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生徒会室に連行されて1時間。一向にお互いの意見を認めようとしない。
「だから、地味男と言われている貴方がやっていないなんて言っても誰も信じないわよ。認めてしまえば、退学処分で済ませるわ」
「冗談はやめてくれ。濡れ衣着せらせられて、やめれるかよ。絶対に認めない」
「そこまで言うなら、貴方の無罪を証明する人を連れて来てください」
「は?今授業中だろう。せめて放課後にしろよ」
「放課後にしろよ?自分の置かれた立場をお分かりでしょうか?私は弁明チャンスを与えてあげた立場よ?それに、放課後まで待ったら、貴方は逃げてしまいそうですし」
「・・・ったく分かったよ。連れてくりゃいいんだろう」
地味男だから?地味男と言われているから?ふざけんじゃねえよ。
「制限時間は今から30分とします。連れて来れない場合は理事長に報告後退学届を書いてもらいます。わかりましたね?」
「ああ!上等だ。その代わり、俺が連れて来た場合は、付き合ってくれよ」
「い・・・いきなり貴方はなんなんですか!?つ・・きあえですって?そ・も・・そも私はイケメン金持ち以外と付き合う気はありません」
顔を赤くした。理想が高すぎるせいで今まで付き合ったことがないのか。
しかし、あんな強気なこと言って出てきたのはいいが、日南は授業中だし、他に頼れる人はいない。授業終了までの時間は後45分、教室へ行き、誘ったらクラスの連中がまた変な妄想をして日南自身にも被害が行くかもしれない。それだけは絶対にあってはならないけど、どうしようか。
「困っているのですか?」
「自分から証人探せって脅しておいて知らないフリとは相当性格悪いな」
「今日、初めて会ったのに、性格悪いなんて失礼だなー」
「さっき生徒会室で会っただろ」
「あははは。よく間違えられるのですが、私は双子の姉妹の妹の冬花です」
「・・・・・」
「そうだ。井上小太郎くんお困りなら私が力を貸してあげましょうか?」
「は?」
この女何を言ってやがる。春花の身内、しかも姉妹だぞ?姉の敵なのに、こちら側の味方についてくれるなど、ありえないだろう。しかし、何故だろう。冬花のことなら何故か信用できるような気がしてきた。それに、ダメかもしれないが、数%の可能性にかけてみるとするか。
「頼む。貸してくれ」
「わっかりましたー!。その代わり私と友達になってくれませんか?」
「唐突だな。俺にとっては全然ありがたいことだが、お前に得があるように思えないんだが?」
「ありますよ!!それに私達はもう友達なんですから、お前ではなく冬花と呼んでください!」
「そうか。ありがとうな冬花」
ラッキー!!誰にでも手を差し伸べるおかげで学校では女神と呼ばれている冬花を味方につけれるなんて、これで俺の価値は明白なのか!?
「それじゃ、先に生徒会室に戻ってるからよろしく頼むぞ」
「はい!」
『あーあ・・・偽善者ぶってあんな人を助けないといけないんだろう?でもお姉ちゃんに攻撃できるチャンスならいいかな・・。それに小太郎くんだっけ・・?あの子を放置しておくと、後に面倒なことになりそうだし、今のうちに処分することも考えなくちゃね』
この女性格に難あり