鎧 パーツ
中世とファンタジーの鎧を紹介しています。
ここに紹介するのは書いてわかりやすいと判断したものだけです。詳しい鎧の種類についてはあとがきの参考資料をご覧ください。
◆鎧
金属製、革製。中世では兵士用のシンプルなものから王侯貴族が着用する装飾を施したものまである。
ファンタジーでもシンプルなものと装飾過多なものがあり、鎧の一部を服に装着していることが多い。
※鎧着用時の表現
着る、まとう、つける、装着、装備。
留め具は紐とベルト。
■ギャンベゾン・アンダーアーマー
鎧代わりに着たり鎧の下に着るパッド入りの服。
布製、革製。長袖、半袖、袖なし、ベスト、ジャケット、コート、ホーズ。袖が取り外しできるものもある。夏は暑く冬は快適らしい。
■アーミングダブレット・アンダーアーマー
ギャンべゾンと同じ。鎧の下に着るので薄いものもある。革製はベスト、ジャケットとしても着れる。
ファンタジーでは現代の軍人のインナー、トレーニングウェア、トレーナーのようなのをよく着ている。
中世風アーミングダブレット
左が王道勇者の鎧姿。
右が鎧を脱いだアーミングダブレット姿。
普通の服よりは頑丈。軽い冒険や町を歩くのに丁度いい。すぐに鎧を着れるメリットもある。
現代風アーミングダブレット
インナーともいわれるもの。
薄すぎて現実的に鎧の下に着るには適さない気がするがファンタジーには特殊素材があるので鎧に適した頑丈なものだろう。
このアーミングダブレットのような現代の軍人のインナーやトレーニングウェアには耐久性、速乾性、動きやすさ、空気抵抗をなくすなど色々な機能があるという。それらの機能もあるだろう。
たくましい体つきや筋肉を描写できるメリットもある。
■チェーンメイル・メイル
小さな鎖を繋いだ鎧。服のように柔軟性がある。
■メイルコイフ
チェーンメイルの頭巾。頭から首まわりを保護する。
■キュイラス(cuirass)
胴体用の金属製鎧。
■チェストプレート(Chestplate)
胴体用の金属製鎧。
■レザーアーマー(leather armor)
皮製のベスト形鎧。チェーンメイルと重ね着することもある。鎧や革製品に時折ついている銀色の突起はスタッズ。鋲飾り。沢山つけることで防御力を上げることができるらしい。
■ショルダーアーマー、ショルダーレザーアーマー(shoulder leather armor)
肩当て。多くは胸の前でベルトを交差させて背中で留める。片方だけのものもある。
プレートが段々の多層になっているものもある。肩当ての動きを柔軟にするだけでなくデザインにもなる。何層なのかは肩当てによって違う。
ファンタジーでは服や外套に装着していたりする。
多層の肩当て
一見どうやって装着しているかわからないタイプの肩当て。装着する服に留め具があり肩当ての紐やベルトを繋いで留めている。
プレートの層は多いほど鎧の動きが柔軟になる。よく動かす関節部分につけられる。首、肘、膝、足首など。プレートの層は鎧の装飾になっていることもある。
■フェザーアーマー、フェザープレート
フェザーアーマーは鳥の羽を付けた、翼のような肩当ての一種。
フェザープレートは鎧のプレートが羽の形をしたもの。鉄の翼のような鎧で肩と上腕辺りの防具になっていることが多い。
■ブレーサー• アームガード・弓篭手
弓使いが前腕につける防具。弓使用時に前腕を保護する。胸当てとセットになっているものもある。弓使いが胸当てをするのは弓を飛ばした際に弾かれた弦が胸に当たり負傷するのを防ぐため。
■レザーガントレット
手と腕の防具。革製ガントレット。
■レザーレッグアーマー
足の防具。革製のカバーを膝下に巻き付けてベルトで留める。ファンタジーでよく見るが特定の名前はない。レザーレッグカバー、レザーグリーブ(すね当て)などそれっぽい名前は多々ある。
レザーレッグアーマー
■チャップス
革製の防護ズボン。カウボーイが穿く股の部分があいているズボンのことだが、乗馬の際に膝下を保護する革製カバーのこともいう。上記のレザーレッグアーマーをチャップスということもあるかもしれないので紹介しておく。
ファンタジーにはチャップスの鎧もある。プレートアーマーで同じ形状にするなら、クウィス (もも当て)、ポレイン (膝当て)、グリーヴ (すね当て)、サバトン (靴)を装着して、もも当てにつけたレッグハーネスを腰に装着する。
■スケイルアーマー、ドラゴンスケイル、ドラゴンアーマー
スケイルは鱗のこと。鱗のようなプレートの鎧。ファンタジーではモンスターの鱗でできていることもある。ドラゴンスケイルなど。リアル過ぎると若干キモいので画像検索(特に英語検索)する場合は爬虫類が苦手な方は注意が必要。
