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勇者(笑)の異世界珍道中  作者: 達磨
10/55

本領発揮

遅くなって申し訳ございません。


リアルが忙しくなってきましたので。


───リース視点────


冒険者登録を終えた彼が厨房を借りたいとのことだったのでそれを了承してあげた。すると、彼の顔が変わったのが見てとれた。

まるで今から戦場に向かうような雰囲気をかもしだしていたのだ。

初めて見たときは、妹のレティをたぶらかす輩かと思ったが、そんな感じ出はないことは見ているだけでわかった。温かいのだ。彼は。なにがと聞かれれば何かが、と答えるしかないのだけど。

そんな彼が、いきなり雰囲気を変えたのだから驚くのも理解して欲しいわ。


「彼。いきなり雰囲気変えたわね~。まるで戦場にいくみたいよー?」


そう言うと、レティも同意なのか頷く。


「そうなんだよね。ここに来る前に市場に行ったんだけど、歩いてる時は子供みたいに目を輝かせてたんだけど、食材を見つけた途端、雰囲気変えてものすごく真剣な顔をしてたんだよ?シューを選ぶ時なんて一個一個手に取ってまで吟味してたし」


あら?それは面白いわね~。シューの違いがわかるのかしら?

そんなことを思っていると、厨房の方から彼の叫び声が上がった。


「驚きのラインナップ!?」


レティと二人でビックリしたので厨房のほうに声をかけると素直に謝られた。


「す、すみません。ちょっとビックリすることがあって」


うちの厨房にそんな驚くようなものあったかしら?

レティと二人で考えていると、見知った顔が私の所に向かって来ているのが見えた。

あら?お仕事の時間ね。

彼の作るものが楽しみだけど、お仕事はきちんとしないとね~。

そう思い、レティをギルドのテーブルにつかせ、見知った顔である、エルフとダークエルフのコンビの相手をするのだった。


───オーヴァン視点───


厨房に入った俺は、頭と手の装備を外し、頭にバンダナを巻く。髪の毛が料理に入らないようにする措置だ。そして、まな板の前に立ち、作るものの材料を取り出す。因みに作るのは唐揚げだ。

材料をインベントリから取りだし、包丁を取り出そうとして俺は固まった。

オーヴァンの商売道具というものの欄の中に職場で使っていた包丁があった。それには加護が付与されていて、刃こぼれがおきず、切れ味も落ちないというものでありがたいが、俺が固まった理由はそれじゃない。

俺は多分舐めていたんだと思う。あんなに人間臭い神様だったから、舐めていたんだ。相手がこの世界の主神だと言うのに。


オーヴァンの商売道具一覧

・オーヴァンの包丁各種(加護付)

・魔導式オーブン   ・魔導式コンロ   ・魔導式冷却機   ・蒸し器   ・焦げ付かないフライパン

・魔導式バーナー   ・魔導式蛇口    ・魔導式圧力鍋   ・オタマ各種 ・泡立て機

・菜箸        ・ボウル      ・おろし金     ・あたり鉢  ・鍋各種 

                                          etc.


「驚きのラインナップ!?」


と、声を揚げたのも理解して欲しい。結構な大声を上げてしまったので、レティとリースさんに心配されてしまった。


「す、すみません。ちょっとビックリすることがあって」


そういって事なきを得た。

うん。確かに俺は商売道具と言ったさ。言ったけどもここまでのものだとは思わなかった。

まてよ?商売道具がこれだけのものなら調味料各種はいったいどうなってんだ。

嫌な気がするんだが、意を決して見る。


調味料各種(無限)

・塩 ・胡椒   ・砂糖 ・酢   ・味噌   ・味醂   ・料理酒  ・醤油    ・胡麻油   ・etc.


途中から見る気を失った俺を許してくれ。つか、ガラムマサラとかもあったんだが?

なにか?あれか?俺にカレー作れってか?ついでに、ナンも作ってやろうか?

本気で商売できるやないすかこれ?いや、商売道具って言ったのは俺だよ?だけど、こんなことになるとはまるで思わなかった。


少し呆然としていたが、驚きのラインナップに対しては無理矢理気持ちを入れ替えることにした。あまり気にしすぎもよくないだろう。

それで、落ち着いて見て気になったんだが。魔導式とは一体なんなのだろうか?

その事を気にしていると頭に声が響いてきた。


“主神からの手紙を入手しました”


なんだと!?イデア様からの手紙?!

一体どうやって送って来たのだろうか?いやまあ、そんなことはどうでもいいか。

インベントリの中にある手紙を取りだすと、二枚の白い紙が出てきた。


[こちらの世界ではオーヴァンという名前にしたのですね。とてもよく似合っていますよ。

さて、早速ですみませんが本題にはいらせてもらいます。今回は魔導式というものについて説明致します。

魔導式というのは、魔力で動かす魔導具のことです。

あなたが魔力、つまりMPを支払うことで魔導具を稼働させる事ができます。それと、これは私からの謝罪の品なので、本来の物よりもはるかに効率の良いものを準備させて頂きました。

オーブンを例に取って説明させて頂きますと、本来の魔導式オーブンであるならば、10分でMPが100ほど消費されるのに対して、あなたに差し上げたのは10分でMPを10しか消費されません。

使いやすいようにはしたつもりですが、なにかあれば言ってください。出来うる限り改善致しますので。]



お、おう。便利なもんもらっちまったぜ。つか、改善って。どうやって言えばいいんだ?口にだして言えば伝わりそうなもんだな。主神様だし。

1人でそう納得し、もう一枚の方の手紙を見る。


[それと。出来ればでいいんですが。ホントに出来ればでいいんですが、もしあなたが作ったものが余ったりしたらでいいので、私にも分けて下さりませんか?私も異世界の料理を食べてみたいので。余ったもので十分ですからね。]


もう一枚の方を見て、ああ、やっぱりイデア様はイデア様だな。と、納得してしまった。そんなことはお安いご用である。だから、これだけは言わせて欲しい。


「友達か!?」


神様なんだから命令でもいいやないですかい?なんでこんな低姿勢なん?らしいっちゃぁらしいがよ。


「もちろんOKですよ。どうやって渡せばいいですかね?」


そう口にだして言うと、頭の中にまた声が聞こえてきた。


“オーヴァンのウィンドウに〈お裾分け〉が追加されました”


ちょっと待てぇぇ!?


