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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第3章:平穏の終わり
95/132

95話目

土日に授業とか辞めて欲しい......

休みが欲しいー


遅れてすみません。



あれから何日か経った。

日がずっと出ているから実際の所何日経ったのか分からないが、取り敢えず3度寝た。

その間にも経験値を得たというアナウンスが何回かあった。

俺が戦闘もせず、食後休みをしていたとしてもだ。

これについてはさんざん考えたが、全く分からない。

だって俺、戦闘してないし...

なんの経験値だと言うんだ......


あぁ、それと氷が張ってある場所を見つけたけれど、あそこにはまだ行けてない。

探検をする前に食料確保が忙しかったんだ。

ライガーも俺も体がでかいから、それに見合う分食べないと腹が減っていけない。

それに、ここの敵サルディノプスが多いのか、会う敵会う敵サルディノプスだったんだ。

サルディノプスって何だ?って?

サルディノプスは魚だよ。

あの群れてる重圧で瞬殺だった。

......いや、忘れよう、うん。


まぁとにかく、群れてるのはいい。

瞬殺...すぐに狩れるのもいい。

だが、如何せんサルディノプスは小さいのだ。

これでは1日に何百匹と狩らなくては、俺たち3匹を賄うことは出来ない。

まぁ、ヴィオラはそんなに食べないんだけどね?

早く早くと急かしてたのは、食べずに待っていたかららしいし...

足を引っ張ってばかりなのに、私がたらふく食べるのはおかしいとも言ってた。

でも、ちゃんと留守番してもらってるし、魔石の番だってしているんだけどね?

ヴィオラは寒いのが苦手なんだから仕方ないと思うんだ。

そんな事などを言って遠慮せずに済むようにしたけど、まだ申し訳なさそうだった。

あっ、それは全部ライガーが言ったことだから。

俺、外見だけではちょっと表情とか読めません。

だってトカゲだもの。

にっと口角を上げて笑うわけでもなく、目を釣りあげて怒る訳でもない。

あの顔を振るのだって聞かないと分からないしな。

あっそうそう尻尾をゆっくり振るのは警戒してるんだって。

速いのは落ち着かない時らしい。



大分話がそれた。

取り敢えずサルディノプスを大量に狩ったから魔石も凄く集まっている。

ヴィオラもライガーも食べたそうに見ていたが、首輪に止められていた。

サファイアだけでなく、お前らも石を食べたいのか...

魔物だと魔石を食べるのは当たり前。

逆に食べないと腹が余計に減るらしい。

大型の魔物が餌を大量に必要としないのは、魔石からエネルギーを取っているからなのだとか。

そうしないと、大型の魔物がそれなりにいるのに、それら全てが大量の餌を必要とするとこの星のバランスが崩れるわな。

下手したら全滅するんじゃないか?


あ、また話がそれた。

今日までの間に大分この生活に慣れてきた。

まぁ、起きて、狩って食べて休憩して、狩って食べて休憩して、寝る。

みたいな生活しかしてないんだがな。

そして今日も起きて、さぁ狩りに行くかとした時


グググッ......


何かに引っ張られている感触がした。

首輪の部分がある一方に向かってひっぱられているのだ。

ヴィオラもライガーも何か感じたようで、首をかしげている。


『これはなんであるか?

引っ張られている感じがするのである。

何か気に入らない、嫌なのであ...「ガルゥッ!?」


ライガーが引っ張られている方とは反対の方に後ずさった。

するとビクッと体を跳ねさせ、力なく地に伏せる。

なっ、大丈夫か!?


『ぐぅー......

少し逆に動いただけであるのにこれは酷いのである。』


ふむ、これはこの首輪が引っ張っている方に行かないと行けないということだろうか。


『首輪に引っ張られている方に行かないと、その痛みを味わうことになるみたいだな。

すぐに皆で移動しよう。

ヴィオラに背に乗るように言ってくれないか?』


『分かったのである。

これは懲り懲りなのである。

そのように伝えるのである。』


俺はヴィオラが乗りやすいように伏せておく。

ライガーが伝え終わったのか、ヴィオラが近づいてきて、背に乗り毛皮の所に潜り込んだ。

よし、それではどこに引っ張って行かされるのか分からないが行くか。

反転し、出口に向かう。


『ちょっ....そっちは......』


ん?

何か言ったか?

外に出てからライガーにもう一度聞いてみようか。


外に出て空を見上げる。

んー、眩しい。

こんなにずっと太陽が当たっているというのに、全く雪は溶けないな。

それはいいとして、あれ?

ライガーが出てこないな。

何してるんだ?

早く行かなければ、なんか引く力が強くなってきている気がするんだが......

戻って見てみれば伏せた格好のままじっとしている。

本当に何をしてるんだ?


『あっ....大丈夫だったであるか?』


『ん?

何がだ?』


『いや、出口は引っ張ってる方と逆であるから、あの痛みが来なかったのかと......』


...ん?

あっ、そうだな。

ライガーは少し後退しただけで痛みが襲ったようであるのに、俺はがっつり動いても何ともなかったな。

なんでたろう?


『俺は何ともなかったな。

と言うか、痛みのこと考えるの忘れてた。』


『......そうなのであるか?

我はこの痛みを忘れるのは無理である。

もう喰らいたくないのである......』


そう言えば、ヴィオラは大丈夫だったのだろうか?

まぁ機嫌よく俺で暖を取っているから何ともなかったようだが...


『だが、早く行かなきゃそれはそれで痛みを食らうことになるぞ?

元に何か引が強くなっている気がするし...』


『そうであるよな。

さっきからチクチクと身体中を針で刺されているような痛みが出てきているのである。

...どうか、素直に行くので痛みが来ないで欲しいのである。』


すくっと立ち上がり、恐る恐る前足を前に出す。


『いっ.............たくないのである?』


『おぉ、良かったじゃないか。

これで行けるな。

早く行こう。』


どうやら願いは通じたのか、痛みが来なかったらしい。

今ので1つ思ったのはこの首輪は俺らの意志を読み取り、この首輪の命令に背くような事を考えると、痛みが走るのではないかと思う。

ライガーが痛みを感じる前に、嫌だとか気に入らないと考えたから反逆の意思と見なされ、痛みが発生したんじゃないか?

俺は行こうと命令通りに考えていたから大丈夫だったと...



まぁ、何はともあれライガーも外に出ることが出来た。

そして首輪が引っ張っていく方へと進んでいく。

グイグイと引っ張られるため少し早足だ。

さて、これはどこに連れて行かされるのだろうな?


俺達は首輪に導かれ、ひたすら駆けて行った。




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