かさなる、といき。
ちゅっ、ちゅっ、って、くちびるに、何度もしっとりしたぬくもりが触れる。ちゅーするの、優しい、けど、ちょっとだけ、物足りなくなっちゃいそうな。カラオケボックスのソファーみたいなのに寝てるのに、なんか、ふわふわしてる。蘭ちゃんのぬくもりしか、わからなくなる。ちょっと、こわいかも。もっと深い、オトナなちゅーのときみたいに。
「っ、ねぇ……」
「どうかした?」
「蘭ちゃん、……あのね、きもちいんだけど、まだ、こわくて……」
「初めてだものね……、最初はそういうものよ」
軽く、髪をなでなでしてくる。そんなので、また、ふわってなる。ここから先に行きたいって思ってくれてて、こころだって、そう思ってるはずなのに。
「そういうものなの?」
「ええ、……でも、押し倒すのは、ちょっとやりすぎたかしら」
「ぅ、……さっきみたいに向き合う感じだったら、大丈夫かも」
「分かったわ、……おいで?」
もっと、顔近づけてくれる。背中、ぎゅってしてほしいってことなんだろうけど、……ちゅー、したくなっちゃう。だって、こんなにドキドキしちゃってて。
「もっかいだけ、いいよ……?」
「ふふっ、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
もう、何も見えなくなる。目を閉じて、軽く顔も傾ける。いいよって合図、わかってくれる。……欲しいよって、思わされちゃう。
「……ちゅ、……ふふ」
「ん……、……えへへ」
ぼうっと目を開けると、ぼやけてるのに、きれいな顔、笑ってるのもわかる。ほどけちゃってる、こころの中。……そのまま、とけちゃいたい。そんなのも、分かってるって言いたげに、また顔を寄せられる。
「は……む、……ちゅぃ、ん……ちゅ、……ちゅり」
「ぁ、……んっ、……はぁ、……ん、……ぺろ」
……今なら、ほしくなっちゃえる。もっとちょうだいって合図、自然にできちゃう。
「れりゅ、……ちゅぃ、……はぷ、りゅぴ、……んぷ、れるぅ、はぷ、……ぁ、るぴっ、……んちゅっ、……」
「は、ぁ……、れるぅ、ぁむ、……るぷぅ、んぴっ、ぁ、はぁ、……んんぅ、ぁん、んむ、……りゅぅ」
優しいまま、もっと深くつながって。そのまま、知らないとこまで、『きもちいい』でいっぱいになる。ふわふわして、とろとろして。……今だったら、もっとすごいことできちゃいそう。ちゅーが止まっても、乱れた息、同じになってる。
「んっ、こころさん、……」
「らんちゃん……っ、」
呼びあって、その先が見つけられなくなる。『すき』とか『きもちいい』とか、そんなのじゃ足りないくらい。
「このまま、進んでみる?」
「……ぅん」
もう、このままでいいよ。ドキドキして、キュンキュンして、……らんちゃんの、すきなようにされたくなる。




