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紅ゼロ点  作者: Hatimaru
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回顧

未だにアイデアが湧かない自分にイライラしていた。

時計の長針は12を回った。かれこれ2時間悩み続けている。10月初旬という快適な季節だから、窓を少し開けると涼しい風が通る。皮膚は冷たいのに体の芯は暑い。誰もが一度は経験したことのある悩みである。そんなこんなしてると時計の短針は1を過ぎていた。ピコン!とスマホの通知がなった。

(こんな時間に誰だよ)

そんなことを思いながら、画面を見た。隼人からだった。高校時代は親友だったが、最近は疎遠になりつつあった。RINEを開くと、数行のメッセージが来ていた


『夜遅くにごめんな。明日って予定とかある?

なかったら少し呑まない?いやー久しぶりに話したくてね。色々あったからさぁ。どうかな?連絡よろ』


単純に明日呑もうで良いとこをポエムみたいに書きやがって。別に予定は無いし、仕方ない。時計の短針は5を過ぎていた。



翌日、起きたのは11時だった。やべぇー寝過ぎたという焦りと大学ないし良くねという甘えがぶつかっていた。僕の心は潮目、だからといって体に脂が乗っている訳では無い。その潮目に横から激流が来た。もうすぐ大学だから早寝早起きをするという憂鬱さである。

折角苦労して入った大学なのに、必修が一限にあるという地獄っぷり。嗚呼無念、と思いながら黙々と準備を進める。一人暮らしは最高と思ったのは始めてから一日だけだった。掃除、洗濯、料理を1人でこなす大変さをヒシヒシと感じるとともに、母親の有り難さを実感した。朝飯は昨日の残りで済ませ、洗濯物を干したら、なんだかんだ言って12時になってしまった。


隼人と会うのは2年ぶり出会った。感動の再会の場所はファミレス。互いに一人暮らしなのだから仕方ない。しかし、せめて格安居酒屋とかにしないか?さらに、昼から会うとか感動が薄れるじゃん。そもそも感動とかほとんどないけど、、、


自分が住んでる下井草からファミレスのある新宿までは西武新宿線で1本と思いきや、西武新宿から数分歩かないと新宿に着かない。どうして、新宿に着かないんだよという不満は学生時代からあった。しかし、僕のような陰キャ高校生は新宿になんか行かなかった。


各駅停車で30分。西武新宿に着いた。数分歩いて、新宿のファミレスに入った。中には既に隼人がいた。隼人は手を振って「こっちこっち」と大声で言った。公共の場で大声出すな、恥ずかしいと思い、眉をひそめながら席に向かった。さっきまで大声を出していた隼人は真摯な表情になっていた。





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