第四話 職業ガチャは人生を決める
ギルド拠点は、元カラオケだった。
ネオンは消え、
代わりにモニターと配信機材が並んでいる。
「ここが〈LIVESTREAM〉の本部」
LIVがドアを開ける。
中には数人。
全員、スマホを握っている。
そして全員――
ステータスが高い。
俺を見る。
「新人?」
「例の時間停止」
ざわつく。
画面にポップアップ。
職業ガチャ解放
説明。
職業はスキル補正・成長率に影響します
「来たね」
LIVが笑う。
「ここからが本当の課金ゲー」
職業一覧が流れる。
剣士。
魔術師。
狙撃手。
配信者。
タンク。
「配信者って職業なのか」
「INTとLUKが伸びる」
なるほど。
だが俺は。
時間停止持ち。
近接+瞬間火力型。
なら。
職業ガチャ。
画面下。
職業ガチャ:10,000円
残高:18,420円
痛い。
だが職業は重要。
「引きな」
LIVが言う。
「職業なしは成長率0.8倍」
俺はタップした。
ガチャが回る。
金。
止まる。
表示。
《時操士》
沈黙。
「……は?」
説明文。
時間系スキルの効果時間+100%
クールタイム−30%
LIVが吹き出す。
「当たり」
周囲がざわつく。
「それSSR職業」
「新人で引くか普通」
スマホが震える。
ステータス変化。
時間停止:0.5秒 → 1.0秒
クールタイム:10秒 → 7秒
「世界が変わるな」
俺は呟いた。
1秒。
それは戦闘では永遠だ。
さらに新表示。
職業スキル解放:《時間圧縮》
説明。
自身のDEXを2倍(1秒)
近接特化。
完全に俺向け。
LIVが言う。
「ビルド完成してきたね」
その時。
拠点のモニターが赤く点滅した。
警告。
ギルド戦布告:〈KINGS〉
空気が凍る。
「廃課金ギルドだ」
誰かが呟く。
画面に映る。
ランキング上位の名前。
1位:王城カイト
2位:???
3位:???
そして。
王城カイトのステータス。
HP:1,240
STR:102
DEX:88
INT:76
LUK:44
称号:
《現実改変者候補》
「……桁が違う」
LIVが真顔になる。
「配信潰しに来た」
コメント欄が荒れる。
《ギルド戦きた》
《新人デビュー戦》
《時操士見せろ》
通知。
ギルド戦開始まで:24時間
つまり。
準備時間がある。
LIVが俺を見る。
「新人、特訓」
「……やるしかないか」
スマホに新機能。
ギルド共有倉庫解放
中には。
スキルチップ。
装備ガチャ券。
課金支援ポイント。
「配信の稼ぎ」
LIVが言う。
「全部戦力に変える」
俺は画面を見る。
選択肢が並ぶ。
STR強化。
DEX特化。
時間特化。
バランス型。
俺は決めた。
時間特化。
短時間で確殺するビルド。
「王城カイト倒すぞ」
拠点が静まる。
そして。
誰かが笑った。
「新人が王を狙うか」
LIVがカメラを回す。
「同接一億いくね」




