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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第3章:平穏の終わり
87/132

87話目

最近台風多いですね。

低気圧だからかすごく眠たくなるんですよねぇ。




ガラガラガラガラ


ガタンッ


ガラガラガラガラ


ガタンッガタンッ


......うっ、なんだ?

移動している?

ここは何処だ?

あたりが暗くて何もみえな...痛っ!?

後頭部がズキズキと痛む。

あぁ、そうだ。

俺誰かに殴られて気を失ったんだったか。

と言うか、最後の言葉.........

あれはギルベルトだったんじゃないか?

何故、こんな事を...

そうだ、サファイアとヴィオラは?

無事なのだろうか?


暗い為、手探りで辺りを探ってみる。

うーん、これは箱か何かに入れられてるのか?

結構狭い。

立てば頭打ちそうだし、地面に腹をつけたままのこの体勢でいるしかないな。

俺以外にこの箱の中に誰もいないし...

はぁ...

頭も地面に降ろす。


カツンッ


ん?

何か首元に付いてる?

鑑定して調べようにも見えないな。

だが、この首についてる感じで何かは大体わかる。

...これ、首輪だ。


ガタンッ!!


うおっ!?

急に動かなくなったな。

何処かに着いたのだろうか?

と言うか、なんかちょっと寒い。


「おら、早く降ろせ。

さっさとして帰るぞ。

こんな所に長いとこいたくないからな。」


ん?

声が聞こえる。

うわっと!

急な浮遊感と共にグラグラと揺れる。

うーむ、すごく不安定だ。

痛っ!?

くっ、もう少し丁寧に扱えよな。

そうして、箱が地面に降ろされたのか揺れが納まった。

俺の前にある壁が上にスライドして開けられる。

さっきまで真っ暗だったこともあって、急に光を感じて視界がホワイトアウトした。

それと共にひんやりとした空気が箱の中に入ってくる。

なんか、冷凍庫を開けた時みたいだ。

寒さに体をぶるっと震わせ、目をシパシパさせながら箱の中から出る。

戻りつつある視覚で見たものは、辺り一面が銀世界になったかのような場所だった。


...えっ、どこ、これ?

凸凹もなく、真っ平らな白色である。

遠くにこれまた白い山のようなものは見えるが...

足元を見れば、俺の体重で少しへこんでいる。

足を上げ、撫でるように地面を触れば、その凹みも無くなった。

おぉ、これ凄くサラサラの雪だ。

軽い軽い。

ばすっと横に殴れば、ブワッと地面に落ちていた雪が舞う。


「おら、全員集まれや。」


ん?

声の方を振り向けば様々な魔物達に囲まれて人間が3人いる。

うーん、なんか真ん中のやつ見たことがあるような?


「おいおい、こいつらに人の言葉は分からねぇよ。

言う事聞かすにゃこれを使わないとなぁ。」


そう言って、手に鈍く光る輪を持っている。

あれは?

俺についてるやつと同じか?

取り敢えず、鑑定。


。。。。。。。。。。。。。。。

全所有鎖輪(オ前ノ物モ俺ノ物)

この首輪を付けられた物は、登録された者の命令を聞かずには居られなくなる。

契約を別にしていたとしても、この首輪を付けられると先の契約は無効になる。

ただ、この首輪はランクB程度までしか縛ることが出来ない。

。。。。。。。。。。。。。。。


なっ!

命令を聞かずにはいられなくなる?

という事は、あいつら3人の言うことを聞かないといけないということか?

それに、クラウドとの関係が無効?

そんな......


「ガアオォォォォオオォォ!!」


あっ、虎みたいな魔物が3人のうちの1人に飛びかかった。

あいつも、誰かの使役獣だったのかな。

口を大きく開け、噛み付こうとした...が。


「グガアアァァァァァッ!?」


地面に落ち、のたうち回る。

なっ、なんだ?


「俺らを襲うとこうなるからな。

更に、お前達には仕事をしてもらう。

それをしなくても今のようになるからな。

覚えとけ。」


「それじゃ、仕事の内容だ。

お前らには魔物を狩ってもらう。

そして、魔石を持ってくるんだ。

分かったな。

まぁ、分からなくても首輪が言うことを聞かすんだがな。

さぁ、早く行け!」


そう男達が言うと少し経つ事に体がビリビリとし出す。

これが、言うことを聞かない代償か。

これからずっとこの男達の言うことを聞き、魔石を集めなくてはいけないのか。

そこで誰かに足を触られた。

なんだ?

