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一つのチャンスを
朝。
私、紗柚はある言葉を聞いて絶句する。
「あなた、誰?」
お母さんにも言われ、クラスメイトにいわれ、先生にも言われた。
ある人を除いて。
「紗柚、どうすんのこれ。」
「私達みんなに忘れられちゃったんだよ?」
そう、楓と風華の二人が例外。私を忘れていないのは二人だけ。風華を忘れていないのも二人だけ。楓を忘れていないのも二人だけ。それ以外の人は私たちのことを覚えていない。
「大丈夫、大丈夫!」
なぜなら!みんなが覚えていないと言うことは!これはもしかしてだよ?
「異世界にいくチャンスだーとでもいいたいの?」
おお。風華は鋭いな~
「ねえふたりとも?あのこと覚えてる?みんなで中二病ごっこしたときのこと。」
「そんなの・・・忘れるわけ無いじゃない。」
「うん。」