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心に白き胡蝶蘭を。  作者: しっちぃ


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おしえて、もっと。

「その……、楽しんでるのに、わたし達のために付き合ってくれてありがとうございます」


 最初に紹介してもらった紗彩さんは蘭さんのクラスメイトって言ってたし、加奈子さんはその二つ上みたいだし、おんなじ映画を観にきてるっていうけど、なんかドキドキしちゃう。


「いいよ、蘭さんがデートって聞いたことないから、相手がどんな人かなって気になってたし」

「そうなの?」

「うん、いつも、お付き合いしてても長続きしてなかったみたいだし」

「もう、私のことはいいじゃない、それより、あなたたちはどう?一年経ってたと思うけど」


 誰かとお付き合いしてたことはあるんだ、……そうだよね、こんなにキレイな人だし、誰ともそういうことがないわけないもんね。ちょっと考えればわかることなのに、何かへこんじゃう。


「相変わらず、……かな、甘える回数は、ちょっと減ったけど」

「あら、そう?そこまでお変わりなさそうだけど」

「私が受験生になっちゃったもんね、私だと就活だけど」

「うん、……決まったら、その分甘えるつもり、……かな」


 いいなぁ、そういうの。照れくさそうにお互いを見てるとことか、ほっぺが赤くなってるとことか。すっごくラブラブなの、知らないけどわかっちゃう。こころも、蘭さんとそういう風になれるかな、こんなふうに、特別を伝え合えるような関係に。


「いいなぁ、……なんか、そういうの」

「えへへ……、嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいかな」

「そうかなぁ、……わたしは、うらやましいかも」


 こぼれちゃった独り言、拾われちゃう。好きになるの気づかれるって、そういうものっていうのは知ってる。……まだ、こころの中にあるものじゃないけれど。


「恋って憧れるよね、私たちもそうだったもん。……でもね、想像してるのとは違ったよ」

「そうなの?」

「うん、思ってたよりずっと、凄かったよ、痛いのも、苦しいのも、甘いのも、嬉しいいのも全部」

「うんうん、……全然違ったよね、見たり聞いたりするのと」


 全部、知ってるんだ。自分の体と心で。ぽわって赤くなってる顔とか、かわいくなってる声とか。……このドキドキも、こんなふうに幸せに変わってほしいんだけどな。どう思ってるかも、分かんない。おんなじドキドキも気持ちも持っててほしいけど、見つけられるほどわからないし。


「そんなにって、どんななんだろ……」

「うーん、……ちょっと、言葉で言うのは難しいかな。でも、こころちゃんにもわかるようになるよ、きっと」

「そうかな……」

「そうだよ、誰だって、運命の人と赤い糸でつながってるって言うでしょ?」

「ありがと、……えへへ、そうだよね」


 ロマンチックっていうか、夢見すぎっていうか。なんていうか、こころのほうまで恥ずかしくなっちゃいそう。……でも、だったら、いいのになって、夢見ちゃう。できれば、蘭さんとつながってたらいいのに。

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