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その0

!警告!書いてあることに意味不明な部分、矛盾した部分がありますがご容赦ください。宗教的に引っ掛かる書記が有ってもご容赦ください。

 ボンヤリと雲を見つめていた。

時おり桜の花びらが視界の端にちらつき今季節は春なんだと主張している。ヘッドフォンから流れてくる最近入れたばかりの和やかな曲調のヒーリングミュージック。そして暖かな日射しも手伝って意識が沈んで・・・

「あぁ!こんな所にいた!コーちゃん!こんな所で寝てないで、さっさと任命式に行くよ!」

・・・見つかっちまったか。このうるさい声は確か・・・

「チッ天野星か?・・・なんで探偵任命式なんてわけのわからん地方限定の式に他所から引っ越してきた僕が出席しなければならないんだ?」

髪型はショートカットで引き締まった身体にTシャツとジーパンを身に付け活発な女の子、と言うやつを具現化したような風貌の女・天野星を睨み付ける。

「そんなの決まってるでしょ?あんたがこの学園の生徒だからよ!ほら早くしないと始まっちゃう!」

僕の視線による圧力をものともせずその女の女らしい手は首根っ子を掴むと女とは思えない力で僕の身体を引きずって歩きだす。ぱっと見身長百六十前後の女とは思えな・・・。

ドスンッ

いきなり尻に衝撃が走る。階段だ。そう言えばここは屋上だから・・・!!

「わかった!行くよ!歩くから!手を離せ!メスゴリラ!」

文句を言う僕を引きずるメスゴリラの横顔をどこか楽しそうだと思ったのは多分気のせいではないだろう。

階段地獄を終えた僕は大等部校舎を出る。市民会館への道のりは大体一、二キロぐらいだ。

ちなみに高等部からは五、六百メートルくらい、中等部からは百メートルくらい、と年齢が高くなるにつれ遠くなっていく。

「ねぇコーちゃん?」

星が興奮気味に話し掛けてくる。

「なんだよメスゴリ・・・」

しまった!口が滑った!

「あのね、ここだけの話なんだけどね!フフフ・・・」

メスゴリラと呼んでも何の反応もしない?それどころか笑っている?こいつ・・・

「気色悪いなぁなんだよ早く話せよ」


ゴスッ


気色悪いで殴りやがった。

「フフフ聞いて驚け!なんと!アタシ天野星は芥川学園都市終身名誉探偵である初代芥川の真柴猛規さんとお話することができるのです!」

キャーキャーと一人ではしゃぐ天野。

「誰?その芥川学園都市終身名誉探偵のなんとかって」

とりあえず浮かんだ疑問をぶつける。

「えぇ!本当に知らないの?!いい?アタシが詳しく教えてあげるからよぅく聞いてなさいよ?まず終身名誉たんて・・・(以下省略)」

とりあえずメスゴリラの話を僕なりにまとめるとこうなる。

この学園が都市になった二十七年前様々な事件が起こった。血みどろのバラバラ殺人、身体の一部が姿を消す猟奇殺人、必ず誰かに強い印象を残して起こる神隠し・・・そんな難怪事件を独自に調査・解決したのが初代芥川・真柴猛規だそうだ。

彼の事件の解決する早さは謎が塵芥のように崩れ去り次の事件には川の流れのように進んでいく、と言う事で誰かが呼び始めたのが芥川。

こうして、代々探偵をするものをこの都市では芥川と呼ぶようになったそうだ。

「さぁ、着いたよ!やっぱり人がたくさんいるなぁ!」

はしゃぐ天野を尻目に僕はため息を吐く。

「あぁ帰りたい・・・。」

 今思えばこの時、僕は帰るべきだったのかもしれない。これから起こる数々の厄介事の始まりは全てここから始まった事なのだから。

登場人物の名前・小路々幸司・こうじろこうじ天野星・あまのあかり真柴猛規・ましばたけのり

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