ドラゴンアーマーはドラゴンを模した鎧。プレートは鱗だけでなくドラゴンの硬質な体を再現したものもありツノを装飾に取り入れたりと頑丈さと強さがわかるデザインとなっている。
■皮骨、オステオダーム
ワニ、アルマジロ、恐竜 (鎧竜)などが身を守るための鱗やゴツゴツした岩のような骨の突起。天然の鎧。
ファンタジーではモンスターにも見られる。
■ブリガンダイン(Brigandine)
布か皮製のベスト形鎧。裏に防御板があり表を装飾できる。チェーンメイルと重ね着することもある。
オシャレ鎧なので、ファンタジーで女性のデザイン重視で主に胸部分の防御が怪しい鎧もブリガンダインなら問題ない。
■コートオブプレート
ブリガンダインと同じく裏に防御板があり表を装飾できる。名前的にサーコートと一体化した鎧に思える。こちらも鎧ドレスなどの鎧ですかと思われるようなデザインにしたい時に使える鎧。
■ドレスアーマー・バトルドレス・鎧ドレス
説明を省きたい場合はこちら。ドレスの上半身部分が鎧になっており、見た目はドレスそのものなことが多い。
鎧ドレス
鎧のパーツは肩当て、ガントレット、ブレスト、タセット、ブーツのどれかがよくドレスと一体化している。
■コルセットアーマー、ビスチェアーマー
女性用の鎧。素肌に直接つけたりもする。
■ビキニアーマー
女性用の鎧。ビキニ形の鎧。素肌に直接つけていることが多い。鎧としての防御力はなさそうなので実力者向けの鎧かもしれない。
◆プレートアーマー
全身を覆う板金製の鎧。シンプルなものは安くデザインが凝っているものほど高価。
※全身を覆うものをフルプレートアーマー、一部を覆うものをプレートアーマーとしたり作者さんによって表記に違いがあるかもしれません。
※プレートアーマーは種類があり、時代によって作りが違うため、作者さんがどの鎧を参考にするかで説明は変わります。また、部分の名前は統一されていません。作者さんによって違うでしょう。(表記ゆれ)
◆プレートアーマー各部分の名前
■リベット 鋲
鎧をつなぐ鉄製留め具。
プレートが動かないよう完全に留める固定リベット、動かせるように留めるスライドリベットと留め方に種類がある。
■タブ
鎧を紐やベルトでつなぐために鎧に空いた穴 (リベットホールともいう)、金属や革製の小さな輪っか。
■ランスレスト
槍を支える器具。右胸脇付近にあり、槍を脇にはさんで突く際、ランスレストに槍を固定して安定させ、槍の重さを軽減することができる。
■ロンデル(検索時は鎧とつけてください)・ベサギュー
円盤状の防具。各急所、鎧の隙間などを保護するため、鎧の色々な部分につける。ベサギューは脇の下を隠すようにつけ、脇の下にある動脈を保護する。
ファンタジーではマントの留め具のように装着されていることがある。
■ハーフアーマー
上半身部分。マントがついていることがあり、つけ方次第で取り外しも可能。リベットだと外せないので、取り外しするならマントの紐かベルトを鎧のタブに結び繋いでおく。専用の留め具があるかは今のところ不明。
■ヘルメット・ヘルム・兜
頭部分。面の上下可動部分はバイザー。
■サボヤードヘルメット (savoyard armor)
顔全体を覆い目と口の部分だけ開いている。
ちょっと怖いヘルメット。
ファンタジーでは敵のモブ兵なんかが被っている。
■ゴルゲット 首当て
鎧の一部としては首全体を保護する形状。軍服につけるものは三日月形の首飾りのようで、地位や紋章を示す役目になり防御の意味はなくなる。
■ポールドロン・ショルダーアーマー・肩当て
肩部分。マントがついていることがある。
肩当てを片方だけつけていることがある。理由は武器を振るうほうはつけないことで振りやすくするため(古代ローマの剣闘士などは片方だけつけたり武器を持つ方の肩当ては小さめで左右で大きさが違うアシンメトリーな肩当てをつけていたりした)、片方だけつけて盾代わりにするため、てきるだけ身軽でいるため、元々片方しかない、ファッション重視など色々ある。
■リアブレイス・リブレース(rerebrace)
上腕(肘上)部分。名前が色々ある。
■クーター
肘当て
■ヴァンブレイス、腕当て
前腕(肘下)部分。
■グローブ・ガントレット
手首から指部分。
■ブレストアーマー・ブレストプレート・ボディアーマー
胴体部分。
胸の部分だけを胸当てと書くがブレストアーマーと書くかは不明。ブレストは胸のことなので胸当てとして書いても問題はない。その場合はボディアーマーを胴体の鎧にしてブレストアーマーと区別するといいかもしれない。
■バックプレート
背中部分。恐らくブレストに含まれて説明が省かれる部分。
■タセット(tasset) 草摺。
