alia parte:遭遇、発火。
2話あたりのことどんなこと考えてるんだろうかと思ったらつい筆がですね
「ね、おねぇ、さま」
「かわいい、……こんなに啼いてくれるなら、攻め甲斐もあるってものよ」
声を聞きたいから、唇は塞がずに。耳元だったり、首筋だったり。『すきなとこ』って、けっこう似通ってくるのよね。……そろそろ、我慢できなくなってる頃。私も、もう、触れ足りない。
「あっ……そこ……っ、だめ……っ」
「……ダメなわけ、ないでしょ?……今日は、私んち、おいで?」
「はい、だから……」
「わかってる、いっぱいかわいがってあげるから」
控えめだけど、女の子らしさを感じる柔らかい乳房。シャツの上からなのに、もう感じてる。……それなのに。
「シッ……ちょっと静かにしてなさい、誰か来てるかも」
「ね……、ふぅ、……は……ぁ」
耳元で囁いてあげると、漏れる声を必死でこらえているような吐息。我慢がきかなくてつい襲っちゃったけど、ちょっとタイミングが合わなかったかしら。風紀委員だったら最悪だな、目をつけられないように立ち回ってるのに。何かを探るような足音に、身が強ばる。
「ちょっと待ってなさいね、すぐ戻るから」
「は、はい……」
ここには『同業者』もいるけれど、風紀にバレたらコトだ。掴ませてない尻尾を掴ませても、窮屈になるだけ。学校では抑えてるし、バレないでいるけれど、私が奔放なことは隠してないから、鬼の首を取ったように詰めてくるのが見えてるし。
向かってくるような足音は、どこか別のほうに、……いや、ぐるぐる、同じとこを回ってる。
「ここ、どこだろ……」
かわいらしい声に、張り詰めた心が緩む。入学したばかりの迷子みたい。少なくとも、風紀の子たちじゃなさそうね。だからといって、このまま奥を見られたら、それはそれで大変なことになりそう。
見えるとこまで近づいてみると、声の印象そのまま形にしたような子が見える。ファンタジーの世界から迷い込んだような、無垢な女の子。丸っこい顔だし、学校に慣れてなさそうだから、中学一年なんだろうな。そう考えても、幼さを感じさせる。……かわいい。
「あら、あなた、道に迷ってるの?よかったら、送ってあげましょうか?」
真心よりも、下心のほうが湧いてくる。お預け食らわされたから、尚更。かわいくて、素直で、ふんわりしてる感じ、……タイプかも。今すぐ襲いたくなっちゃいたくなるくらい。
「あ、うん、……じゃないや、はい……、その、お願いします……」
「無理して敬語とか使わなくていいわ、私まで落ち着かなくなるもの」
「え、……じゃあ、お言葉に甘えて……」
……『かわいい』の、いちばん深い伝え方、してみたい。ピンク色の妄想に、頭の中が染め上げられていく。もう、目の前のかわいらしいお顔、頭の中では至上の快楽に溶かされてる。
「えぇっと……、何してた、の? その……、あんまり、何もないとこだけど」
「ふふふ、猫ちゃんと遊んでたのよ」
「そっか……、ごめんね、その……、おじゃま、しちゃったみたいで」
……ああ、もう、本当に。こんな見え見えなごまかしで、引っ掛かってくれてるのとか、素直なとことか。……一目惚れなんて言うには、爛れすぎてしまったけれど。全部、柔らかくて、真っ白なんだろうな。触れてみたい、溶かしてみたい。他の何でも得られないような快感、教えてみたい。
「別にいいのよ。……ちょっと待ってなさいね、この子送ってあげたらまた来るから」
置いて行ったままのあの子に、声をかける。……今日は、連れ込んで、いっぱいかわいがってあげなきゃね。悪いこと、いっぱいしちゃったもの。途中で止めるのは仕方ないにしても、どこか行っちゃうのは、さすがにかわいそうよね。
「そんな仲良しになってるんだ……、いいなぁ」
「あら、そう?……そういえば、どこに行きたいのかしら?」
「あのね、旧校舎行きたいんだけど……」
「分かったわ、こっち、おいで?」
さりげなく、手を差し伸べてあげると、その手を取ってくれる。思った通りに、柔らかくて、暖かくて、緊張してるのか、ちょっとしっとりしてる。罪悪感が溢れるほどに、空想は止まらなくなっていく。