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心に白き胡蝶蘭を。  作者: しっちぃ


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ふくらむ、おもい。

『スタパレ寄るのだし、そこでいろいろ見て決めたいな』

『予定決めるの得意じゃなくて』


 返ってきたメッセージも、なんかふわふわしてる感じ。こころと一緒で、どこ行こうか悩んでる、……とかならいいんだけど。誘ってくれたんだし、興味無いなんてこと、ないと思いたいけど。正解なんてない気持ちに、迷子になっちゃいそう。差し伸べてくれる手は、見つからない。

 ……でも、どんな人かは分かるし、いいのかな。何にも知らないや、あの人のこと。ひとめぼれ、しちゃったし、知り合う時間もないまま、デートすることになっちゃったし。


『分かった、映画、何か観たいのある?』


 知ってみたいな、どんなのが好きか。好きになっちゃったのに、……恋してるのに、まだ、全然知らない。顔と名前以外だと、髪をなでてくれたり、つなぐときの手つきが優しいとことか、おねーちゃんより年下なのに、そう見えないくらい声も顔もキレイなとことか。でも、やっぱり、それくらいじゃ、満足できるわけない。もっと仲良くなりたいし、二人でいろんなことしたいし、恋人同士じゃないとできないことだって。想像したってうまくいかないけど、でも、夢見ちゃう。

 言葉を返すと、どんな返事が来るかなってまた悩んじゃう。ホラーとかサスペンスとかはちょっと怖いけど、アクションものとかだったら観れるし、恋愛ものとかだったら知ってるかもしれないし。全然、想像つかないや。

 授業も、ぽやぽやしたまま。答えのない想像に頭の中がいっぱいになって、ふとした時にはっとして教室に意識が戻る。なんか、プールでおぼれかけの時みたい。慌てて黒板を写して、気が付くと、また想像だけの世界に入り込んじゃってる。

 ようやく、チャイムが鳴る。答えが返ってくるとしたら、この時間だけ。トーク画面だけ見ても何にもないから、いろいろ調べものして。近くのパワースポットとか、デートのときのコーデとか。知ったつもりだけど、したことはないから。気になっていろいろ読み進めてるけど、やっぱり、あの人のこと、頭から離れてくれない。

 

「……あれ?」


 次、移動教室だっけ、周り、誰もいなくなっちゃってる。今、何時間目だっけ、そんなのも、時間を見ないとわかんなくなっちゃってる。

 現実の世界で息継ぎをして、頭の中は夢の中。返事が来る前に、『恋の病』なんてものが、ちょっとわかってくる。誰かひとりのことだけ考えちゃって、それ以外は、何もかもどうでもよくなっちゃう。

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