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一人じゃない  作者: 渡辺さん
3/3

トイレでの出来事

「そういうお前もなにもしてねえじゃねえかよ」


喧嘩腰なのは、かなりイラついているからである。


俺は腹たつとこうなる。


「だって知らないもん。」


「知らねえ口調じゃなかったろうがよ」


「知らないもん。オタクじゃないし。」


「あぁ、そうかい。」


こいつと話すとイラつくだけだと感じた。


そのまま無視し、教室を出て人があまり来ないトイレに行った。


確かにあいつの言うことは正しいかもしれない。


さっきの出来事だって、必ず前兆があったはずだ。きちんと観察してればあんなことには。


観察して何になるっていうんだ。あの状況で俺はなにをすれば正解だったんだ?


実際に渡辺が被害者なんだし。あれは曲尺が悪い。


「あーもどかしい!」


あれ


トイレの個室が開かない。


誰か入っていた。


「あーごめんね」


そう言いながらその横の個室に入る。


トイレで一人じっくりと考えたかったんだが。


真横に人がいるとなるとなにも考えられない。


「知ってて行動しない人が一番悪人か・・・」


横の人を実験台に、いや言葉が悪いな


ちょっくら彼救いますか。


「あのー、このトイレにいるってことはもしかして人があまり来ないの知ってるの?」


応答なしか。人間不信か?いや早々に決めつけるのはよくない。


「俺も考えることがあると、いつもこのトイレに引きこもる癖ついちゃってて」


「自分もです・・・」


返答が来た。


同情に弱い。あまり人と関わってないのか。


「よかったら聞かせてくれないか?その考え事を。」


少し急ぎたかもしれない。


くそ!また同情を誘うか?いやでも勘がいいやつは二度も引っかかると、自分の弱みを知っていることに気づいてしまうかもしれない。


声は少し幼かったよな。


なら!


「ブッ」


「あぁごめん!ちょっと臭いかもな」


「フフッ」


よし笑ってくれた!一か八かの教師っぽい質問攻めや語りを止めて、中学一年っぽい仕草をして相手すら気づかない同情を誘う作戦成功だ!


そしてあのおならでさっきの話を無かったことにできればしたい!


「あのっ何年生?」


「中一だよ」


俺は返す。


「僕もだ!」


よしっ!成功どころか大成功だ!


よーしそのまま続けずに退却だ!


「何組なの?」


「1組!」


「俺4組の伊藤直樹、俺もう出てくね。」


もう質問が出来ないのならば


「あのっ!」


相手からの質問を


「僕は飯田優斗です。」


待てばいいだけ。







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