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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第3章:平穏の終わり
96/132

96話目

先週は更新できず申し訳ありません。

此れからも終わるまではちゃんと続けていくつもりですのでよろしくお願いします。



さて、住みかから外に出て首輪が引っ張る方へ駆けているが、これは何処に連れていく気であろうか?


『これは一体、何時まで引っ張られていくのであるか?』


さぁ、何時までだろう。

目的地が分からないからなんとも言えないな。

というか何で急に引っ張るようになったのか...

今まで特に何も反応を示さなかったのに.........


あっ、気配察知に反応があった。

俺らの左斜め後ろだな。

ん?

何かに追われてる?

1つの気配の後ろに4つの気配がある。

んー......4つの気配はサルディノプスだな。

追われているであろう1つの気配は知らないな。

俺がまだ会ったことのない奴か。

一体どんな奴なのか...


それで、こいつらは俺らとはほぼ平行のような位置取りで進んでいってるな。

いや、地味に近づいてきているか?

これ?

スピードも俺らより少し速いし、もしこのまま首輪が真っ直ぐ引っ張っていくようなら巻き込まれるな。

まぁ、その時は全力で走れば大丈夫な気もする。


「ドパンッ!!!」


うおっ!?

ビックリした。

あっ、4つが2つに減ってる。

追われている奴が反撃したのか。


『今の音は何であるか!?

我らの後方から聞こえてきたのである。

何処かに曲がって...ぐっ......』


ライガーの走るスピードが少し遅くなった。

どうやら首輪は真っ直ぐ走ることをご所望らしい。


『ライガー大丈夫か?』


『...うぬ。

それほど酷くなかったのである。

逃げると言うのがダメだったのであるか...』


あ、なるほど。

進路を逸れて逃げていくと言う考えをしていたのか。

それで首輪が反応したと...

ここに来て首輪が面倒になってきたな。

ちゃんと目的地には行くと言うのに...

......まてよ?

そう思い込みつつなら、右に逸れても反応しないのではないだろうか?

俺はちゃんと目的地に行く。

目的地に行く。


そう頭の中で繰り返しながらじわじわと右に進んでいく。

大丈夫...

ちゃんと行くから......


『何処に行くのである?

と言うよりも何故右に逸れても、何ともないのであるか?』


『右に逸れてない。

ちゃんと目的地に向かって走っているさ。

そう思い込みながら走ってるんだ。』


そう言えばライガーは首をかしげ、


『右に逸れているのに、逸れてないと思い込むであるか?

...なかなか難しいのである。』


『この首輪思考は読めるらしいが、細かくは分かっていないようだ。

まぁ、そんなにハイテクで有られると逆に困るんだが...』


『フム?

はい、てく?』


『...あー、首輪の能力が素晴らしく良いって言う感じだ。

それよりも思い込めば俺達は何処にでも行けるぞ。

この場所から離れることだって.....』


じわりじわりと痛みがやって来はじめた。

くっ、この場所から離れるに反応したか?

さすがに思い込みだけでは無理か。

しかし、これで痛みを回避することは出来る。

痛みを回避しつつ、この首輪を外す事が出来れば...

ぐぅぅ......外すもダメか。


『大丈夫であるか?

苦しそうであるが......』


『あぁ、大丈夫。

少し要らない事を考えてしまっただけだ。』


「ドドンッ!!!」


うおっ!?

さっきより音が大きいな。

...あー、大分近づいてきているのか。

ただ、サルディノプスは今ので全部居なくなったみたいだな。

音のした方を見れば、雪が舞い上がって柱みたいになっている。

何も遮るものが無いからよく見えるな。


『さっきの近づいてきている気がするのである!?

我らを攻撃してこようとしているのであるか!?』


『落ち着け。

今はまだ此方に気付いてないか、気づいてきても此方に攻撃してこようとしてはいない。

さっきからの音は何かがサルディノプスに追われてて、反撃した音だ。』


『何で分かるのである?』


『俺は気配察知のレベルが高いからな。

1度気配を見た種は大体わかるんだよ。

それで、1匹は何か分からないのがいて、その後ろから4匹のサルディノプスが追いかけているのが分かった。

まぁ今はサルディノプスの気配は無くなっているんだがな。

それだけ分かれば推測はできるだろう?』


『ふむ、そうだったのであるか。

その何か分からないやつは...』


『まて!』


俺は走るのを止める。

ライガーも俺の静止の声で走るのを止め、俺の所まで戻ってくる。


『どうしたのであるか?』


『俺達の進行方向に何かが大量に居る。』


そう、それも様々な気配を感じる。

あれの中を突っ切るのは無理だ。

しかし首輪はその方向に引っ張っていこうとして居る。

避けて行こうか。

大丈夫、さっき考えていた思い込みを使えば、迂回することぐらいできる筈だ。

左はよく分からないのが居るから行くとしたら右だな。


『ライガー、さっき言ってた思い込みで右に避けていこう。

流石に多種多量のよく分からない群れに突っ込むのは無理だ。』


止まっているからか、ビリビリと痛みが走ってきている。

早く出発しないと......


『彼処には行きたくない。

が、早く出発をしないと 痛みが来ているからな......』


『痛みであるか?』


ライガーの疑問の声と同時に足を出す。

なぜ、そこで疑問系なのか...

痛みは来ているだろう?


そういう思いがあったが、足を止めるには至らなかった。

そして、足が地面についた。

瞬間......


「ぐっ!?

......ああぁぁぁぁあぁぁぁぁ!?」


立っていられず、雪の上に倒れる。

ぐっ、何故痛みがぁぁ!

右には行ってはいけないのか?

元々この首輪に設定されている何かに反する事だったのか?


....あぁ、この痛みはダメだ。

内側から切り裂かれていっているかのようなそんな感じがする。

そんな経験はしたことないが何となくあっている気がする。

外側から切りつけられるのは、毛とか守るための皮膚とか元々怪我をすることを想定して作られている。

だからよっぽどの大怪我でない限り、そこまで痛みは感じない。

だが内側はダメだ。

外から守られている前提であるから、痛みに対して何も対策はされていない。

それに加えて、大事な臓器等が多くあるから神経なども多く通っているだろう。

それでこれ程にも痛いのかもしれない。


こんな考え事して、本当はそこまで痛くないんだろう?

とか思うなよ!?

気分を紛らわせてるだけだからな?


痛みが引いた後もビクビクと体が痙攣している。


『ブラン殿!ブラン殿!!

大丈夫であるか!?』


ライガーの声が聞こえる。

ゆっくりと体を起こし、フラフラしながらも何とか立ち上がった。


『......あぁ、何とかな。』


『とても大丈夫そうには見えぬのであるが...』


しょぼんとした顔をし、尻尾がゆらりゆらりと不安そうに揺れている。


『それより、ヴィオラは?

怪我とかしてないか?』


『うむ、ヴィオラ嬢は大丈夫なのである。

倒れたときに少し離れたところに落ちたので、我が急いで回収したのである。

今は我の背の上にいるのである。』


そう言って屈んで背中の上を見せてくれた。

うん、ちゃんと毛の中に埋もれて居るな。

良かった。

しかし、問題は解決していない。

さて、どの様にしてあの多種多量の群れの間を通るべきか。

それかどうにかして迂回できないか...

今の所痛みは来ていない。

首輪に急かされるまでに上手いこと考えが出れば良いが......




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