作戦会議
机にはお菓子の包みが散らばっていた。
ヘルミナは幸せそうな顔をしており、アルマは空中で寝転んでいる。
復活してくれたみたいだし本題に入ろう。
「ヘルミナ、アルマ!今後の作戦について話し合うぞ!」
ヘルミナはポワポワした雰囲気で、アルマは目をしょぼしょぼさせながらやってきた。
「はぁーい」
「・・・おう」
毒気を抜かれるような雰囲気だが、動じていない。
そう考えるなら悪くはないのか・・?
そんなことでことを考えながら話を始める。
「さっき伝えた通りだが覚えているな?
仲間に関しては解決した。残る問題はリリルテの救出、グロリエ皇国からの脱出だ。
何かいい案はないか?」
アルマが手を挙げた。
「はい、アルマなんだ?」
アルマは自信満々に言った。
「俺みたいに飛べば城壁だって簡単に越えられるぞ!」
スパァァン!!
俺は無言でアルマの頭をスリッパで叩いた。
アルマは頭を抱えて空中で転がりまわっている。
「なにすんだ!!」
「あのなあ、俺とヘルミナ、救出したリリルテはどうするんだ?」
アルマをじっと見つめる。
アルマの目が泳ぎ始めた。
「・・・まあ、そのだな・・気合いか?」
スパァァン!!!
さっきより強めに叩いておいた。
「ヘルミナは何かアイデアはないか?」
考えてる仕草もかわ・・
俺は何を考えている!?
自分をスリッパで叩いた。
ヘルミナに驚かれたが気にしない。
「リリルテはディベルしか知らないわけだし、アルマと一緒に救助に行くのはどう?
私は飛行船をとりに行って上空で待機しているわ!それに私は隠密が得意なの!きっと役に立てるわっ!」
リリルテの提案を吟味する。
隠密が得意と言っている以上、アルマを連れていくのは失敗する可能性が増える。
だからと言って1人にしておくわけにもいかない。
となると、俺と救出に行くのが無難か。
「2人にも秘密にしていたことがあるの、あんまり驚かないでね!」
ヘルミナはそういうと首飾りに手をかけ外した。
可憐な花のような美貌。雪のように白い肌。ちょっとだけ長く尖った耳。
ちょっと気恥ずかしそうに、はにかんだ笑みを浮かべながらこちらを見上げていた。
俺は言葉を失って深緑の瞳を見つめていた。
「私、実はエルフだったんだ。今まで黙っててごめんね?
心の底から信頼した人以外には知らせちゃダメって言われてて・・
今後のために隠し事はないほうがいいよね?」
・・・はっ
「あっ・・ああ、そうだな。強敵と戦う上で連携は必須だ。
お互いをよく知っておくことは重要だな!」
今までダンマリだったアルマが口を挟む。
「だったら、ステータスを教えあうのが手っ取り早くないか?」
アルマの言うことはもっともだ。
しかし、自分のステータスを教えることは良いとはされていない。
なんせ、他人に自分の弱点を教えるようなものだ。
でも、第3隊のメンバーになら教えてもいいそう思えた。
「アルマはいいとして、ヘルミナも構わないか?」
「ええ、もちろんよ!」
心の中で念じる、ステータス・・・
⚪︎ステータス
ディベル(18)
種族 人間
戦士Level35(英雄Level15)
体力7500/7500
魔力300
物理攻撃3000
物理防御2500
魔法攻撃2000
魔法防御1900
スキル
剣術(8)
身体強化(7)
光魔法(5)
体術(7)
聖剣術(1+3)
ユニークスキル
レディルの血を引くもの
不屈の英雄
称号
神将を撃退せし者
聖剣の使い手
・・・なんかめっちゃ増えてる!!
ガラハッドとの戦いは本当に死ぬかと思った・・
そのおかげでスキルレベルが平均2上がってるし、聖剣術も・・
極め付けは称号だ。
万が一グロリエ皇国のどこかにいる破壊神の眷属にバレたら確実にまずいよな・・
神将を撃退せし者、破壊神、その眷属に対して特攻
聖剣の使い手、聖剣術のスキルレベルプラス3、威力200%アップ
スキルレベルの最大は10とされている。
つまり、聖剣術をレベル10にしたら13になるということだ。
「うわぁぁ!!すごいですね!!」
ヘルミナは手をブンブン振りながら俺のステータスを見ている。
「次は私のを見せますね!」
⚪︎ ヘルミナ(18)
種族 エルフ
精霊術師Level30
体力5000/5000
魔力500
物理攻撃1000
物理防御1500
魔法攻撃4500
魔法防御3000
スキル
精霊術(7)
魔力回復速度上昇(5)
隠密術(6)
疾走(6)
簡易結界術(5)
弓術(6)
音魔法(6)
ユニークスキル
精霊の愛子
称号
神樹の民
「私のはこんな感じよ!
サポートと後衛なら任せて!」
胸の前で握り拳を作って自信満々に言っている。
なんと言うか、うん・・
これ以上はやめておこう。
また脱線しかねない。
「ヘルミナ!頼りにしてる!
最後にアルマ頼むぞ!」
「おう!最後に締めくくらせてもらうぜ!」
アルマと模擬戦をよくしていたのだが、はっきり言ってめちゃくちゃ強い。
一体どんなステータスなのか楽しみなところだ!
⚪︎アルマ(-)
種族 幻獣(人型)
幻獣Level45
体力12000/12000
魔力350
物理攻撃5000
物理防御4500
魔法攻撃4200
魔法防御4000
スキル
重力魔法(8)
風魔法(8)
体術(7)
爪術(6)
身体強化(7)
魔力消費減少(8)
ユニークスキル
真・幻獣化
並列起動
称号
「こんな感じだぜ!どうよ?」
そりゃ強いわけだ
そもそもステータス差がある上、当時は剣術のスキルレベルも5だった。
でももう負けてやるつもりはない!
「アルマは普段から魔法を使っていて強いと思ってましたが本当に強い!
私もディベルやアルマに負けないように頑張らないとね!!」
アルマは空中で胸を張っている。
少し調子に乗せてしまったか・・
俺は手を叩いて注目を集める。
「これで互いについてよく知れた!
この3人だと俺が前衛、アルマは基本前衛、隙を見て魔法で攻撃、ヘルミナは簡易結界術によるサポート兼精霊術か弓で攻撃が無難だと思う。」
「それでいいと思うぜ!」
「私もです!」
「じゃあこれで決まりだ。後々連携を確かめよう!
ヘルミナはグロリエ皇国を脱出するまでは人化の首飾りをしておいてくれ!」
少し残念に思わなくもないが、仕方がない・・
「はいっ!」
話し合ったことをまとめていく。
アルマの作戦は論外として、ヘルミナの作戦が無難だな!
互いの得意、不得意も知れたからカバーもしやすくなる。
問題はいつリリルテを救助するかだよな。
夜も悪くはないが、警備が厳重なのは間違いない。
となると、リリルテには申し訳ないが早朝がベストか・・
「聞いてくれ!
結構は明日の早朝!
ヘルミナは飛行船の確保を頼む!
俺とアルマはリリルテの救助にむかう。
ヘルミナは上空で待機、俺たちは救助し次第屋上へ向かう。
まだ言ってなかったが俺たちの行き先はエイモン連合の首都ニルスだ。
あとのことは飛行船で話すつもりだ。
明日に備えて今日はこれくらいにしておく。」
「「了解!」」
予想外のことがありつつも情報の共有を行うことができた。
上出来と言っていいだろう。
しかし!失敗は許されないというプレッシャーを感じながら時間は過ぎていった。