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勇者(笑)の異世界珍道中  作者: 達磨
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出会い……なのか?

ようやく仕事に休みが入った(泣)17連勤キツかった

引っ付いている精霊や子犬をどうしようかと思い悩んでいると、組んだ足の中でもぞもぞと動きを感じた。そこに目をやると、どうやら子犬が起きたようだ。ぐっと身体を伸ばし、クアーっとあくびをする。そのまま後ろ足で耳の裏辺りをかきはじめる。

……かわいいな。

動物好きな俺には、その動作が可愛くてしょうがなかった。撫で回してやりたい衝動にかられるが、精霊達はまだ起きていないので動けない。


しばらくそれを眺めていると、その子犬が辺りをキョロキョロと見渡し始める。なにか探しているのだろうか?

そして、その目が俺に向くと、こてんと首をかしげながらクゥ?と鳴いた。

……あかん可愛い。

そろそろ衝動が抑えきれなくなってきてどうしようかと思い悩んでいると、子犬が精霊達を踏み台にしながら俺の身体を登ってくる。踏み台にされた精霊達はその衝撃で起きたようだが、俺から離れようとはしなかった。

なんなんかねいったい?

よじよじと俺の身体を登ってきた子犬は俺の顔をベロりなめる。


「うわっぷ!?」


突然の出来事に身体がビクンッと跳ねてしまった。それで残りの精霊達も起こしてしまったようだが、やはり離れようとはしない。そして、子犬はそんなのお構い無しにクゥクゥ!と鳴きながら俺を舐めたり頬擦りしてくる。余程好かれたようだ。くそ!撫で回してやりたい!

精霊が離れようとしないので俺はしばらくされるがままになっていたが、突然の声がそれを遮った。


『見つからないと思ったらこんな浅い所におったのか』


中性的な声で、男とも女ともとれるような声だったが、なんか微妙に人間が発するような声じゃなかった様な気がする。よく聞こえるはずなのにくぐもっているような感じだ。

声が聞こえた方に目をやる。


「ひっ!?」


それを見て、恐怖した。声がした方にいたのが俺の三倍はある、緑色の狼だったのだ。


『うむ?人間?なぜ人間が浅いとはいえ結界を越えてこんな所に?』 


狼は俺を見るなりこてんと首を傾げる。なんかついさっき同じようなものを見たぞ。怖いけど、可愛いな。そう思うと、少しだけ冷静になれた。

つか、さっきから聞こえる声がこの狼の声ならまだ助かる可能性があるな。話が通じるなら交渉できるだろうし。……できるよな?


とりあえず話しかけようとすると、先ほどまで俺を舐めていた子犬がクゥ!!と鳴いて狼に駆け寄る。狼は慈愛に満ちた目で子犬をなめる。やっぱり親子だったか。首を傾げる仕草がそっくりだったからな。


「えっと、自分は新米冒険者で薬草採取の依頼を受けてここに来たものです。オーヴァンって言います」


とりあえず、自己紹介。その反応を見て行動を選択するとしよう。まあ、よくよく考えると、こんなばかでかい狼に見つかって、これだけ近づかれてる時点で終わってる気がしないでもない。

逃げるなら……いや、もう遅いか……。


『ほう。我が声が聞こえるか?森の民でもないのに結界を素通りできる時点で普通の人間ではないか』


そういえばさっきも結界とか言ってたな。そんなものあったかねえ?


『人間よ。1つ聞こう。ここでなにをしていた?』


声に重圧を感じるが、おかしい。俺はいま自分の三倍はある狼に凄まれているはず。怖いとは感じるが、感じるのだが、それほどでもない。もとの世界なら失禁してしかるべき場面だろう。ヘタレな俺ならそうなっているはず。

まあ、とりあえずその悩みは置いといて、答えなきゃならんな。生き残るために。


「えっと、魔力循環の特訓を。俺はとても弱いので、少しでも生き残る可能性を上げるためにやってました」


その可能性もあなたの反応次第じゃ摘まれてしまうんですけどね(泣)

狼は思案するように目を閉じる。


「あ、あの、もしかしたら、ご迷惑、でしたか?」


黙られるとおっかないので、聞いて見ることに。


『いや、迷惑ではない。むしろどんどんやってくれると助かる』


………?俺の特訓で助かる?どういうことだ?


「あ、あの、それはいったいどういう事でしょうか?」


『気づいてないのか?では、無意識にやってのけているということか。これは凄いな』


狼は驚いたように俺を見る。そして、また思案するように目を閉じる。


『人間よ。すまぬがもう一度名をきいても?』


「えっ?(俺の質問を華麗にスルーっすか)オーヴァンって言いますけど」


そう言うと、子犬がクゥワン!と鳴いた。なんか名前を呼ばれたみたいで嬉しくなってしまう。やっぱり一度撫で回すべきだと俺は思うんだがどうだろうか?


『オーヴァンよ。今日の所は帰るといい。すまぬが、また明日もきてもらえないだろうか?詳しい話はその時にでもしてやろう』


と狼に言われて、辺りが暗くなり始めていることに気付く。ヤバイな、帰れるかな?


『道案内は、リグラ。頼めるか?』


狼がそう言うと、傍らに緑っぽい肌をした女性が現れる。大事な部分が葉っぱで隠れているから、植物系の精霊かなんかか?


「はい。レスト様。仰せのままに」


成る程、この狼はレストと。心のメモ帳にしっかりと刻み込んだ。そして、リグラと呼ばれた女性を見るが。おかしいな?ラムさんとおんなじ目を俺に向けているんだが?

すると、さっきまで離れようとしなかった精霊達が俺から離れ、レストと呼ばれた狼の回りを飛び始める。どこか神秘的な光景に目を奪われていると、目の前にリグラさんがいた。


「では、オーヴァン様(様付け!?)参りましょう」


リグラさんは俺の手を握り、引っ張ってくれる。帰り道がわからない俺はそれに従うしかなかった。

帰り際、子犬がクゥクゥ~!と、まるでまたねーと言っているように鳴いていた。


しばらく見てないうちに、PV5000&ユニーク1500突破していただと!?


こんな稚拙を読んで下さってありがとうございます!

仕事もようやく落ち着き、いつものペースにもどれると思います。


まあ、それでも周一ペースの亀なんですけどね(´д`|||)

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