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向こうの先へ  作者: TJJ
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第2話 公園

ふと起き上がると,石段の上に寝転がっていた.

少し肌寒い.

周りは霧で覆われていて,青空が少し見え,太陽の光が自分に差し込んでいる.

石段を下った先を見ると,霧に覆われてよく見えないが,暗闇が広がっているように見えた.

石段を登った先を見ると,霧には覆われているが,明るく輝いていた.

どうも自分はこの石段を登ってきたのではないかと推察した.

とりあえず,この石段を登ることにした.何かわかるかもしれない.

石段を登っていくと不思議と疲れない,だからといって走る気も起きない.

不思議な感覚だと思った.

ただ一人で黙々と登っていく.


すると霧がだんだん薄くなり,霧が晴れる頃には,白いタイルで敷き詰められた円形の広場があった.

その中心には,黒曜石のような黒い石で作られた円錐があり,高さは私の背丈の程である.

円形の広場の縁まで行き,下を見下ろすと霧で覆われて何も見えなかった.

広場の周りには何もなく道や他の階段などはなかった.

途方に暮れていたところ,視線の先にあった広場の下の霧がいつの間にか晴れており,広場の下を見下ろすと雲海が広がっていた.

すると,急に広場がゆっくりと回転しながら上昇し始めた.

登ってきた石段は,いつの間にか消えてなくなっていった.

ゆっくりと広場が回転している途中,空を見上げると,うっすらと透明な形をした円盤がある.

どうも自分はその円盤に近づいているようで,近づくほどより円盤の形がくっきり見えるようになり,大きくなっていく.

透明な円盤は,だんだんと自分が今いる広場と同じような色を帯びていくように見える.

私がいる広場が円盤に近づき,その円盤の縁の高さまで上昇したところで,広場が止まり,その円盤と接した.

その円盤には,広場と同じ白いタイルで道路が作られており,花壇が道路の両側に沿うように並べられている.

花壇には,赤,白,黃,桃,青色のチューリップが咲いている.

道路の行く先には,噴水がある.

噴水があるところには,円形状の広場があり,噴水を囲むように青々しい葉をもつ桜の木が並んでいる.噴水の真上に,大きさが私の父の背丈ほどの大きさの正八面体のクリスタルが浮かんでおり,ゆっくりと回転している.

広場の周りは,芝生で覆われている.

広場を通り過ぎると,道がまっすぐに続いており,その先に正方形の広場があり,周りは芝生で覆われている.

その広場の中心に白いグランドピアノがある.

試しに少し弾いてみようかと思い,鍵盤を叩き始めると,勝手に演奏がはじまった.

いきなりのことだったので,驚いて動揺した.

演奏されている曲は,この正方形の広場と晴れ渡った空に溶け込むような曲だった.

椅子に座っていると,この空に浮かんでいるような気がした.


ピアノから離れ,広場を少し歩き回って空を眺めていた.

ピアノのところに戻ろうとすると,ピアノがだんだんと透けて見える.そして,消えてなくなった.

急に,私の目の前が暗くなるような感じがした.暗くなり,


黒く光る黒曜石の直方体が目の前に現れた.


直方体は,教会のドアと同じくらいの高さと幅があり,厚さは本棚と同じくらいである.

しばらく,この直方体を眺めていると,直方体に見たこともない文字が現れた.

そして,文章が次々と浮かんでくる.


文章は,緑色に光はじめ,文章は薄れ,次第に見知らぬ空に浮かぶ街が表れてきた.

街の外れにある森に景色が移り,いつの間にか自分はその森のなかにいた.


私は道にいて,その道が微かに街に続いているように見えた.

街に向かって,歩いていくと,森を抜け,街へと続く吊橋を渡る.

吊橋を渡って,あたりを見回すと,足元の下は雲海で覆われ,空は快晴である.

なによりも,吸い込まれるように見とれてしまったのは,空に白く太い弧があったことだ.

土星の輪のようなものがこの地球?にあり,太陽?に照らされて白く反射し空を覆っていたように見えた.吊橋の終端には,白い街並みが見えた.

誰一人いないような静けさがあたりを覆っていた.

聞こえるのは,森の木々の葉の音や,風の音しか聞こえない.


吊橋を渡り終えると,小さく見えていた白い街が,巨大な高層ビル群を形成していた.

吊橋の近くに公園を見つけ行ってみると,公園の中央に噴水がある.

噴水の上には,黒曜石の直方体に書かれていた文字で書かれた文章が次々と現れ消えていく.

どうもこの街の情報を表す掲示板のように見えた.

少し歩き疲れたので近くのベンチに座ることにした.景色が私にとって心地よく,久しぶりに感じる不思議な爽快感を感じていた.

学校にいたときとは比べ物にならないほど,気分が良い.

水飲み場があったので,水を飲んでみると少し甘く体に水が染み込み透き通るような感じがした.


ずっともう,このままでいいかな.


もう,あの世界に戻りたくない.


自由な感じがここではするような気がする.

お読み頂きありがとうございます.これからも投稿してまいります.

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