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心に白き胡蝶蘭を。  作者: しっちぃ


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純情、微熱。

「あら、小太刀さんよね?……悪いわね、デート中に」

「蘭さん?……そうだけど、どうかしたの?」


 かわいらしいから、食べちゃいたくなって誘ったのも、いつの話だったかしら。同級生になるのも多かったし、その時だというのは分かっているけれど。


「偶然見かけたし、私も、一応そうだし」

「そっちもデート中なんだ、……なんか、すごい偶然だね」


 手、繋いだままだったわね。私がそんな柄じゃないのは、隠しておいて。目配せで、何となく分かってもらえたかしら。コトはしたことがあるけど、


「ええ、映画観にきたのだけど、もしかしてそちらも?」

「うん、二人とも好きなのが映画になったから、一緒に観ようって、ね?」

「紗彩ちゃんのほうが好きだったんだけど、私も読ましてもらったらハマっちゃって」


 そういえば、小太刀さんはかなり少女趣味だったわね。……あの子もなんとなく、似た空気がある。そういえば、私がいつもみたいにお誘いしてみたのが始まりだっけ。私のタイプだとは思ってたけど、ここまで似通った子だなんて。お預けは食らわされているけれど、やっぱり、最初の勘は間違ってなかったわね。


「もしかして、これだったりする?」

「そう、それなんだけど……、カップルシートなんてすっごい大胆だね、……実は、私たちもなんだけど」

「趣味は私のものではないのだけどね、……あなたも好きなのよね?」

「うん、……そういえば、お友達、なんだよね、おんなじの好きって、なんか嬉しいな」


 少女漫画とかそういうものは、みんな興味を持つものだったりするのかしら。普通に、誰かに恋するのに憧れるのも、自然なことなのかしら。『普通の女の子』からはかけ離れた人生を送っているのは自覚しているからこそ、少し気になってしまう。小太刀さんもだし、お付き合いしている人も、趣味が近いのが仲良くなったきっかけって言ってたし、この子だって。


「そういうの、みんな好きになるものなのかしら」

「そうでもないと思うよ?……隠してたわけじゃないけど、貸し借りとか、感想言い合ったりとかも二人きりでしてたし」

「なら、いいのだけど……」

 

 そういうものならいいのだけど、まだ、腑に落ちない。……もう少しだけ、聞いてみたくなるかも。恋なんてものを、純粋な彼女たちなら、確実に私よりも知っているはず。私がそうなるとは思えないけれど、興味はある。


「そういえば、これから観るもののこと全然知らないのよね。立ち話もなんだし、カフェかなんかで話せるかしら?」

「私はいいけど……、大丈夫?」

「いいよ、中身知ってたほうが楽しめると思うし」


 向こうもいいって言ってくれたし、あとはあの子がいいって言ってくれるか。


「こころさん、あなたも、いいかしら?」

「うん、……っていうか、ごめんね、知らないのに付き合ってもらっちゃって」

「いいのよ、中身のこと、教えてちょうだいね?」

「うん、……えへへ」

 

 見つめてくる視線、何だか潤んだようにキラキラして見える。そんなとこもかわいらしくて、……本能の求めるままに食べちゃいたいような、そのまま眺めていたくなるような。

今回のゲスト:小太刀紗彩・鈴木加奈子

メイン登場作:『鈴生りに咲く花の彩り。』(https://ncode.syosetu.com/n8948gf/)

星花9期参加作のどこに出しても恥ずかしい立派なバカップル。いろいろと書いてたら7万字とかやってしまったのはまた別の話。

紗彩ちゃんと蘭さんがクラスメイトである意味正反対な子だし少女漫画原作の映画ならこの子たちも観てそうなので出てもらいました。


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