88話目
申し訳ありません。
間に合いませんでした。
最近急激に冷えて、少し体調を崩したもので...
皆様も体調には気を付けてください。
魔物に出会う前に、1つ問題が発生した。
ヴィオラの事なんだが、トカゲだからか寒いところが苦手なようだ。
俺の毛に埋もれていてもこの寒さでは焼け石に水な用で、ヴィオラがずっと震えている。
何とかしないといけないとは思うのだが、ここは何処も彼処も雪に覆われている。
あいつらが去っていった方に行けば、この寒さから逃れられるのかもしれないが首輪が邪魔をする。
あいつらの命令はここで魔石を集めること。
ここから離れようと思うだけで、体がじわじわと痛み出す。
どうにか寒さが防げる場所があればいいんだが......
まぁ、こんな所には無いだろう。
後は雪まみれな為穴を掘って、周りから冷たい風が来るのを防ぐか...
火も欲しいなぁ。
燃やすものもないけど。
いや、待てよ?
火をどうにかするとして、燃やすものなら魔物を狩って毛皮とか要らない部分を焼けばいけるか?
いや、その前に毛皮で暖を取れるな。
ここにどんな魔物がいるのか知らないけど...
暖かそうな魔物がいればいいなぁ。
よし、取り敢えず穴を掘るか。
そして、ここを拠点にしよう。
俺は穴を掘っていく。
雪だから簡単に掘れるだろうと思っていたが、奥に行けば行くほどに圧力が掛かって固められているらしく、掘りにくい!
硬いし、重い!
後、足が冷たい!
立っている時から冷たいなとは思っていたけど、掘り始めると足の毛皮の隙間に雪が入って来て、足の感覚が無くなる。
『寒さ耐性Lv1を得ました。』
『穴掘りLv3になりました。』
あー、寒さ耐性はいいと思うよ。
うん。
でも、もう感覚ないからワカンナインダヨネー
穴掘り...そういや持ってたね。
前も住処を作ろうと思って掘ったもんね。
よし、再開!
...ふむ、これでとりあえずいいんじゃないかな?
地面を斜めに3mほど掘って、その先に俺が入れるくらいの空間を作った。
後、魔石を貯める場所と魔物の死骸を入れておくところも小さく掘ってみた。
風が来なくなって、寒さがやわらいだ気がする。
まだ毛皮が無いから寒いかもだけど、ここでヴィオラに待っていてもらおう。
俺は魔物を狩って魔石を集める役。
ヴィオラはこの場所と貯める魔石を守ってもらう役。
魔石を集めるために守るのだから、首輪も痛くしてこないはず......
しないよね?
うん、大丈夫そう。
ヴィオラを降ろし、外に向かう。
ヴィオラは震えながら静かにこちらを見つめている。
大丈夫、ちゃんと戻ってくるさ。
火も見つけられたらいいんだけどな。
外に出て、当たりをぐるりと見回す。
あっちは奴らが帰って行った方。
こっちは遠くに山。
後は何も無い。
うーむ、ここまで帰ってこれるかな?
目印になりそうなものが無いから迷子になりそうだ。
まぁ近場からウロウロするか。
気配察知を使いながら歩いて行く。
少し歩くと前方から5匹程何かが近づいてきている。
いきなり集団である事も嫌であるのに、更に厄介なことに上空から来ている。
何処かに隠れられればいいのだが、そんな場所はない。
仕方がない。
逃げることを第一に考えつつ、姿とステータス位は見てやる。
ステータスを見て勝てそうなら逃げなくていいしね。
身構え、気配のする方へ目を凝らす。
すると見えたのは、ヒラリヒラリと優雅に舞う白い影。
胸びれで舵を取り、身をくねらせて進んでいる。
全長は30cm位か。
見た感じ...普通の魚だな。
魚が飛ぶとは思わなかった。
鑑定。
。。。。。。。。。。。。。。。
[]
種族:サルディノプス
Lv2/35 状態:健康
HP 52 MP 76
力 13
防御 7
魔力 104
俊敏 66
ランクD
[通常スキル]
泡Lv2 冷たい風Lv2
雹Lv4
[特殊スキル]
空中遊泳Lv5 群れLv2
[称号]
。。。。。。。。。。。。。。。
『サルディノプス:体全体が白く細長い魚。
群れで行動し、上空から遠距離攻撃を多くする。』
ふむ、後の4匹も同じような感じか....
上空というのが少し厄介だが、何とかなるか?
カマイタチが当たればいいが...
構え、カマイタチを放つ。
5匹がバラバラにバラけて避けられる。
「コオオオォォォォォ」
「「「「コオオオォォォォォ」」」」
口を開け、風が俺に襲いかかる。
寒っ!!
寒い寒い!!
これが冷たい風か。
体の末端が冷えて感覚が無くなる。
それに動きも鈍くなっている気がする。
「コオオッ」
「「「「コオオッ」」」」
今度は直径4cmの氷の塊が沢山降ってくる。
いや、待って待って。
これは避けれないって!
そんな大量に降らしたら無理だって!!
カマイタチを雹にぶつけ何とか凌ぐ。
だが、如何せん数が多い。
致命傷になりそうなのは避けたが、多くかすり傷が出来た。
いててっ。
......くそぅっ。
上からとかずるいぞ。
同じランクなのに一方的過ぎないか。
5匹居るのもいただけない。
1匹が何かをするとほかの4匹もそれに続くからな。
まぁ何はともあれ、こいつらをどう倒すかだよな。
カマイタチを使っても避けられるし、空に居るから俺が飛ばない限り噛みつきも、引っ掻きも届かない。
いや、待てよ?
重圧が使えるのでは?
圧をかけて地面に下ろしてきたところを噛み付きなり、引っ掻きなり近距離攻撃をすればいいのでは?
...ふむ。
取り敢えず実践。
重圧!
「「「「「コオッ!?」」」」」
うむ、相変わらず息ぴったりだな。
魚が上空から勢いよく落ちてくる。
ビターンっと地面に勢いよく叩きつけられ、小刻みに痙攣し、動かなくなった。
『経験値を966得ました。』
『知性Lv_により経験値を805得ました。』
『ブランのレベルが2上がりました。』
『重圧Lv3になりました。』
.....。
よし、この魚達を1度住処まで持って帰るか。
現実逃避するなって?
いや、だってこんなことになると思わなかったんだ。
確かに高い所から結構な速さで落ちたよ?
それにこいつら魔法を使うのが得意で、防御力が低いし、体力も特別多い訳でもない。
だからこうなるのも状況的には有り得たのかもしれない。
でもなー、なんか呆気なさすぎて...
それに結構経験値が良いと来た。
レベルも27になったし...
まぁもうやってしまったものは仕方ない。
また同じヤツらが来たら、同じ事をするだろうけど...
だって楽だし、他の倒し方思いつかないし......
取り敢えず魚5匹を纏めて咥える。
ヴィオラ、大丈夫かな?
こいつら魚だからこれで暖は取れないな。
早急に暖かくなれそうなものを狩らなければ...
そんな事を思いながら帰路についた。
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