「ご近所か!?」


お裾分けって!お裾分けって!!献上とか奉納とか御供えとかあったでしょ!?なんでよりにもよってお裾分け?!


ウィンドウを開いて確認すると、確かにそこにお裾分けの項目が付け足されていた。

いやなんかもう・・・。いいやもう。考えたら敗けだ。イデア様らしいって思おう。うん。そうしよう。

そういうことにして、調理を始めようとする。するとまた頭の中に声が響く。嫌な予感がするんだが?


“称号〈主神の友〉を入手しました”


アイエエエェェ!?ナンデ!?ショウゴウナンデ!?

俺は急いで称号を確認する。


主神の友:主神の友人。よかったなせいnブフッ!呪い無効。


世界てめぇぇ!

吹き出してんじゃねぇよ!勇者(笑)といい!てめえ俺になんか恨みでもあんのかよ!?

イデア様とのやりとりで世界は恨まないって言ったのと、効果がかなり良さげだから怒るに怒れねぇのが腹立つ!!


「はあぁぁぁぁ・・・」


目一杯ため息を吐き、心を落ち着かせる。なんで料理してもいねぇのにこんなに疲れなきゃならんのだ。ちょっと楽しいなと思う自分にも少し腹が立つな。いじられキャラでいかなきゃならんのかね?





よし!心を入れ替え、調理開始だ!


まずはコッコの肉をバラそう。

包丁を入れ、胸、もも、ささみ、ガラに分ける。揚げるならモモ肉がいいので、他はインベントリにしまう。

モモ肉は日本みたいに若鶏とかじゃないはずだから、火をいれると固くなるので、包丁でよく叩く。

よく叩いた肉を、醤油、酒、砂糖、おろしたジンガを合わせたものに漬け込む。そして漬け込んでいるうちにシューを千切りにして、魔導式蛇口で水をだしてさらしておく。100ccで消費MP1とか安いな。


そして、次にソースを作る。作るのはマヨネーズだけどね。

卵黄に油を少しずつ加えていき、固くする。固くなったら酢、塩、胡椒を加えて味を整える。かき混ぜるのは手動だから疲れるな。この時に油も火にかけて熱しておく。


そろそろ漬け込んでいた肉がいい感じなので地から上げて、一口大に切り分けて、いろいろ混ざっている小麦粉をふるってきれいにし、それにつける。

そして、待ちに待った油へ投入の時間だ。あの油がパチパチとはねる音は無性に腹がへる。味見と言う名のつまみ食いが楽しみだ。おっと涎が。

油の中に肉を入れ、音を楽しむ。表面の色が変わってきたら油から上げて、油の温度を更に上げる。そしてまた投入。今度は表面だけをカラッと揚げるだけにとどめ、上げる。

いい感じに揚がったので、早速お楽しみだ!

一個とり、熱々のものを息をかけて冷まし、食べる。

うん。旨い!コッコ、思ってたより旨いじゃないか!!

予想以上の出来に嬉しくなり、もう一個とてを伸ばした時、目の前に人型の羽を生やした小さな可愛らしい女の子がいることに気がつく。

よ、妖精!?いや、精霊!?とにかくファンタジーだぁ!!

ビックリと嬉しさが相まって変なテンションになりそうになるが、その妖精?が唐揚げを指を加えて物凄く物欲しそうに見ているのに気づく。

もしかして食べたいのか?つか、食べられるのか?

そう思いながら、俺は一個とり、妖精?に差し出す。


「食べたければどうぞ。今は凄く熱いから気を付けてね」 


そう言うと、妖精?は物凄く驚いた表情をしたが、食欲に負けたのか、おずおずと近寄ってきて唐揚げを手にとった。妖精?に対して唐揚げが少し大きいので、両手で抱えている。少し悩むようにしてから、意を決して一口かじる。熱かったのかしばらくはふはふとさせていたが、飲み込むと凄く嬉しそうな表情になった。

口にあったようでなによりだね。

微笑ましい情景を横目で見つつ、さらしておいたシューの千切りを水から上げ、唐揚げと一緒に盛り付ける。横にはマヨネーズもきちんと添えておく。

よし完成!ただ、ちと多すぎたな。明らかに四人前の量より多いわ。まあ、いっか。余ったのはインベントリに入れておこう。

出来上がった4つの唐揚げの皿の内の1つと余った唐揚げをインベントリにしまい、盛り付けたほうは〈お裾分け〉する。


よし!あとは、持っていくだけだ。ここにあるパンとかも一緒に持っていこう。


そう思ってお盆に3つ乗せ、持ち運ぼうとすると、先程の妖精?がニコニコとしながら飛んできて、俺の頭の上に乗った。なんか嬉しかったので、インベントリにある唐揚げを取りだし、妖精?にまた一個あげた。見えないからわからないが、はぐはぐと聞こえるので食べているだろう。

頭に妖精?を乗せたまま、俺はレティとリースさんのもとにむかった。





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