異世界召喚
「はぁ・・・・・」
今日も今日とて世界はつまらないし生きるのはだるい
でも死ぬのはいやだ
まあ、つまり何もかもが面倒だった
ある日学校からの帰り道突然道路に文字が浮かび上がって光ったかと思ったら見知らぬ場所にいた
同じ目にあった、わあわあ騒ぐ3人の人たち
どうやら私含め4人がここにきてしまったようだ
こんな時でも私は冷静だった
騒ぐのも面倒
周りには大勢の人がいて嬉しそうに私たちを見ていた
・・・・なんだか吐き気がする
周りの連中が何を言っているのかわからないし一刻も早くこの場から立ち去りたい
後ろは空いているけど囲まれてるから絶対ばれる
ふと騎士らしい人が来て私たちに何かを差し出してきた
なに・・・・?
受け取ると周りの人たちの言葉が分かるようになった
「ついに・・・ついに成功したぞ!!勇者様だ!やっと来てくださった!」
「四人いるぞ?だれなんだ」
「勇者様!勇者様だ!」
「私たちを助けてください!」
吐き気がする、なんなんだこいつらは
「静まれ!!言葉通じの石はいきわたった!!
これより選定を始める!!」
一気に場が静まり返った
「まず最初に言っておく
ここはおぬしら4人が元居た世界ではない」
一緒にいた男性が叫んだ
「そんな!もとの世界に戻してください!」
「それは無理な話よ
この術は約今回初めて正式に成功したものだ
帰る術を作れたとしてもおぬしらが死んだあとよ」
ずいぶん身勝手な話だな
まあ、どうでもいいけど
「そんな・・・・・」
周りの人も絶望的な表情をしていた
「今回おぬしらを呼んだのは、おぬしらの中の誰かが勇者だからだ!
今から100年前に先読みの魔女が予言をした
『100年後に魔王が再び現れ世界が荒れる
だが勇者は現れない』
と
そうであっては困る
だから異界の術を完成させ異界の勇者・・・おぬしらを呼び出したというわけだ
正確にはおぬしらの中の誰かだが」
この中のだれか・・・ね
少なくともそれは私じゃないことは確かだ
万が一勇者だったっていうあり得ないことが起こったら私は絶対放棄する
だって
「めんどくさすぎ・・・」
ぽつりとつぶやいた
「さて・・・おぬしら4人、誰からでもいい!
この中央に石があるだろう!
その石は自分の能力が見える石だ
順に手をかざすのだ!」
誰も動かない
というか戸惑っている
そりゃそうだ
私だっていきたくない
「ではそこの白い服を着た女性!手をかざしてみよ!」
誰も動かないのをみて前にいる偉そうな人が指示する
「え・・・・わた、私?」
「そうだ、てをかざしてみせよ」
女性はぎこちない動きで石に近づいていくとおずおずと手をかざした
すると女性は驚いた顔をして固まってしまった
なに・・・?
「ほう、僧侶ではなくヒーラーか
希少価値が高いぞ…しかも加護持ち!
勇者のパーティーにいいかもしれん
もうよいぞ
次!青い服の男性!かざしてみよ」
「ぼ、ぼく?」
女性はまた恐る恐るといった感じで帰ってきた
今度は男性が石のほうに歩いていく
これはやばいんじゃないだろうか・・・
端にいた人から呼ばれていっている
順番的に私は最後だ
私は私のことをあんなおっさんにみられるのは嫌だし気持ち悪い
それにこんなに気持ちの悪い場所とはおさらばしたい
だけど切り向ける方法がうかばない・・・・
「ほう、魔術師か!しかも加護持ちとな!
そなたもパーティーによいな・・・
よいぞ!下がれ
次、赤い服男性」
さっき質問していた人が呼ばれた
勇者は私ではないだろうしこの人の気がする
わたしは必死に考えていた
ステータスオープンっていっても何か出るわけないよね?
