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プロローグ

 大安吉日の午前11時。

 

ホテルに設けられたチャペルの入口で純白のウエディングドレスを纏った新婦と新しい門出の始まりとなる扉が開くのを待つ。

 

まるで時間が止まったかのような静寂の中、自然と花嫁の顔を見た。ブーケ越しに映った彼女の表情は付き合っている時には見たこともないほどに凛としていて美しい。


「綺麗だよ」と声をかけると照れくさそうに笑みをうかべると新婦の頬が赤らんだ。あぁ、このまま永遠に時が止まればいいのにと思った瞬間。ゆっくりと扉が開かれた。

 

門出を祝う参列者の拍手と喝采。大音量の結婚行進曲が流れるヴァージンロードを右足を出して左足を揃えながら一歩ずつ神父のいる十字架が飾ってある祭壇を目指す。


緊張をほぐす為に小声で「右、揃えて、左」とヴァージンロードの歩き方を復唱しながら歩を進めた。


そんな私の様子を見て、新婦は「もう、馬鹿なんだから」と呟いた。

しかし、そんな新婦の組んだ細い腕は震えていて可愛かった。

 

祭壇につくと、オルガンの音色と共に参列者が讃美歌を斉唱してくれ、神父は聖書を持って愛の教えを説いてくれた。そして、誓いの儀式。

 

神父が私に問うてくる。


「あなたは、その健やかな時も、病める時も、常にこれを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、これを守り、その命の限り、固く節操を守ることを誓いますか?」

 


カトリックでもプロテスタントでもない無宗教の私だったが、この厳粛なムードと新婦の新郎を見つめる眼差しの前では、もはや問題ではなかった。


「誓います」

 

そして、神父は同じ事を花嫁にも聞く。


「誓います」


所詮はイベントといったらそれまでだが、私は新婦の返事を聞いて身が引き締まる思いがした。


なぜなら、彼女は私という男性に運命を任せてくれたからだ。


人には持って生まれた器というものがあるかもしれないが、私という男性を選んでくれた新婦に対して、精一杯努力して幸せにしてやらないと失礼だと思ったからだった。だから私は「その健やかな時も、病める時も、常にこれを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、これを守り、その命の限り、固く節操を守ることを」誓う。

 

この気持ちはきっと新婦も同じに決まっているから。


 




そして、あれから十五年の月日が経った……。

 

 

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