑の表情をする。


「いや、だって、にせんまんとか、えっ、なにこの大金?」


俺のような小市民にこんな大金を持てと。疑心暗鬼にかかって人が信じられなくなること請け負いだ。

というか、なぜそんな大金をP☆O☆Nと渡すのか。そもそも、こんな大金を動かして大丈夫なんだろうか?そんな心配が俺の頭を駆け抜けていく。


「そんなに大金か?私の金庫から、周りがとやかく言わない金額なのだが?」


「2000万が!?」


 首をこてんと傾かせ困惑顔をするセシリウスさん。俺はその事実に度肝を抜かれる思いだった。こんな大金?大金だよな絶対。こちらの金銭感覚がまだわからないから判断にこまるが、絶対大金だ。


「いや、高額ですよ。姫様からしたらはした金もいいとこかもしれませんが、慎ましく暮らしていれば半生は生きていけますからね」


 レナスさんの言葉は俺への追撃の一撃となった。危うく気を失いそうになるが、なんとか持ちこたえる。

つか、今私の金庫からって言ったか!?てことはこれは、セシリウスさんのポケットマネーってこと?!尚更受け取れるかぁ!?

つっかえそうとするが、全く取り合ってくれなかった。


「それはもうオーヴァン殿のものだ。王族である私が、税金でもないのに他者から金品を巻き上げるなんて体裁がわるいだろう」


なんかいいこと言ったみたいにどや顔で言ってるのが若干腹立つ。


「それに、オーヴァン殿はどうせこの城を出ていって外で暮らすのだろう?だったらその金は必ず必要になってくるはずだから、どうか受け取ってほしい」


セシリウスさんは懇願するように俺に言ってくる。そう言われた俺は苦笑いするしかなかった。

これからやることを考えたら、確かに必要になってくる。


「そう言われたら弱いですね。この世界を見て回りたいので冒険者になろうと思ってましたから・・・・」


そう。レナスさん達に話を聞いてるとき、冒険者なるテンプレ職業が存在することを聞いていた。それを聞いたときからなろうと決めていたのだ。

それを言うと、周りは全員驚いた顔をしていた。


「危ないですよオーヴァンさん!冒険者というのは常に死が隣り合わせの職業なんですよ!そんなところにオーヴァンさんを行かせる訳には!」


レティナさんが俺の手をとりながら泣きそうな顔をして俺に止めるように言ってくる。だけど、俺は止めるつもりはさらさらなかった。


「すみませんが、それを止めることはできません。俺はこの世界を見て回りたいんです」


できるだけ優しく諭すようにレティナさんに言う。


「この世界には魔物なんかがいてオーヴァンさんではすぐに死んでしまうかもしれないんですよ!?そんな危ない職業じゃなくて、もっと安全な職業に就きましょう!住む家なら私の所に来ればいいですし!」


いや、それはまずいでしょうよ?同年代の男女が同じ屋根の下とか。しかも、レティナさんはかなり俺のタイプだ。そんな条件下なら俺のようなヘタレでも間違い犯すわ。


「死んでしまったら、そのときは馬鹿な男がいたと笑って下さい。これだけ忠告されているのに危険を犯しているのですから。

ですがもし───」


そこまでいって俺は全員の顔をみる。


「もし、生き抜いて有名にでもなったら一緒に酒でも飲みやしょうや。その時は奢らせてもらいますよ」


一般人以下の能力しかない俺が冒険者として有名になるというのは生半可なことじゃないはずだ。一応スキルがあるからなんとかなるたろうと思うのは楽観的過ぎるだろうか?

だが、まあそれもいいだろう。それも含めて俺なのだから。


「クククッ。ムゥハハハハ!気に入った!気に入ったぞオーヴァン殿!それならば、我輩達騎士団からは装備を進呈するのである!なに!これも有名な冒険者になる者な対する先行投資!さて、善は急げであるな!

レナス!オーヴァン殿へ渡す装備を選ぶぞ!ついてくるのである!」


俺はゴードンさんにひょいと持ち上げられ、そのままどこかに連れ拐われる。

人さらいぃぃぃ!という俺の声が廊下に木霊するのを、周りは笑ってみているだけであった。

いや、レナスさんがそれに追従してきてるけども。その顔はなんともいい顔をしていた。




「あっ!そういえば、オーヴァン殿があの時最後になにをしようとしたのか聞きそびれたな。

う~ん、まあいいか。オーヴァン殿が悪い殿方ではないというのははっきりわかったしな」



セシリウスさんのそんな言葉は俺に届くことはなかった。







次辺りで冒険者になれればなあと思ってます。無駄話ばかりですみません(´д`|||)


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