「・・・・ステータスオープン」
・・・・
・・・・・・・・
まあないk・・・・
ブン
「え?」
前を見るとなにか表示がでていた
名前 暁 凛
職種 魔女LV1
加護 精霊王の加護
能力 飛ぶ 透明化 鑑定
全属性魔法 空間魔法
・・・なにこれ?
そらを飛ぶって何?
透明化ってなに?
「おおお!!!おお!!おぬしが勇者であったか!!!」
「勇者様!?勇者様だって!!」
「あのお方が勇者様!?」
「これで我が国は救われる!!!」
少し混乱している間にい祭り騒ぎになっていた
やはりさっきの人が勇者だったようだ
これはチャンスだ・・・
逃げ出すなら今しかない!
この透化・・・よくわからないけど多分透明になるみたいな?
今一番使えそう
みんな前に注目してるし
「透明化」
ぽつりとつぶやいた
・・・・手が、いや足も見えない
気づかれる前に私は走り出した
後ろは人がいない代わりに扉がある
しかもでかいやつだ
開けたらばれる可能性は大きいかも
それにしても
「この飛ぶってなんだろ」
まあ、今はいいや
扉の前についたゆっくり押す
・・・開いてる
じわじわばれないように押していく
まだみんな前に注目している
これなら・・・・
うん、あともうちょっと
「そういえばまだ一人いたな
・・・・ん?3人しかいないようだが・・・・?」
・・・・やばい
「あ、あれ?そういえば・・・・さっきの女の子は?」
「あれ?ドアが開いてるぞ?」
「誰か!ドアを開けたものはいるか!?」
「もしやあの娘・・・・」
やばい
私は通れるくらいの大きさに開けて一気に逃げ出した
「探せ!探すのだ!まだ城の中にいるはずだ!」
やばいやばいやばい
どの道がどこに行くのかなんてわからない
とにかくやみくもに走り回る
みんな私を探してる
五分くらい走っただろうか
幸い透化のおかげで誰にもばれていない
「はぁ・・・はぁ・・・これはちょっと無理かも」
そこでちょうど物置小屋みたいなとここのドアが開いていた
「誰もいない・・・」
ひとまずここで息をととのえることにした
入ってドアを閉じると物陰に隠れた
手足をみるとちょうど透明化の効果が消えた
「やっば・・・・」
完全に見つかったらやばい
「全魔法?あるけどよくわからないし・・・これ使って増援呼ばれたらやばいかな・・・
ここから出るにしてもこのお城?の道わからないし・・・」
第一ばれる
っとなると・・・
「飛ぶ」
さっきみたいに唱える
・・・・何も起きない
「どうしよう・・・」
ふと鑑定があったことを思い出す
「この鑑定って使えるのかな…
飛ぶ 鑑定」
頭に声が響いてきた
『飛ぶ(魔女固有スキル) 何かにまたがった時に使用
LV1は五分だけ飛行可能』
「またがった時・・・」
それは魔女の宅急〇とかあんな感じか
幸いここは物置でまたがれそうなものがいっぱいある
「やっぱりこれでしょ」
私は箒を手に取った
物置にあった窓をあけて箒にまたがった
「飛ぶ」
ふわ・・・
「うわっ浮いた
タイムリミットは五分か・・・
外に飛ばなきゃ」
そういうと箒は外にでた
「え、」
「いたぞ!!あそこだ!!」
「やっば!」
私が上に飛びたいと思ったらそれにこたえるように箒が動く
「念じればいいんだ・・・」
城壁の外が見えた
ぐるりと城下町が囲んでいてその先に向こうに山が見える
「あの!山まで!」
そういうと箒は山の方向に向かいだした
「東のほうににげるぞー!!」
「追え追え!!」
「うわっ最高スピードでお願い!」
いうとゆっくり目だったのが少し早くなる
私が走ってるときより少し早いかなというレベルだ
「五分でいけるかなこれ・・・」
不安はあったものの
なんとか城下町の外にはでた
それから人がいないところに着地した
「ふう・・・・とにかく逃げないと
あんなとこにいたら私の気が狂うわ」
私は森に足を踏み入れた
「道みたいなのはあったけど避けたがいいよね…?」
いきなり変な場所に呼び出されて追いかけられる…
面倒くさい
最悪だ
元の世界のがまだましだ
「あんな連中につかまるなら死んだがマシだわ・・・」
私は森の中を歩き始めた
「この全魔法って何なんだろう・・・」
ふと考えて鑑定があったことを思い出す
「さっきみたいに言えばいいかな?
