Epilogue:つながる、こころ。
「蘭ちゃんって、めちゃくちゃえっちだね……」
「あら、今更なの?……それに、私に付いてこれるあなたも、相当なものじゃない?」
熱くて、甘いちゅーの後。ふわふわした頭の中、かき回すように頭をなでなでされる。もっとちょうだいって、自然に思っちゃうような。
「それは、……そうだけどさ」
「それに、欲しがりな私のことも、嫌じゃないんでしょ?」
「好きだよ……、だから、困っちゃうのに」
「ふふ、……イケナイことしてみたくなるのも、一緒なのね」
デートの最後、いちゃいちゃするためにカラオケに行くの、二人のお約束みたいになっちゃった。行くたびに言い訳みたいに曲を入れるけど、歌ったこと、そういえば全然無いや。蘭ちゃんの歌声も聴いてみたいかも。でも、それ以上に、外じゃ絶対にできないこと、こころも欲しくなっちゃう。
「こころ、悪い子になっちゃったね……」
「私はその方が好きよ?」
「蘭ちゃんはそうだろうけどさ、……サンタさん、もう来なくなっちゃうかも」
「そうかもしれないわね。あなたももうオトナになったもの」
そういう風に、心をくすぐってくるの、……そんなんだから、もっと好きになっちゃう。まだ、とろとろにとろけて、熱いまま。……イケナイ誘惑に、逆らえなくなっちゃってる。
「蘭ちゃんのせいだよ、……責任、とってくれる?」
「ええ、それなら私も、その言葉返させてもらおうかしら。……あなたじゃないと、もう満たされないもの」
向き合った体、見つめ合う目線。これだけで、もう分かるようになっちゃった。もっと、ふれあいたい。気持ちよくされちゃいたい。もっととろとろにしてほしい、こんなのがダメだって常識もわからなくなっちゃうくらい。
くちびるに指をあてられて、こういうのだけで、ちょっとドキってする。……ちょっとだけ気持ちいいけど、これじゃ、足りるわけないよ。軽く、ぎゅってしてみる。
「いいよ、……おいで?」
「それじゃあ、遠慮なく、……あなたのこと、頂戴?」
にやって笑うとこ、それすらキレイなの。こんなの、もっと好きになっちゃうよ。胸元を軽く押されて、……とふんって押し倒される。初めてこういうことしたときは怖かったけど、今は、大丈夫。増えたドキドキが、そのまま『ほしい』に変わってく。
「蘭ちゃんの好きなだけ、……いいよ?」
「そう?……なら好きなだけ、あなたのこと、食べちゃいたいなあ……っ」
「……欲しいって思ってるの、こころもだもん」
今日はたっぷり時間があるから、……好きなだけ、いいよ。二人きり、夢みたいな時間。つながってっちゃう。心も、体も。




