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心に白き胡蝶蘭を。  作者: しっちぃ


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あつくて、いたい。

「ところで、映画の話のだけど……」

「そうだった、……読んでもらったほうが一番早いんだけど、結構巻数あるもんね」

「パンフレットなら持ってるけど、読んでみる?」

「ええ、そうさせてもらうわ」


 そういえば、まだこころも見てなかったな。さっき、取り忘れちゃったし、観に行くとき、グッズも買いに行かなきゃ。

 加奈子さんのほうが出してくれたパンフレット、隣からのぞいてみる。パンフレットでちょこっと出てる映画の中のシーンで、ちょっとドキってしちゃう。漫画ならよく見たシチュエーションも、実際に他の誰かが演じてるのを見ると、やっぱり、心にがっつりと刺さってくる。……それを本当にされるのだと、もっと。蘭さんにされたのも、すっごくドキドキしちゃったし。……全然違うんだよね、紗彩さんと加奈子さんが、さっき言ってくれたみたいに。痛いくらいのドキドキも、頭の中でぐるぐるするのも。……甘いとか、嬉しいとか、ことも、知ってみたくなっちゃう。


「そうね……、少女漫画って感じ、あなた達が好みそうな感じね」

「それは、……そうだね、私も紗彩ちゃんもはまっちゃってたし」


 裏返すと、演じてる俳優さんとかのことが載ってるけど、あんまり知らないや。……雛ちゃんとかなら知ってるかな、今度会ったときに、覚えてたら訊いてみようかな。もしかしたら、ルームメイトの清美ちゃんと一緒に観ることになるかもしれないし。


「私が嵌るかはわからないけど、参考になったわ、ありがとう」

「そっかぁ、ならよかった」


 返されちゃったし、やっぱり、後で取りに行かなきゃ。蘭さんも楽しんでくれたら嬉しいけど、そんなにうまくいくってわけでもないし。

 ドキドキするたびにジュースを飲んでごまかしてたら、今度は出してってお腹の奥が言ってる。飲み物も空っぽだし、また、買いに行かなくちゃ。


「ごめん、ちょっと、……お手洗い、行ってくるね」

「ええ、行っておいで」


 ボトルも捨てに行って、その後、看板に書いてある方向に向かってく。人があふれかけてる中で、少し並ぶだけで済んだ。個室が空いて、ようやく心を落ち着かせられる。

 ……はぁ。背伸びしようとしても、ぜんぜん大人になれなくて、空回りしてばっかり。ひとめぼれ、なんて、そんな言われてもないことを信じようとしちゃう。でも、デートに誘ってくれたし、こころから距離を近づけようとしたら、離れないでいてくれるし。……好きでいてくれてるのかな。頭の中のぐるぐる、止まらないや。

 

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