すぎてく、じかん。
何度でもくれるし、ずっと待ってくれるから、こわいより、期待のほうが強くなってる。ふわふわにとろけた頭が、その先を知りたがってて、らんちゃんも、応えてくれて。触ってくれる手つきも、声も、ちゅーも、やさしくて、きもちいい。
「……どうかしら?」
「ん、ぁ、だめだけど、すき……っ」
「ふふっ、素直で、……とってもいけない子ね、おいで?」
「ぁ、らんちゃん……っ」
こえ、でちゃう。こころの体から出てるって思えないくらい、なんか、えっちな感じ。びくって、うごいちゃう。本でも教えてくれないようなこと、体におしえられちゃう。こえにさそわれるように、体をよせる。あまくて、あったかくて、ふわふわしてる。
「いいわよね?」
「いいよ、きて……?」
やさしくさわってくれるの、どうして、こんなにきもちよくなっちゃうんだろう。みんなどこかに「すきなとこ」があるとか言ってたけど、こころは、ぜんぶそうなっちゃってるのかな。
「ん、ねえ、……こころ、ヘンになっちゃってるかな、からだのおく、きゅんきゅんしてる……っ」
「私のこと、受け止める準備してくれてるのね。……そのままでいいのよ、このまま、気の済むまで気持ちよくなりましょ?」
「うん、……」
耳元、息もかかるようなとこで、こえも、とろとろしてるかんじする。ほしいっておもってくれてて、こころも、おんなじくらいほしいっておもってる。
また、おっぱいのあたり。いじいじされる。そこ、いちばんすき、かも。ふわふわがもっとつよくなって、なにかをにぎってないとどうしようもなくって。……きゅうに、でんわの音がなる。
「もう、……時間だったかしら」
「そうなの……?」
「ごめんなさいね、ちょっと出るから」
「ん、わかった……」
からだ、はなれちゃう。でも、そんなにたってたっけ。いっぱい、いちゃいちゃはしたけど、……時計を見てみると、たしかに、二時間くらいになってる。
「やっぱり、もうすぐ時間だったみたい。……まだ足りないなら、門限とか大丈夫だったかしら?」
「たしか、部活の終わりの時間くらいだから……」
「そっか、なら延長は難しいわね。……せっかく、満たしてあげられそうだったのに」
「ん、そうだね……」
ちょっとだけ、おちついてくる。さっきみたいな優しい手つきでなでなでしてくれるけど、ドキドキまではいかないくらいになる。ぽかぽかしてた体も、元通りになってく。
「落ち着くまで、少し休みましょ?」
「わかった……」
ぎゅってしてくれるから。なんとなく、ふわふわした足元が、ちょっとずつ椅子の上に座ってるのを思い出してくる。さっきまで、夢でも見てたみたい。
「私とするの、どうだったかしら?」
「えへへ、……気持ちよくて、ふわふわして、なんか夢だったみたい」
「そう、……こころも、満足してくれたならよかったわ」
でも、夢じゃない。呼び方も、全部変わっちゃってる。……でも、もうちょっとだけ、夢にいたいな。ちゅー、したい。だって、こんな近くて。
「ちゅーするの、もっかいだけ、いいかな……?」
「嫌なわけないでしょ?……ほら」
また、顔を寄せてくれる。少し、蘭ちゃんのほうが背が高いから、ちょっとだけ上を向いて、目を閉じる。耳元、また触ってくる。これだけで、ふわふわして、とけそう。
「……ん、ちゅぅ……、るぷ、ぁむ、はぁ、……れる、はむ」
「……はぁぅ、ん……、ね、……んぁ、んむ、ぁ……、ん、ぴちゅ」
とけて、ひとつになっちゃいそう。息のしかたも、ちょっとだけわかってくる。さっきまででも、どれくらいしたっけ。
「……ちゅ、んぷ……、はぷ、ぁ、ちゅぷ、……りゅぴ、ん……」
「ぁ……、ん、ぁむ、あっ、ん、んぷ、……ぅむ、ぁん……」
オトナのちゅー、さっきより長いよ。蘭ちゃんも、もっとほしいって思ってくれてたんだ。はなれちゃうの、さみしくなっちゃう。でも、見つめ合って、ついにやけちゃう。
「……落ち着いたら、帰りましょうか」
「うん、だね」
しばらく、ぎゅってしたまま。火照った体を感じながら、少しずつ冷めていくのを待つ。……すき。でも、それだけじゃ足りないや。……「しあわせ」って言ったほうが、たぶん、今の気持ちにぴったりになる。




