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心に白き胡蝶蘭を。  作者: しっちぃ


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やさしい、ことば。

「うぅ……、つい買っちゃった……」

「私も、あまり買い物するつもりなかったのだけど……」


 一通り見て回ったけど、ウインドウショッピングだけでも結構楽しくって。いつもより落ち着いた色合いのリボンシュシュ、勢いでつい買っちゃった。蘭さんも、オトナっぽいから、こころが着ないようなのでもドキドキしちゃうくらいキレイに着こなしてて、うらやましくなっちゃったり。……いいな、きれいって。こころにつく言葉は、かわいいばっかりなのに。きれいとか、オトナっぽいとか、いつか言われるようになれるかな。


「蘭さん、すっごく似合ってたもんね、うっかり衝動買いとかしちゃうよ」

「そうかしら、……ふふ」


 ……蘭さんも下着買ってたけど、……オトナっていうか、えっちっていうか。……そんなのも、似合っちゃうんだなっていうか。よく見たら、おっぱいもすっごくおっきかったし。無いものねだりって分かってても、うらやましくなるのはしょうがないよね。

 したことないヘアアレンジも、ついしてみちゃった。ハーフアップって、なんかオトナっぽいかなって感じだけど、どうかな、ちゃんと似合ってるかな。でも、自分から訊くのも、なんか違うよね。


「あなたも、けっこう似合ってるわね、なんか垢抜けたっていうか」

「えへへ……、そうかなぁ」


 どうしようもなく嬉しくて、でも、そんなとこはまだ子供っぽいんだろうな。オトナって難しいよ。どんなに背伸びしたって、心の中まではおっきくなれない。オトナのふりをしても、中身までは変えられない。


「かわいらしいのもいいけど、こういうのも合うのね」

「もう……、そんなにかな」


 ほっぺ、すぐほかほかになっちゃう。ドキドキも止まらなくなっちゃう。「すき」だからしょうがないけど、それだってうまくごまかせない。恋っていうには未熟な気持ち、どうやって伝えればいいのかな。


「ええ、今のあなたも、とってもかわいいわ、……食べちゃいたくなるくらい」

「……ありがと」


 ……そうだけど、そうじゃなくて、でも、嬉しいのはしょうがなくって、なでなでされる手も優しくてきゅんってしちゃう。見下ろしてくる顔、相変わらず、とってもきれいだな。見てるだけでほわほわするのに、こころのこと向いてくれるの、……だめだよ、だめじゃないけど。


「少し早いけど、お昼にしない?お昼だと混んじゃうし」

「うん、そうだね」

「何か、食べたいものある?」

「うーん、何がいいかなぁ、蘭さんは?」


 また、手がつながる。手つきが優しくて、……きゅんってしっぱなしだな、どうしようもないくらい。ドキドキしすぎて、体の中変になってないかな。「すき」でいっぱいになっちゃって、バクハツしちゃいそう。

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