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Episode.1


「フハハハハハ、貴様は懲りぬな勇者アベルよ。一体これで何度目だ?」

「うるさい!今日こそお前を倒して世界に平和をもたらすんだ!」


 …いや平和になるわけなくな〜い??俺人間から魔王魔王言われてるから魔王って名乗ってるけど実際はただの魔人だからな?つまり魔族側からしたら同胞が一人倒されるくらいの感覚でしかないからな??

 と、まあそういうのは置いておいて。


「フン…かかってこい。貴様ごときが我に勝てると思うなよ」

「それでも立ち向かうのが勇者というものだろう」


 いやお前、だからって立ち向かいすぎだろ。自分でも何回目かわかってねえんじゃねえの?教えてやるよ!今32回目!!!


『勇者アベルの名の下に、炎の大精霊サラマンダーをここに召喚す!!精霊召――』

「お前は学ばぬな、勇者よ。精霊召喚中は隙だらけになるとあれほど言ったのにな!アイスランス!!」


 生成した鋭い氷の槍が勇者の右肩に突き刺さる。


「ぐっ…詠唱中に卑怯な…」

「狩るか狩られるかだ。戦いとは卑怯な手を使うものだけが勝ち上がれるのだ」


 とか澄まして言ってるけど右肩痛そうマジでごめん!!外すつもりだったのにコントロールミスっちゃったんだよ〜(泣)ほらめっちゃ顔歪めてるじゃん!早く退散しろよ!


「それは抜かぬほうが良いぞ」


 肩に突き刺さった氷を引き抜こうとする勇者を見て思わず呟いてしまった。それ引き抜いたら多分血止まらなくなるぞ。死ぬだろ。てか嫌だよ床汚されるの。掃除するの俺なんだよ。


「なに?」

「いや、独り言だ気にするな。…どうした?来ないのならこちらから行くぞ」


 俺は地面を蹴り勇者に接近する。そして、強烈な右パンチを繰り出した―――が、その拳は勇者には到達しなかった。勇者による風魔法で切断されたのだ。


「無詠唱か。どうやら少しは成長したようではないか。だが甘い!!」


 右が切り落とされたのなら左で殴ればいいだけ。俺は油断している勇者の頭にゴツリと一発拳を入れた。勇者の体はグラリと揺れ、その場に倒れる。


「まだこれは耐えられなかったか…。これが耐えられるくらいになったら俺のことも倒せるのかもな。」


 独り言を呟きながら倒れた勇者の肩から氷を引き抜く。

 うわ〜結構深く刺さっちゃってたなぁ。最近使ってないしちゃんとコントロールできるように練習しておかないと。


『治癒の精霊、エイルよ。我に力を貸し給え。精霊召喚』


 俺が治癒魔法を使えればいいのだが、どうにも不向きで変に治癒してしまっても困るのでここはスペシャリストに頼るとする。まあもともと応急措置のつもりだからそんなにガッツリ治す気はないけど。


「はぁ…ったく、もう来るなよ。俺のことなんて忘れてゆっくり暮らせよ」


 なんて言えるわけないんだけどね。コイツもどうせどっかから依頼受けて来てるんだろうし。


『転移魔法陣生成。我、魔人エルーシオが人の子、アベルを王都へ転移す』



 さて、勇者も王都に送り返したことだし右手治さないとだな。

 俺はその場に転がっていた右手を切断部分に押し付けながら氷魔法で簡単に固定する。完全にくっつくにはあと半日はかかりそうだ。



 勇者アベルよ、次回も女神ソフィーアの加護があらんことを。



《登場人物紹介》


◯エルーシオ

 本作の主人公。氷の魔人。人々から魔王と呼ばれているが、力が強いだけのただの魔人である。勇者をボコボコにするのは好きではないが、勇者に会うのは意外と楽しみにしている。


◯アベル

 勇者。エルーシオ曰く、「最初よりは成長しているがまだまだへっぽこ」とのこと。


◯ソフィーア

 かつて大陸で広く信仰されていた女神。現在はやや衰退しててきているがそれでも一定数の信者を抱えている。


 ここまで読んでいただきありがとうございます。曖昧ミーです。まだ小説を書き始めたばかりなので慣れておらず、中身がスカスカだったり表現がくどかったりテンポが悪かったりなどの改善点が沢山あると思います。そんなときはここが悪いからこうしたらいいと思うよ、ということを教えていただけると嬉しいです。

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