全属性魔法 鑑定」
『全属性魔法(精霊王の加護) 火、水、土、雷、氷、風、闇、光魔法が使用可能
LV1は威力低』
・・・・・・・
「なんかやばいかも・・・・」
さっきの偉い人に見られなくてよかったと改めて思った
「じゃあ次はこっち
空間魔法 鑑定」
『空間魔法(精霊王の加護) 空間魔法が使えるLV1は空間の大きさは小さい』
まんまか・・・
「透明化 鑑定」
一応こっちもやっとくか
『透明化(暁凛固有スキル) 周りから見えなくなる
LV1は5分使用可』
これって私の固有スキルなんだ
なんか納得がいくようないかないような・・・・
っと見ているうちになんか光るものが近くにいることに気づいた
「なに・・・?」
よくよく見ると妖精?によく似ている
「か、かわいい!!」
〈おねーさんなんかいい匂いする!〉
「え、しゃべったの?」
驚いて思わず周りを見る
〈僕だよ!おねーさんはなんだここにいるの?〉
私はこれまでに起きたことを全部話した
「ね?ほんとやってられない!」
〈そーなんだ!僕もあそこ好きじゃない!
だっていい匂いしないもん!〉
そういう問題なのか
「ねえ、妖精さんこの森を抜けたらどこに出るの?」
〈んーっとね・・・小さい村だよ!〉
村か…行きたいけど先回りされていたらまずい
「その村を避けていく道ってある?」
〈あるよー!僕についてきて!〉
「ん、ありがとう」
私は妖精さんの後をついていった
その間妖精さんにこの世界のことを聞いてみた
曰く
この国の名前はマリス王国というらしい隣はエセク王国
最近魔物が狂暴になってきているそうだ
〈僕は最近生まれたんだよー
だから知ってること少ないんだ〉
「最近っていつ生まれたの?」
〈100年前ぐらいかなあ〉
「え・・・全然昔だよそれ!」
〈僕たちは基本寿命はないんだよ
だから最近!〉
寿命はないって・・・
「じゃあ、死なないの?」
〈さすがに魔力切れたら死ぬよー
攻撃されても運が悪かったらしんじゃうよー〉
「そうなんだ・・・」
〈でも、おねーさんもそれは一緒でしょ!〉
「え?」
〈だって髪が赤ければ赤いほど魔力が強いんだよ!!
魔力が強かったら寿命もながいの!〉
赤・・・・?私の髪は黒だけど・・・・?
「なにいって・・・私の髪は黒だよ?」
〈えー??真っ赤だよー??〉
「そんな・・・」
私は自分の髪を見た
「・・・・赤い」
いつのまにこんな色に…?
〈僕と会ったときはもう赤かったよ?〉
髪なんて全然気にかけてなかったから知らなかった・・・
いったいいつから・・・
〈あ、ほら!みてみて!ここから村が見えるよ!〉
妖精さんが指をさす
先を見ると確かに小さい村があった
「・・・・兵隊がいるね」
〈10人くらいいるねー〉
いったらつかまること間違いなしだ
「先を急ごう」
〈うん!〉
それから私と妖精さんはひたすら歩いた
名前を聞くと妖精さんには名前がないらしい
「名前つけていい?」
〈いいよー〉
「・・・ヒカリでどう?」
髪も目の色も金色だし
そしてなんか光ってるし
〈いいね!ありがとう!〉
こうして妖精さんはヒカリになった
この後もヒカリと一緒に旅を続けるうちに「暁の魔女」と言われるようになってしまうのだがまだ旅は始まったばかりだ