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しばしの休憩2

・・・朝日が眩しいな。

今日も起きれなかったらアルマになんで言われるかわかったものではない。

急いで準備を進めるとしよう。

食堂にいたのはヘルミナだけだった。


「ヘルミナ、おはよう!」


「ディベル!おはようっ!」


ヘルミナは机に地図を広げていた。

多分、俺たちが迷わないよう確認してくれているんだと思う。

本当に頼りになるな


「ヘルミナ、いつもありがとう!」


「えっっ、急にどうしたの?」


ヘルミナは照れ隠しか、もじもじしている。


「いや、いつも助けられてるなって改めて思ってさ。」


「・・・」


ヘルミナが何も言わずにこちらを見つめる。

なんともいえない空気が2人の間に渦巻いていた。


「おっ、ディベル!

今日は起きれたみてえだな!」


アルマが勢いよく入ってきたことでその空気はどっかに行ってしまった。

あいつ、部隊にいた時はほぼ寝坊してたのに最近になってから俺よりも早く起きる時がある。

なんでだ?


「・・・アルマ、おはよう!」


「おう!」


ヘルミナのジト目をものともせずスルーするアルマ。

さすが、とだけ言っておこう。

俺はヘルミナの開いていた地図に目を向ける。


「なあヘルミナ、このでっかい森はなんなんだ?

グロリエ皇国の首都くらいの大きさがあるんだが?」


「あっそれはね!

死の森って呼ばれてるとこらしいよ!

浅いとこなら大丈夫だけど、深いところには恐ろしい魔物が住んでるって噂。」


死の森、死の森、、死の森?

なんか聞き覚えあるような・・・


「おっ、ここ俺たちが修行の旅で行って死にかけたとこの一つじゃん!」


「そうだったな!思い出した!」


俺たちは騎士団に入るため色々な場所を旅した。

その中でトップ3に入るやばい場所だ。

鬱蒼な森であるため、飛行系の魔物に襲われることはないが10歩歩けば奇襲を受けるという頻度でエンカウントがとても多い・・


「この死の森は冗談抜きでやばい場所なのに、よく生きて帰ってこれたね・・」


ヘルミナにドン引きされてしまった。

まあ確かに二度と行きたいとは思わない。


「おはようございます!

今日は私がビリでしたね!」


「リリルテ、おはよう!」


「おはようっ!」


リリルテがやってきたようだ。

アルマはいつのまにか消えていた。


「まずは朝食にしましょう!」


「ヘルミナさんのご飯美味しいので楽しみです!」


「俺はちょっとアルマ探してくるわ!」


俺はアルマの捜索を始めた。

部屋にはいない、甲板にもいない、他に行きそうな場所を考える。

ふと頭上に何か気配を感じたので飛び退く。

そこにいたは、魚だった。

ピチピチ跳ねている、生きがとてもいい。


「はっ?なんで魚降ってくんの?」


俺は訳がわからなかった。

ここは海の上とはいえ、海面から数千メートルは離れているはずだ。

飛行種の魔物でもいたかと空を見上げてみるも何もいない。

むしろ快晴で雲一つ見えない。 


「ひゃゃゃゃぁぁほぉっっっうーー!!」


奇声を発しながらすごい勢いで上昇してきたものがいた。


「おお、ディベル!

