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心に白き胡蝶蘭を。  作者: しっちぃ


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ふくらむ、きたい。

 びっくりしたし、ゲンメツしなかったってわけじゃない。好きとかちゅーしたいとかより先にえっちしたいって思う気持ちとか全然分かんないし、そういうこと、いろんな人としたっていうのはなんかイヤだし。……けど、今更、嫌いになんてなれるわけない。だって、好きになっちゃったし、それに、なんか、……それだけが、理由ってわけじゃない気がする。


「そう?……あなたみたいな子は、こういうこと聞いたら嫌いになるかと思ってた」

「うん、……正直びっくりしてる」


 だって、こころとは全然知らないとこにいて、こころでも分かってることが分かんないのに、こころが知らないこと、いっぱい知ってて。


「そうよね、……全然、生きてた世界が違うものね、あなたと私は」

「でも、何かほっとけないっていうか、その、……なんか、そのまま嫌いになんて、なれないよ」

「そうかしら?」


 どうしてだろ、そんなふうに思っちゃうの。もっと知りたいとは思ってたけど、めちゃくちゃ濃ゆいとこに触れちゃって。


「……蘭さんも、さみしかったんだなって」


 さみしい。……言葉にして、やっと、言いたかったことがわかる。だって、おとーさんはお仕事で大変で、おかーさんはさみしくていろんな人とお付き合いしてて。それで、何も知らないまま、えっちなことがすることで埋めれるって分かったら、それがめちゃくちゃ気持ちよかったら、……それにムチューになっちゃうことは、あるかもしれない。それがどれくらいかは、分かるわけないけれど。


「もしかしたら、そうなのかもね。……私」

「ちゃんとわかるわけじゃないから、……わたしが言ったからってそうってわけじゃないけど」


 悩んでるとこもきれいなの、ずるい。そんなんだから、みんなムチューになっちゃうんだよ。でも、もしかしたら、こんなとこ見れるの、こころだけ、だったりしないかな。


「優しいのね、あなたって」

「そんなことないよ……、それに、嫌いになんてなれないくらい、もう、好きだもん」

 

 髪、またなでなでされる。言葉も、なんか、こころのこと、期待させてきてずるいよ。出会ったときから、ずっとそうなんだから。


「かわいいとしか思ってなかったけど、……もう、それだけじゃいられないかもしれないわ」


 でも、今は、そういうのとはちょっと違うかも。なんか、ちょっと、余裕なさそうっていうか、言葉に困ってるみたいな。


「……どういうこと?」


 なんとなく、分かっちゃうような、そうじゃないような。まだ、顔真っ赤なんだろうけど、じっと蘭さんのこと見つめる。……教えて、なんてまっすぐは言えないけど。

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