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MISSION 02 華麗なる襲撃者

 

 「というわけで我々が…刺客だ」


 CYBORG太郎たちの潜伏先、東大寺の鹿の飼育小屋にMONOGUSA太郎たちが現れたのはその日の午後の事だったそうな。


 「早えよ!!」


 SARUが即ツッコミを入れる。


 「SOMOSA…」

 

 「SEPPA」


 「パンはパンでも…食べられないパンは?」


 カチリ。IKKYUは冷たい銃口をCYBORG太郎に向ける。


 「気をつけろ、CYBORG太郎。アレは奴等得意のTONCHI BATTLEだ。答えを間違えると死ぬぜ?」


 「…。フン、わかっている。答えは…」


 「わかった、フライパンだ!」


 SARUが先に答えた。するとIKKYUは着物の袖からフライパン(26センチ)を取り出し、口の中に入れた。


 もぐもぐもぐ。IKKYUはフライパンを咀嚼する。

 ゴックン。フライパンを飲み込むと今度は新しいフライパンをSARUに向って差し出す。


 「余裕で食えましたけど?」


 「こいつの暮らしていたANKOKUJIでは朝、トーストと一緒にフライパンを食べるのは常識だからな。さあ、TONCHI BATTLEでは相手の設問を論破できなければ従わなければならない。よってお前はフライパンを食え」


 SARUは顔を真っ青にして絶叫した。


 「普通に食えねえよ!」


 ガシッ!味方のKIJIがSARUの腕を取った。そして肘を内側に折って固める。逆取りという単純な関節技だが、SARUのようなナチュラルマッチョにはこの上無く有効な技である。


 「今、このクソモンキーに食べさせるからそれで許して」


 INUはフライパンを手に取ってSARUの口に運ぶ。


 「ギャアアアアアアッッ!!」


 CYBORG太郎は口を開けて強引にフライパンを突っ込む。こうしてSARUはフライパンを半分くらい飲み込むまでやらされた。合掌。


 SARU、再起不能リタイア


 「こちらも掛け金を払った。もう一度、機会チャンスをくれ」


 「フッ。いいだろう」


 CYBORG太郎はまず角食の六枚切りのヤツに砂糖をこれでもか!というくらい混ぜたバターを塗った。

 次にブルーベリージャムとピーナツバターをごってりと塗る。


 ゴクリ…。この辺りで早くもSARUとINUは生唾を飲み込む。二人とも甘い物が苦手だった。


 「フン。本番はこれからだ…」


 CYBORG太郎はさらにチョコとマシュマロを乗せてその上からハチミツとチョコクリームをぶっかけた。


 「ああああ…」


 IKKYUとKITTYOMの顔が真っ青になる。二人の狼狽ぶりをみたCYBORG太郎はそれをオーブントースターに入れた。

 例外としてKIJIだけが羨ましそうな顔でIKKYUとKITTYOMを見ている。女子はまだ大丈夫なレベルらしい。


 「CYBORG太郎。そのWEAPONをどうするつもりだ?」


 IKKYUは恐る恐る尋ねる。


 「どうするって…お前らに食べてもらうつもりだよ。フライパンを食べるくらい飢えているんだ。これくらいは楽勝だろ、なあ?」


 地獄の悪魔の笑みを見せる。


 ジュジュジュジュ…チーン。最後にチーズとバターと粉糖を上からかける。


 …かくして極甘メニュー、アルティメットメルティシュガートーストが完成した。


 「待て!それは無理だ!CYBORG太郎ッ!甘さで景色が歪んでいるぞ!」


 IKKYUは激しく動揺している。甘味には自信があったが、それはあくまで常識の範疇の話だった。


 KITTYOMもまた小便をチビりかけている。先ほどから匂いで鼻腔がベタベタしているのだ。


 (このトースト食ったら死ぬ)


 それだけはKITTYOMにも理解できた。だが、勝負を仕掛けたのはこちらだ。退路という言葉ない。

 さらにこの勝負に勝てばテレビアニメ”吉四六さん”がノイミタナで五分放送される、とMONOGUSA太郎が約束してくれたのだ。


 「IKKYU。約束してくれ。これから何があっても泣かない、と」


 KITTYOMは悲壮な決意を胸に一歩、前に出る。


 「KITTYOMゥゥゥゥゥ!!!」


【KITTYOMの歌】 作詞 ふじわらしのぶ 


 LOVE LOVE LOVE LOVE I LOVE YOU それは本当に愛なのかい? 


 LOVE LOVE LOVE LOVE DO YOU LIKE ME? KITTYOMさん 


 知性が滲み出ているよ KITTYOMさん 


 HEARTは十人並みさ KITTYOMさん 


 ITAZURAのつもりなんてない いつも本気さ I LOVE YOU 


 だから悔しくても泣きはしないのさ KIMI NO MAEDAKEDEHA…Ohhhh


 OH OH OH MY GOD!!


 空色色即 色即是空 何も感じない 何も感じない 我が身既に刃なり


 野望は高く 終わりなんてない 


 天下無双 唯一無二 俺は KITTYOMさん… KITTYOMさん!!


 LOVE LOVE LOVE LOVE I LOVE YOU それは本当に愛なのかい? 


 LOVE LOVE LOVE LOVE DO YOU LIKE ME? KITTYOMさん 



 (※一休さんの歌に合わせて歌ってね♪)


 そしてKITTYOMはトーストを食った。

 

 がぶっ、もぐもぐもぐ。


 「見えた。俺の…、ニルヴァーナ…」


 ガタンッ!鼻から大量の鼻血を出してダウンッ!

 レフェリーが近寄り、KITTYOMが戦闘不能である事を伝える。


 「馬鹿な!!KITTYOMがやられただと!!」


 鹿のコスプレをして隠れていたMONOGUSA太郎が現場に現れる。


 「まだだ。俺たちはまだ終わっちゃいねえよ…」


 ついにあの男、頓智坊主IKKYUが立ち上がる!!CYBORG太郎は果たしてこの人類最高の頭脳を持つ敵に勝てるのか!!


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