せっかくだから昼飯に魚食いたいと思ってよ、とってきたぜ!」


いや、ここ海面から数千メートル離れているんだが・・

まあ取ってきたと言っているのだからそうなのだろう。

俺とアルマの仲は長く、彼のことを知った気でいたが傲慢だったようだ。


「ああ、そうか。

ヘルミナに伝えておく」


「おう、任せた!」


一言だけ俺に伝えると、アルマは飛び降りて言った。

奇声がどんどん遠くなっていく中、俺は船内に戻ることにした。


食堂へ戻りヘルミナとリリルテに事の顛末を話した。

終始、2人はポカンとしていたが甲板に打ち上げられたピチピチ跳ねる魚を見て納得してもらった。


アルマが戻ってきたので軽い朝食をとり、明日のことについて少し話しておく。

というもの明日の早朝には目的地に着くからだ。

この飛行船をどこかに隠しておく必要がある。

魔法袋はあるものの、飛行船は入らない。


「さて明日の早朝、まあ目的地自体には夜中に着く。

そこで問題になるのはこの飛行船をどこに隠しておくかだ。」


ヘルミナとリリルテ、(アルマ)が地図と睨めっこをし始める。

最初に顔を上げたのはアルマだった。


「じゃあ、死の森・・」


俺は脅威の速度でつっこんだ。


「却下だ。

本当に地図みていったのか?」


死の森はエレドラ大陸の最南端にある。

つまり、南、東側は海に面しており、北、西側は鬱蒼とした森が広がっている。

もうわかるだろう。

アルマが指さしていたのは海に面している南のところ。

もしそこに飛行船を置いた場合、俺たちは死の森を強行突破する必要が出てくる訳だ。


「では人が寄りつかない場所に人払いの結界を張ってそこに置いてくのはどうでしょう?」


なるほど!

結界術が使えないから思いつかなかったが、かなりいい案だ。


「そうですね・・

ニルスの東方にあるネル台地はいいんじゃないでしょうか?」


なるほど、ニルスから近いしわざわざ上まで行く物好きはいないだろう。

上り下りが大変という問題点はあるが魔法やら魔道具やらでどうにかなる。


「じゃあそれでいいな?」


リリルテとアルマはすぐに頷いた。

ヘルミナは数秒考えたあと、観念したように頷いた。

真面目に考えてくれるのはありがたいがそこまでしなくても・・とも思ったがまあいいとしよう。


最終確認は夜にするとして概ね話したいことは話せた。

とりあえず昼までは自由でいい。


「じゃあ、また昼にここで集合だ。」


俺はそう締めくくるといつもの鍛錬の場所へ向かった。

素振り、魔力操作を終え、自身の決めていた課題について考える。

それは防御面についてだ。

身体強化で意識して特定の部位を硬化して防いだり躱したりすることはできるものの、不可視の攻撃や意識外からの攻撃には対処できない。

光魔法の魔力を集め、体を覆うようにしてみたもののうまくいかない。

強度は並。これはまだいい。

だが光ってるのはダメだろう。俺自身の視界も悪くなるし、格好の的である。

結局解決はできなかった。

ヘルミナがあの短時間でできてしまったことの方が異常であった。

俺は一旦思考を切り替え、昼食に集中することにした。


「ディベル!おかえりっ!

もう焼けるとこだよ!」


食堂には香ばしい魚の匂いが充満していた。

匂いだけで食欲がそそられる。

昼食めっちゃ美味しかった。

ヘルミナに聞いたところ、グランニルスという魚らしい。

エイモン連合においてグランニルスは魚の王様とされており、基本市場には出回らず、出回ったとしてもあまりの値段で手が出せないほどだという。

平均価格は、俺の給料2年分だってさ・・

高騰する理由は捕獲の難しさだ。

深海に近い位置に生息しており、発見が困難かつ泳ぐスピードが尋常ではないらしい。

まあこんなことはいいか。

とりあえず、アルマ最高!!


そろそろ本題にいこう。


「この飛行船を置く場所がネル台地になった以上、少し予定を変更する必要がでてきた。

エレドラ大陸に上陸するのは深夜1時ごろになる。

だから、旅の荷物をまとめ、体を休めておこう!」


了解とばかりに頷く。


夕食までが体を休められる最後の時間であり、そのあとになるとニルスに入って宿屋を見つけるまではゆっくり休める時間はないだろう。


俺も最終調整をしておくとしよう。

準備をして仮眠をとったつもりが、もう夕方になっていた。

俺は少し急いで食堂へ向かった。


ついてみると、まだ集合までに15分ほど余裕があった。

俺は聖剣の手入れをして待つ。

心の中でレディルを呼ぶものの返事はない。

まだ力を溜めているのだろう。

夕食後特に問題もなくエレドラ大陸に近付いていた。

この時、エレドラ大陸上陸30分前に問題が起こるとは思ってすらいなかった。






















実際に書いてみると、転スラや無職転生とかがどれだけすごいかしみじみと感じる。

うまく書けるようになりたいなあ

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