悲劇?それは主人公が通る道!?
「ごめんね。小太郎、私はまだ決心できてないんだ!」
「地味男の小太郎くん、私に告白とか正気なの?はっきり言って、気持ち悪いわ」
「こーたーろーくん、ごめん無理」
は?俺主人公なんですが、駄目なんですかね?どういうことだ?どこで間違えた。文化祭か?体育祭か?登山か?それとも修学旅行?一体どこなんだああああああ。この時の俺はまだ何も知らなかった。リア充が全員幸せではないことと、リア充でなくても青春は楽しめるということを・・・・。
俺の名前は井上小太郎。市立堂山樹高等学校に通う17歳高校3年生だ。よく初対面の人には常識人だと思われる傾向にある。しかし俺は、性根から腐っているせいなのか?それとも、運動神経、見た目、頭脳全てが普通のせいなのか分からないが、周りの連中は地味男というあだ名を付け、一方的に突き放されている。総じて言えるのはあれだ。ボッチということだ。それ以外にない。でも、一つ心に誓ってることがある。例え、ボッチでも、リア充になれなくても人一倍青春を味わえるとな!
『キーンコーンカーンコーン』
あれ?今聞こえたのって昼休みが終わるチャイムだよな?焦りながら起き上がり、時計を見ると時刻は午後13時00分、良かったーまだギリギリ間に合う・・・?
「落ち着いている場合じゃない。ヤバイ!完璧に遅刻だ。ただでさえ、地味男とかいう悪イメージが多いのに、遅刻したら今度は遅刻魔なんていうあだ名が付けられるかもしれない。そんなこと絶対にあってはならない」
警戒レベル10全力疾走開始。これなら2分で教室へつくはずだ。3限目の先生はいつも5分遅れてくる。これなら完璧に間に合う!急ぎ階段を降り、教室までもう少しのところに幼馴染の日南希空がいた。
「あーーーー小太郎!今日の授業は、教室じゃなくて視聴覚室でやるってー」
「・・・・・」
「小太郎・・・。聞こえてたよね?多分大丈夫よね?。私も急がなくちゃ」
この二人の行違いが後に大事件につながるとはまだ知らないのであった。
「先生!遅れてごめんなさい。急用ができて・・・。」
急ぎ教室へ入り、言い訳を述べたのだが、いつものうるさいクラスメイトは誰一人教室へいない。肝心な先生も来ていない。恐る恐る黒板を見ると、そこには今日の授業は視聴覚室に変更になったという伝言が書かれていた。はい。終わりました!落胆していると、後ろから声をかけられた。
「井上小太郎!!貴方が盗撮犯だったのね」
「はい?」
「現行犯ですね。とりあえず生徒会室へ連行よ」
待て待てーい。盗撮犯だと?何の話だ?てか、今急いで教室へ来たのに、いきなり、話したこともない生徒会長様に、犯人にされても困るんだが・・・。
「大声を出したり、余計な抵抗をすると、貴方自身の経歴に傷がついてしまうので、大人しくしてね」
「だーかーーーらーーー違います。絶対に違います。てか盗撮なんて怖くてできません」
「嘘はいいです。急いで空き教室に来るなんてカメラでも回収に来たのでしょう?」
「いや、授業に遅刻するって思って、急いで来ただけなんだが?」
「嘘を言わないでください。クラスメイトたちが伝言したはずなのに、貴方だけがこのタイミングで来るなんてありえないわ」
「すみません。言いにくいですが、俺ボッチなんですよ。だから誰も教えてなんかくれません」
「はぁーそうですか」
これは理解してくれたか?
「犯人確定ですね。ボッチだからって日頃の恨みか?溜まっているものを解消するために、クラスメイトを使うなんて最低ですね」
「おいおい、なんでそうなる?っておい、引っ張るな」
ろくな抵抗もできないまま、生徒会室へ連行された。
そして、これが冤罪事件の幕開けである。
No1.
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