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一人じゃない  作者: 渡辺さん
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あれは授業の終わりだった。


曲尺萌乃が渡辺健二に鉛筆を膝に突き刺していた。


騒がしかった教室が一気に静まり帰る。


「え〜やばっ」


「やばいやばいw」


みんなが無意識に話し相手にコソコソと話している。


だがどうしたのだろうか、渡辺健二になにか名前についていじられたのか?


だがそれなら小学生からいじめられているはずだ。


「いてっ!」


渡辺の膝から血が出てくる。


それを見た渡辺はとても痛がり、そのまま廊下の水道までゆっくり歩いた。


「大丈夫?」


「先生に言わないと!」


「先生呼んで!」


こいつらはわざとやっているんだろうか。


なぜ大声で加害者に嫌がらせをするんだろうか。


俺ならその場から逃げ出すが、曲尺はティッシュを取り渡辺のところへ行き


「ごめんなさい・・・」


と謝り、手当をしているではないか。


「あぁ。ありがとう。」


「なっ!?」


俺は驚いた。あの渡辺のクズさにだ。


まるで被害者ずらして、優しい声で曲尺にありがとうと言った。


自分で煽ったくせに自分の怪我も利用するなんて、これじゃあ殆どの人が曲尺の動機なんて考えもしないだろう。


ってかさっきまでの威張り口調どこ行ったんだよ、いい加減お前らも気づけよこの渡辺の変わり様を!


「どうしたんですか!?」


先生が帰ってきた


その瞬間


一気に騒がしくなった。


クラスメイトの殆どが先生にチクっているのだ


「静かにして!事情を話すのは一人でいいから・・・」


石林先生が生徒達を大人しくさせた。


「曲尺さんが渡辺くんに鉛筆を刺したんです!」


「渡辺くん血だらけになってます!」


先生が渡辺と曲尺を何処かへ連れて行った。


その後はしばらく曲尺の暴言と、自分の感想で騒がしくなった。


「こういうことがコロンバインや大津市のような悲劇が生まれるんだ・・・!」


と俺は小声で怒りをあらわにした。


「えっなにそれ笑える。」


小声のはずだったのに後ろの奴に聞かれてしまった。


「なに?そういうネガティブな事件が好きなオタクな感じ?」


俺に話しかけてきたのは後ろの席の山中だった。


「・・・これらをネガティブな事件で片付ける物ではない」


しまった。つい口走ってしまった。


このミスで次の山中の返しが容易に想像がつく。


「おーおー語りますねぇ、オタク特有のやつが出ましたね。」


ほら来た。


「んで、なんの用ですか」


俺は嫌がりながら返す。


「ちょっと君に警告をね」


「警告?」



「君みたいに知ってて行動しない人が一番悪人だよね、クソ野郎」








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