神獣ズ
ちょいと短め。
虎獣人となったビャクちゃんは氷塊を掲げたまままっすぐと俺を見つめていた。俺としては突然の事に頭の処理が追い付かずポカンとしていたままだったのだが、そんな俺を見てビャクちゃんが悲しげに顔を歪めた。
「が、ガウ。もしかして御主人、迷惑?」
「ふぅえっ!?あっいや!?迷惑なんかじゃないよ!大丈夫大丈夫!だから泣きそうになるなって!
返答に詰まったのはいやまあちょっとな、ビャクちゃんがいきなり人型になったもんだから驚いてな。ビャクちゃん人型になれるんだね」
「ガウ?人型になれるのは神獣はみんなのはず。もしかして見るの初めて?」
「えっ?えっ?………………えっ!?」
俺はシルちゃんとリグラさんの方を驚愕の表情で振り向く。リグラさんは苦笑いしながら軽く頷いた。
「ま、まさか。シルちゃんも?」
『クゥ!できるよ!うーーーーーん!!』
シルちゃんが唸りながら体に力を入れると、先程のビャクちゃんのように光に包まれる。到底直視できないような光量だったので、また手で遮る。
「クゥ!どうかなどうかな?お兄ちゃん!」
光がはれたので手をどけると、そこには緑色の背中まであるストレートヘアーの少女がいた。服装は白っぽいワンピースで狼の尻尾がパタパタと揺れていた。身長はビャクちゃんよりやや低く、その腰には二本の短刀が提げられていた。柄には蔦がぐるぐると巻かれており、若芽がピョコンと生えていた。うんわかる。この短刀もヤバイ奴だ。
はっはっはー!なんか頭が追い付かねぇよ。なんなんだこれ?あっそうだ!今夜の晩飯後にプリン食べよう。シルちゃん達も喜ぶだろうしな!
悪かったよ。現実逃避だよ!仕方ないじゃん!俺は小心者なんだよ!ヤバイのが増えて、俺の胃がヤバイのでマッハなんだよ!
「クゥ……お兄ちゃん?」
返答に詰まっていたせいか、シルちゃんまでもが悲しそうな顔をしてしまった。
「あ、あー。ごめんよ。ちょっとだけビックリしすぎて思考がとんでただけだから。うん。二人ともスッゴく可愛いよ」
「クゥ!!やったー!!」
「ガ、ガウ。えへへ」
俺の言葉に二人は嬉しそうにはにかむ。あまりにも嬉しそうにしている二人を見ていると、自分の悩みとか、これから先の不安とかどうでもよくなっていく。
そもそもだ。俺はそんな未来とか考えて動くタイプじゃねえしな。行き当たりばったりでなんとかするしかできねぇんだから、そんなに悩む必要もねぇか。
悩むのが馬鹿らしくなってきた俺は、これから二人とどう付き合っていくか考える。二人とも絶対俺に着いてくるだろうし、どうしたもんかね?
「ん?それこそ別に悩む必要もねぇか。リースさんに言って二人とも冒険者登録すりゃいいだけの話だし。それに確か、パーティーを作る規約もあったはずだ。確か、そこに固定パーティーがどうちゃらとかあった気がするし」
オーヴァンが言っているのは、二人以上の冒険者がギルドにチームとして登録することのことである。チームで登録することの利点としては、常に同じ仲間で組む為に連携等がしやすくなる事が第一にあげられるだろう。その他の利点としては、依頼を受けるときにチームのリーダーか代表者だけが受け付けをすればよいので、受け付けが楽になるという点もある。
まあ、固定チームでやっているために、1人でも欠けると途端にバランスを崩すというデメリットもあるが。
この三人で組むならそこまでなやまなくても、なあ。
“そうですね。二人は子供とはいえ神獣ですからね、この中でダントツに弱いのが個体名オーヴァンですからあまり悩む必要もないのでは?悩むとしたら二人の足を引っ張らないかどうかです”
それなんよなぁ。見た目的には引率してんの俺だけど、実際は引率されてんのが俺というね。食事とかで役にたつようにせんとな。まあでも、完全にお荷物ってのもしゃくだしちょいちょい鍛えていかんとな
“………………………”
おう?なんだよ?
“いえ、言い返してこなかったので拍子抜けしたので”
流石に鑑定せんでも自分とシルちゃん達との力量の差くらいわかるわ。
“一目で勝てそうにないとわかる理喰らいに挑んだクセにですか?”
煽りよるのう。…………そりゃあ確かにな。でもな、勝てそうにないってわかっていようと、引けねぇ時もあるんだよ。
”理解不能ですね“
そりゃあそうだ。こちとら不完全極まりない人間様だぜ?俺達は神様じゃねぇんだから神様のあんたらじゃ理解しようがねえよ。
”………なるほど。だから見ていて飽きないのですね。そして、だからこそ私とお母様は私に住む全ての生命がいとおしいのですか………“
おう?急にどうした?
“いえ、なんでもありませんよ。そう、なんでも”
お、おう?まあ、お前さんいいならそれでいいが。
俺はイリアとの会話(?)をやめ、二人に向き直る。答えはわかっちゃいるが、一応二人の口からちゃんと聞いとかないとな。
「よし。答えは察しはついてるが二人にききます!」
「クゥ?」
「ガウ?」
「二人は俺に着いてくるかい?俺はこの世界を旅しようと思っとる。色んなところを巡って、色んなもん見て、色んなもん食べる自由気ままな旅だ。そんなフワッフワッした理由の旅だから辛いことは沢山あると思う。それでも俺に着いて──「クゥ!!行く!!」「ガウ!!私も!!」───くるかい?って聞こうと思ったんだけど、答えが出るまで速いな。よしわかった!!一緒に行こう!!そんで世界中を見て回るぞ!!おーー!!!」
「「おーーー!!!」」
俺が声高に叫びながら右手をガツンと挙げると、二人も俺の真似をするように跳びはねながら手を挙げた。
「元気でよろしい!!そんじゃ、明日冒険者登録しに行こうか。今日はもう暗いし、ここで一泊してから行くとしましょう」
俺がそう言うと、強烈な視線を感じ背筋がぶるりと震えるような悪寒がした。言わずもがなその視線の犯人はリグラさんからであるが。こりゃ、今日は寝るのが遅くなるな。
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名前:シル
種族:獣人(神獣;森狼)
HP:3200/3200
MP:12000/12000
(固有スキル:植物創成 植物操作 人身変幻)
スキル:草遊び 植物会話 新緑の癒し 巨体葉の盾 獣の威圧 夜目
アーツ:走双爪草 鳳仙果
称号:(神獣の子 森の守り神) 植物大好き 決意する者
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名前:ビャク
種族:獣人(神獣;白虎)
HP:11520/13600
MP:5000/5000
(固有スキル:氷点下 氷雪操作 人身変幻)
スキル:温度調節 炎熱耐性 雪遊び 氷結界 魔氷境 雪化粧
アーツ:雪合戦 氷柱乱舞 暴風雪
称号:(神獣の子 氷雪の申し子) 氷大好き 護る者 決意する者
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……………………………気になったからちょっと覗いたが、見なきゃよかった。あ、明らか見かけより遥に強すぎる………。ウワヨウジョツヨイとかそんなレベルじゃねぇ!!?見た目12~3位の女の子がオーガとか(情報収集時いるのは確認済み)瞬殺するのとか見られた日にゃ…………。い、胃が。私の胃が。こんなん私のちっちゃな心に収まりきらにぃよぉ…………。
出来れば今月中にもう一話投稿します。
期待せずにおまちください(オイコラ




