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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第3章:平穏の終わり
99/132

99話目

もう何週間経ったでしょう。

分からない位経ってますね。

すいません。

ちょっと書く気持ちになれない事が起こりまして、暫く無気力に過ごしてました。




男の独り言を聞いているが、今の所何も重要な事を言わない。

俺の後ろ4番目にいたイタチの番が来た。


「次...なっ!?

お前そんな小さい所に首輪が付いてるのかよ!

と言うか、もうそれは首輪じゃねぇし...

......どうすんだよこれ。

首輪のサイズが変わるからって、いろんな魔物に手を出しすぎだろうが!

それにこいつならここに連れてくるんじゃなくて、もっと違うことに使えよ。

他にも最適な場所があるだろうが!

...くっ、今言ってもしゃーねぇー

ちょっとお前は後回しだ、先に全部これを付け終えてしまう。

その後でお前をどうするか考えねぇと...

くっそ、誰だよ此奴をこんな所に連れてきて俺の仕事を増やしたのわ。」


男は先程よりも荒々しく収納珠を付けていく。

ふーん、ここ以外にも魔物が使われている所があるのか。

こいつ等意外と大きい組織なのかもしれないな。

だからこんなに多くの魔物を捕まえて運んで来られたのか。

しかし、多種多様で群れでいそうな魔物もいるのに1匹だったり、多くとも2〜3匹くらいしかいない。

これは何か意味でもあるのだろうか?

同じ種の者は別の場所に居るのだろうか?

一体何のために?


『ブラン殿』


ライガーが小さく、そっと声を掛けてきた。

ん?

何故そんなに静かに聞いてくるんだ?


『何だ?どうかしたのか?』


理由は分からないが、俺も釣られてそっと答える。


『ブラン殿、まだここから帰ってはいけないのであるか?

...我.........暇である。』


思わずずっこけそうになった。

...暇って...

それに、こそっと聞くから何か重要なことかと思ったじゃないか...


『...まだ帰って良いときょかはでてないな。』


『...そうであるか。

周りに居るもの達もここでじっとしているであるしな。

仕方が無いのである。』


そう言って、ごろりと転がり丸くなるライガー。

まぁ、付けるのは簡単で早いが数がいるからな。

待ち時間が長くなるのも仕方ない。

勝手にどこかに行ってしまっても良いのであれば別にいいのだが、もし駄目だった場合また首輪が動くだろう。

あれは嫌だからな。

大人しくしているしかない。

それに俺はもう少しこいつの愚痴を聞いて、何かこの状況から抜け出せないか探っているしな。


『経験値を30得ました。』

『ブランのレベルが1上がりました。』


...あぁ、またか。

レベル上がってるし...

後1レベルでMAXになるんだよな。

これ経験値は少ないけど、ちょくちょく入ってくるから意外と馬鹿に出来ないんだよな。

今だに何故入ってきてるのか分からないけど...

あぁそうそう、新たに分かったことで、この経験値が来るのは一定の周期があるって事だな。

来る時の量はまちまちだが、大体纏まってくるんだよ。

で、ピークが過ぎると暫くは来なくなる。

そしてまた来る時間帯になるって感じ...

けどたまに俺が寝る時にピークが来て、眠たいのに頭に声が響くというのはちょっと邪魔だ。

これ寝る時に来ないように出来ないのかな。



・・・・・・・・・・・・・・・



男はあれから特に何も言うことなく、俺も暇になって眠くなってきた頃。


「...これで、終了!

あぁー、やっと終わったぜ。

...後はこのカレンセルだけだな。

此奴はこの石が通るところであれば、何処にでも入れるから諜報向けだろう。

1度連れ帰って調教すれば情報収集が出来るってわけだ。

って事は、俺も1度国に帰らないといけないのか...

ここから港町まで遠すぎるんだが......

まぁいいか。

直接依頼達成を伝えに行くと考えれば、連れていくだけだしな。

しかし、報告なんて鳥に任せれば済む話だしな...

いやいや此奴が使える奴だと分かれば、それを連れてきた俺に報酬がたんまり来ると考えれば別に苦じゃねぇ。

そうだそうだ。」


男がイタチを見ながらそんなことを言っている。

ふむ。

こいつらの親玉は海を渡った所にいるのか。

という事は俺らが居た大陸とは違う大陸にいるということか。

いや、待てよ?

俺らが今いる所が元いた大陸とは限らないのか?

今いる所は島とか、それこそ違う大陸とか?


......いや、ないか。

気絶させられていたとはいえ、船で運ばれれば流石に途中で気づくはずだ。

そんなに長い間気絶していた訳では無いだろうし......


「...よし、じゃぁお前ら!

また一週間後に来るからな。

......いや、俺は来ないが...

とにかく!

魔石を大量に集めておけよ!

カレンセルはこっちに来い。

お前は俺と国に行くぞ。」


そう言って馬車に乗り、イタチを荷台に乗せて男は去っていった。

うーむ、あまりいい情報は無かったな。

ライガーが起き上がり、伸びをしている。


『......く.........あっ...あぁー。

やっと帰れるのである。

長いこと暇だったのである。

ブラン殿、帰る途中何か狩っていいであるか?

体を動かしたあのである。』


『...あぁ、いいぞ。

出来れば魚より肉が食べたいなぁ。

1匹で量も取れるし...』


『そうであるな。

小腹も減ったであるし。』


そうして俺達は獲物を探しながら住処の方へ帰って行った。

道中クリアリンクス2匹と出会い、ライガー1人で蹂躙していた。

見えなくなっている時は、俺が場所を教えていたから苦戦することは無かった。

俺と出会った時はライガーはクリアリンクスに呼びかけていたと思うのだが、何の戸惑いもなく狩っていた。

と言うか、見つけたら我先にと駆け出して攻撃してたくらいだしな。

猫科で同じであるのに良いのかと聞けば、最初の時は狩るつもりはなく、この場所のことが聞きたかった為話をしようとしたらしい。

今は生存するためには必要なことであるから、狩りをするのによく似た種であろうと無かろうと関係はないのだとか...

しかし、魔物によっては違う考え方をする者も居るらしい。

まぁそこは個人差だろうな。


それはさて置き、今日は肉が食べられる。

最近魚ばかりで飽きてたからな、良かった。

まぁ結局は血の滴る生肉なんだけど...

でも別に嫌じゃないんだよなぁ。

これも慣れだろうか?

ライガーと俺とで1匹づつ咥えて、少し早足で駆けて帰った。











少し経って、ブラン達が見えなくなった頃。

ライガーがクリアリンクスを仕留めた所に1つの影が寄ってきた。

その影は何かを確かめるように顔を雪に近づけ、その場をウロウロとした。

そして何かを見つけたのかぱっと顔を上げ、真っ直ぐに駆けて行った。

その影が駆けて行った先はブラン達が駆けていった方角と全く同じ方角であった。



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