足元を見れば、オレンジ色のトゲトゲしたトカゲが...

ヴィオラか!

生きてたのか。

良かった。

無事みたいだし...

だが、一緒に捕まってしまったんだな。

そう言えばサファイアはいなさそうだな。

逃げられたのだろうか?


「おい、お前の主人は大嘘つきだな。」


ん?

見れば真ん中にいた男が此方に歩いてきた。


「なにが、テイムした魔物だ?

あの鳥は召喚獣だろう?

せっかく捕まえたというのに、消えやがった。」


なぜ、それをこの男が知っている?

テイムした魔物であると言ったのはギルベルトとメイルだけ...

まさか、ギルベルトがその事もこの男達に言ったのか?

そして俺達を捕まえ、こき使おうとずっと思ってたって言うことか!?


「ふん、犬っころ。

俺は犬が大嫌いなんだ。

ギルドで殴れなかった分と今回の誤算の憂さ晴らしに殴られろ。

誤算を産んだのはお前の主人が嘘をついていたからだ。

恨むなら主人を恨むことだなぁ!」


ギルド?

男が拳を振り上げる。

疑問を感じてしまった為、反応が少し遅れた。

だが、こんな奴に殴られてたまるか。

少し無理矢理に体を捻じる。


「くっ、避けんじゃねぇ!!」


再度振られる拳。

先程無理に避けた為、これは避けられない。

痛みが来るのを考え、反射的に目を瞑る。

が、痛みが来ない?


「おい!

何故また止める!!

ギルドの時だって止めるのが早すぎるんだよ。」


「...それは無駄なことだ。

俺達はひとつでも多く魔石が必要だ。

こいつはランクの割に強い。

魔石だって多く持ち帰るだろう。

それに怪我を負わせると魔石の量が少なくなることくらいお前でもわかるはずだが?」


目を開けてみれば3人のうち、一言も話さなかったフードの男が俺を殴ろうとしていた男の腕をつかみ、殴るのを止めていた。

なんか、この光景ギルドでもあったな。

ギルベルトがこの男の腕を掴んで......って、あの時の男か!

今頃気づいた...

って言うと、あの時も早すぎるとこのフードの男に言うという事はこのフード男はギルベルト。

そうか、あの時からもうこいつらとグルだったんだな。


「チィっ!

お前、俺らの仲間だろうが。

いちいちこまけぇんだよ!」


そう言って、ギルベルトが掴んでいる腕を振るい、拘束から逃れる。


「細かくはない。

俺は一番いい方法を言っているだけだ。

それにお前この首輪を運んできた奴を殺しただろ。

何故そのようなことを...」


「はん!

それこそ、お前の言う一番いいようにしたまでよ。

坑道内での殺害。

誰も見ていなけりゃ魔物が襲ったのか、人が襲ったのか分かりゃしねぇ。

まぁ、ガキを1匹逃がしちまったけどな。

あんなひ弱そうな奴隷のガキは魔物に食われて今頃くたばってるさ。」


坑道内で受け渡しをしていた?

ガキを1匹逃がした?

これってもしや、リーシアのことじゃ...


「どうでもいいだろ。

殴るのも気分が無くなったし、こんな所に長時間居たくねぇからな。

さっさとずらかるぞ。

お前らも死ぬ気で魔石を集めろよ。

一週間後また来るからな。」


そう言って、男は荷馬車のようなものの方に歩いていった。

ギルベルトも少し此方を見、そのまま男に付いて行った。


あいつらの言うことを聞くのは嫌だが、今もじわじわと体を痛みが蝕んでいく。

取り敢えず行動しないと、考え事はその時にするか。

俺は足元に居るヴィオラに何とか伝え背中に乗って貰い、真っ白な銀世界を歩いて行った。




ブックマーク100件になりました!

皆様ありがとうございます。

これからも頑張って投稿していきたいと思いますので、応援お願いします。

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