腰から太ももに下がっている部分。ブレストについていることもある。ベルトについていることもある。ファンタジーでは前垂れがついていることがある。
急所を保護するセンタータセット、太ももを保護するサイドタセット、臀部を保護するバックタセットの主に四つの形状がある。センターとサイドの三分割 (三連)タセットなどと表現する。
■フォールド(fauld)
ブレストとタセットをつなぐ部分。ブレストの一部になっていてわかりにくい。ついてない鎧もある。恐らく説明では省略される部分。
■クウィス(cuisse)
もも部分。単体の装備として腰のハーネスベルトに留めていることもある(ももにもベルトで留める)。その場合下記のポレインと結合して膝と太ももの防具となっている。
■ポレイン・膝当て
膝部分。ブーツについていることがある。
■グリーブ・グリーヴ 脛当て
脛部分。
■サバトン
靴。ブーツもある。
*部分簡易名前
・アームアーマー
肩から腕部分。
・レッグアーマー
脚部分。膝当て+脛当て。
■デコラティブアーマー(decorative armor)
装飾されたアーマー。模様が彫り込まれ宝石などがついて美しくなっている。
ファンタジーによく出てくる凄い鎧。
デコラティブアーマー
◆その他
■アーマースタンド
鎧を飾る台。木や鉄の棒を人型にして鎧を着せて立たせておく。ヘルメットスタンドとブレストスタンドもある。
ファンタジーではスタンドの鎧は人が着て隠れていたり勝手に動きだすこともあるので注意が必要。
■コートオブアームズ(Coat of Arms)
コートはサーコート、アームズは武器。戦場で着るサーコートと武器 (防具)にある個人を識別するための紋章 (エンブレム)のこと。コートオブアームズに同じものはなくこれを研究管理する紋章学というのもある。
■ヘラルディック
紋章に関わるという意味。紋章学で使われる用語。
ヘラルディックドレスのように紋章をデザインに取り入れた服などのこと。
◆名前のないパーツ
鎧の腰から垂れている布、前垂れ。
この布にはデザインで敵味方組織個人を識別する、鎧の装飾 (意匠)などの意味がある。
形状と名前は複数ある。
1、サーコート、タバードの裾
鎧の下に着ているサーコートまたはタバードの裾が出ている、色やデザインやコートオブアームズで個人を識別するために出している。
2、オーフリー、装飾布
オーフリーは装飾された布のこと。服のオーフリーが鎧から出ている、鎧のタセットにオーフリーを装着している。紋章のあるオーフリーもある。
3、ロインクロス、腰布
服の腰布が出ている、鎧のタセットに装着している。装飾布と区別してシンプルな布。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
以下は紹介した服の補足と感想になります。
こちらにも挿絵をつけることができて服を想像しやすくなったかと思います。
しかし、小説で服を書くときの問題点でも書きましたが挿絵の服を文章で説明するのは難しくて大変そうですね。
詳しく書きたい気持ちはあっても、やはり簡単な名前から想像してもらえたら助かるなと思います。
アーミングダブレットの挿絵は恐ろしく既視感のある勇者が比較モデルになっておりますが、よく見る鎧姿なのでわかりやすいかと思います。
アーミングダブレットも中世風と現代風ではかなり違うので書き分けが必要ですね。
中世風は厚めの素材で、編み上げやベルトなど胸に留め具があるオープンフロント (前開き)、現代風は薄い素材で体つきがわかる、シンプルなプルオーバー (貫頭衣)などでしょうか。現代風でも厚いだぶついたものもあります。細かい部分は作者さんにお任せいたします。
肩当てのような服に装着する鎧は服に縫いつけてあることもあるでしょうが、取り外せるほうが鎧の手入れや服の洗濯のときにいいですね。日常回などではそういう描写も面白いですね。
デコラティブアーマーはデコトラを連想してデコアマとかデコ鎧とか略してしまいそうになりますが、デコラティブアーマーとちゃんと書くほうが鎧の美しさを出せますね。
コートオブアームズについて詳しくは紋章学を検索していただければと思います。
腰の装飾布については他に名前を考えてみまして、布のデザインから個人を識別するということからIDカードをもじってIDファブリック (ファブリックは布のこと) 略してIDFとか思いついたのですが、それならコートオブアームズとオーフリーでよさそうな気がして紹介は控えました。
何かいい名前がありましたらぜひ教えてください。
タセットはファンタジーでは急所を保護する形状と急所と太ももを保護する形状が多いですね。しかし、特定の名前や表現はまだ無いようです。見つかり次第追加します。




