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I were わたしは私たちです  作者: 菊池一心
4/23

4.

 ある程度家の中について説明した後、アリスは自分の思い思いに動き出していた。俺自身も、数日ぶりの家ということで、出かけるときに持って行った下着やらなんやらを洗濯機にぶち込んでいた。

 かなりの大きさがある洗濯機の半分ほどが、俺の洗濯物で埋もれる。

 「さて、あとは荷物の整理と」

 口につぶやきながら頭を整理していく。少しずつやるべきことを頭の中で思い浮かべていく。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん」

 「どうした?なんかあったか?」

 洗面所となっている場所出て、二階へと行こうとすると、アリスに呼び止められた。

 「お兄ちゃん? これどこにおけばいい?」

 リビングにいた彼女は、自分の持ち物を確認していたはずだが…

そう言いながら、手にあるものを俺に見せるようにする。彼女の手にあるのは複数の色のもの。

「何それ」

「え? これ」 

彼女が広げるように見せてきたそれは、色とりどりの下着であった。もちろん俺のではない。彼女が、実家から持ってきたもの。俗に言うパンティやブラジャーとやらだ。

 「それ下着だろ。……あのな、そういうのは男に見せるな。恥じらいを持て。とりあえずはカナのところに置いとけ」

 「カナちゃんの部屋? 勝手に入って大丈夫なの?」

 「問題ないだろ。それにこれからはカナの部屋で寝るんだぞ。下着以外にも色々ともってこい」

 持ってきた服なんやらを妹の部屋に持っていく。

 「籠かなんか入れ物持ってくる。ひとまずそれに入れとけ。カナが帰ってきたら、一緒に片づけしてもらえ」

 「うん。りょうかーい」

 笑いながら手で敬礼のようなポーズをとる。天真爛漫と言えばよいのか。

その天真爛漫さに少しばかり頭が痛くなる。

ふつうの中学三年であればある程度の恥じらいというものを持つものだと思うのであるが。

 そんなことを考えさせられる彼女の行動に溜息が出る。彼女の行動の一つ一つに幼さを感じる。それは、少し心配になるレベルのもの。

 「さて、我が妹様にあとは頼むか」

 あの天真爛漫ガールの相手が出来るのは妹ぐらいだろう。妹様の頑張りに期待するとしよう。

 「お兄ちゃーん」

 「はーい、今行くから待ってろ」


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