4月5日午前 錬金術師(幼女)は魔法適正検査、ギフトを授ける儀式をする。
2部構成です。
クロがナナリスト姫に保護されてから6年がたったある日の王宮。
「クロお嬢様起きてください。朝です。」
メイドの言葉を聞いてクロはベッドの上で頭から布団をかぶったまま
「もうちょっと...もうちょっと...」
「駄目です。起こしますよ。」
そう言うとメイドはクロの額にデコピンをした。「メキャッ!」人が鳴らせない音がなった。
「起きましたか?」
「は...はい...」
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メイドにたたき起こされたクロは彼女に服を着させてもらっていた。
「フォブルス。今日はなんかあったっけ?」
「今日は、まず姫様にお会いになられてから、ギフト鑑定のために教会に行きます。」
「あら、ナナ姉さま来るの」
クロが拾われた時からナナリスト姫に教育もとい洗脳された結果、ナナリスト姫をナナお姉さまと呼ぶようになった。騎士たちはこの事を敏感に察知して阻止しようとしたが、姫さまのギフトにかなわず徒労に終わった。
「ええ。もう来るとの連絡が先ほど。」
「あらそうなの...ってもうすぐ来るですって!早くしないと...」
そうして、クロは慌ただしく着替えなどをすました。
「ふう。間に合ってよかった...」
クロの今の恰好は、金髪のロングヘアに燃えるような赤色の瞳、白のワンピースを身にまとっていた。
「私が言うのもなんですが、さすがクロお嬢様です。人形のようなかわいさがあります。」
そうこうしてる間にノックと共に姫が部屋に入ってきた。
「クロちゃーーん!!!」
そんな声とともにナナリスト姫がクロに飛びかかってきた。姫のメロンのような双胸に挟まれて息ができなくなった。
「ああ!クロちゃん!大丈夫?具合悪くしてない?この貧乳人形メイドに理不尽なことされてない?まだクロちゃんはまだ6歳だもんね。変なことされたらお姉さんに言ってね。こんなかわいいのに変なことされないわけないよね。私だったらやっちゃうもん。だからね・・・」
姫はまだ最初は近くから見ているだけだった。しかし、3歳から年々勢いづいていき今はこうなってしまった。そんなとき、
「おい、この雌猫。」
冷ややかな声とともに辺りが闇に包まれた。その声に反応した姫はクロを保持しつつメイドの方に振り向いた。
「なーに?フォブルス?」
そこには、笑顔と呪力をまとった鬼がいた。
「私のことを人形だの貧乳だのは我慢できます。しかし!クロお嬢様のことを雌猫の分際で抱きしめるとはどういうことですか?」
彼女は戦闘用呪術人形[フォブルス]。古代に栄えた都市、GHRの古代魔道具で今は、クロの専属メイド兼護衛である。ちなみに、クロのことを物凄く溺愛している。姫も同様。
「何であなたのゆうことを聞かなきゃいけないの?」
姫はフォブルスの気迫にも動じずに言い返した。それ以上の、殺気を放って。姫の殺気に少し引いてしまったが、クロの為に言った。
「当たり前です。その胸の脂肪の塊のせいでクロお嬢様が窒息しそうです。ああ、私もそのように抱きしめたいです...妬ましい。妬ましい。」
フォブルスが願望を怨念と共につぶやきつつ、姫が胸に抱えたままのクロを指差して。
「へっ?」
姫が視線を下に向けると...
「苦...しいで...す。姉さ...ま」
ぐったりしたクロがいた。
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数分後、落ち着いた姫とその隣に座っている(座らされている)クロは午後からのギフトの件で話していた。
「今日ギフト鑑定の儀式よね。クロちゃんどんなものなのかな~〈印〉系なら私も使えるのに...」
「えっと、お姉さまの固有ギフト〈印術師〉でしたっけ。
「そうよ、さすが私のクロちゃん博識ね♪」
「でも、よく知らなくて...教えてくれませんか?」
「ええ。いいわよ。まず固有ギフトは、わかるかしら?」
「確か、いま生きている人たちの中で1つしかないギフトでしたっけ。」
「そうよ。1つだけとあってどれも強力なものが多いわ。私の〈印術師〉は私が見た〈印のギフトを完全に模倣できるの。固有ギフトはダメなのだけど。」
「なるほど、私にも固有ギフト来てくれるかな。」
そう、クロが言うと姫が優しく彼女の頭をなでながら、
「大丈夫よ。クロちゃんには素敵なギフトが宿るわ。だから、安心してね。」
「...うん!」
クロは満面の笑みでうなずいたのだった。
「「ぐはっ!!」」
同時に、2人分の倒れる音がした。2人とも恍惚の表情を浮かべて...
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