8話目
2話投稿します。
あれから、1日経った。
特に体に異変はないので大丈夫なのではないかな
と思うことにした。
で、何故俺だけが種族が違うのかと言うと
突然変異で、毛の色が真っ黒に産まれてきたらしい。
ただただ、それだけだった。
なんだか嬉しいような、悲しいような...
獲物はあれから魔物にはなっていない。
ウサギとかネズミばかりだ。
傷が酷いからか父親は少しも動かない。
そのため母親が一生懸命獲物を運んでくる。
自分が食べる分も持ってきているのか
徐々に痩せてきているような気がする...
しかし、それでも食べ盛りの俺達には足りていない。
いつも空きっ腹を抱えている。
そのため、兄弟達はイライラしてきているようだ。
前まで獲物は、大まかに同じくらいの量を食べあっていた。
だが、量が少なくなり満足に食べられなくなったため、取り合いが起こるようになった。
よって、産まれながらに力が弱いもの
ひっこみじあんなもの
遠慮するものなどが食べられなくなった。
ちなみに、俺はひっこみじあんだ。
想像してみて欲しい。
自分と同じ大きさの狼に威嚇されることを...
日本でのほほんと生きていた俺には
刺激が強すぎる。
だから、獲物を狩るときに食い千切りそれを食べることしかできなくなった。
それか、強い3匹が食べ終わった後の骨か
それにごくわずかにくっついている肉片だけだ。
狩りに参加できているのは
まだ、楽々狩るということはできないので
大丈夫なようだ。
というか、腹が減らないよう動かなかったら
逆に怒られた。
そんなこんなで、悪いことばかりだけど
1つ良いことはあった。
食い千切って食べていたからか
『食い千切りLv1』を得ることができた。
それを得てから、少し食い千切るのが楽になった...気がする。
それでも、腹は空いてるわけで...
鑑定で説明を見、毒などない木の実やきのこ、草などを食べてしのいでいる。
いつまでこの生活は続くのだろうか...
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに2日経った。
父親はピクリとも動かない。
母親もなかなか帰ってこない。
もう、1日も帰ってきていない。
どうしたのだろうか...
ふと、目の端に動くものが見えた。
なにかと振り向くと、
力の弱い子が父親のところに寄っていっていた。
そして、クゥンクゥン鳴いて甘えている。
それでも父親は動かない。
それもそうだろう、昨日鑑定してみると、
。。。。。。。。。。。。。。。
[]
種族:狼
Lv3/5
HP0(8)MP1
。。。。。。。。。。。。。。。
こうなっていた...
全く動かないと思っていたら死んでいたのだ。
数ヶ月しか、一緒に居なかったので
特に悲しいとは思わなかった。
全くなにも思わないということではないが...
「ギャンッ!!」
急に悲鳴が聞こえた。
悲鳴のした方を見ると一番力の強い者が
遠慮する者の首に噛みついている。
遠慮する者は尻尾を股の下に持っていき
抵抗をせず降参の意を示している。
それを確認した一番力の強い者は
乱暴に離し、命令するかのように一声吠えた。
すると、2番目に強い者が俺に
3番目に強い者が力の弱い者へと駆けてくる。
俺はその時嫌な予感がした。
向かってくるやつの目は獲物を狩るときの目をしている。
先程のように服従させられるか、
それに逆らうともっと悪いことが起きそうな
そんな予感がする。
だから、俺は逃げることにした。