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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第2章:鉱山都市マクダンタ
77/133

77話目



ギルベルトに剣を届けるため、今まで使っていなかった追い風というスキルを使って駆ける。

転びそうになるのを何度も堪えつつ、ひたすらに駆ける。

まだワイバーンはこちらを気にしていない。

これなら大剣に届く!

口を開け、大剣の柄の部分に噛み付く。

...ぐっ、ふっ!

スピードが乗ったまま噛み付いたせいで、運動エネルギーが全て口に来た。

歯が痛い......


「グオォォオ!」


ワイバーンが体を揺すり俺を落とそうとする。

流石に今の衝撃で俺に気づいたようだ。

ぐぬぬぬっ!

落とされてたまるか!

この剣を抜かなければ!!

何とか体勢を整え、足をワイバーンの体に置く。

体が地面と平行になっているが、爪を鱗の隙間に引っ掛け何とか踏ん張る。


顔を大きく左に振る。

抜けろ!

...が、剣は少しも動かない。


ぐ、この、ぬ、け、ろ、よ!


グイグイと引っ張る引っ張る。


「ギャァアアァァ!!」


...ん?

ワイバーンが更に暴れている。

翼の先の爪で引っ掻こうとしてくるが、丁度翼の下であるので届かない。

俺に気を取られている間に、ギルベルトに更に切り付けられている。

......これ、このままでも倒せるんじゃないか?

そう思った瞬間、ズブリと何かが突き刺さるような音が聞こえた。

そして、俺の体が引っ張られる。


ドスンッ!!

ザザザザーーーーッ


ガランガランと目の前に大剣が落ちる。

どうやら抜けたようだ。

これをギルベルトに渡さなければ......

起き上がり、歩きだそうとするが後ろ足が動かない。

と言うか、感覚がない?

見れば、後ろ足はちゃんとある。

...が、太ももに当たる部分と背中の上の方に大きな穴が空いている。

そこから止めどなく血が溢れてきている。

下半身は既に血濡れである。


1つ感覚が戻ってきた。

足先が凄く冷たい。

これは血を流しすぎているからだろう。

何故か痛みは全く感じてない。


どうしてこうなったのか少し考える。

ワイバーンが噛み付き、俺を放り投げたか...

ギルベルトから大きく視線を逸らさないといけないと言うのに、それでも噛み付いて俺を排除したかったのか。

しかし、その代償は大きかったようだ。

ワイバーンが首元から俺の足から出てる血とは比較にならない程、大量に血を流している。


もう、これだと早くに終わるな。

頭に血が行ってないのか頭をフラフラさせているし......

折角剣を抜いたのに余り意味がなかったな。


俺も血を出しすぎてるようで、体がだるい。

前足を揃え、それの上に顎を置く。

あぁ、疲れた......

眠い......

まだ、ワイバーンを倒せているわけでないので、寝るわけにはいかない。

だが、凄く眠い。

どうせ、このままギルベルトが倒してくれるだろう。

俺はこんな状態だし、もう流石に何も出来ない。

そうであるならば、少しくらい寝ていてもいいのでは?

そう...だな......

少しくらいなら.........

瞼がゆっくり降りてくる。


背中に少しの重みを感じた。

その重みはほんのり暖かい。


サファイアか?

やっぱり居たんだな...

すまないが、俺は...今無性に......眠い...

また、......おきて.........から.............





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





『経験値を656得ました。』

『知性Lv._により経験値を546得ました。』

『ブランのレベルが2上がりました。』

『カマイタチLv3になりました。』

『疾駆Lv2になりました。』

『回避Lv5になりました。』

『九死に一生Lv_を得ました。』

『称号:下克上を得ました。』





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





目を開ける。

大きな欠伸を1つし、何度か瞬きをする。

んー?

何故地面で寝てるんだ?

何時もなら宿の床の上......あっ!ワイバーンは?!


辺りをキョロキョロとみまわす。

...いた!

操り人形の糸が切れたみたいな格好をしてる。

...倒せたってことでいいんだよな?


「おー、ブラン目が覚めたか。」


ギルベルトが此方に歩いてきつつそう言った。

ギルベルトはパッと見、元気そうである。


クラウドやリーシア、クプレにサファイアは?

クラウドとリーシアは俺にもたれ掛かるようにして眠っていた。

クプレは少し離れたところで足を折って座り、眠っている。

...サファイアは?


「クラウドはお前の事が心配で、必死に回復をしていたぞ。

今はそれの反動で眠っているがな。

お前が血塗れで、深く眠りこけてるもんだから死んでしまったのかと思ったみたいだな。

......まぁ、仲間が1人欠けてしまっているからな.........

俺が最初にヘマをしなければ......」


最後の方は小さい声で何かを言っていた。


「俺はワイバーンを解体してくるから、もう少し休んでいてくれ。」


ふむ。

動こうにもクラウドとリーシアが寝ているからな。

俺の為に頑張って、疲れて眠っているのを邪魔したくはない。

しかし、何もすることがない。

休んでいろと言われたけれども、もう目は覚めて寝ようとは思わないしな......

うーむ、何か暇つぶしの物は無いかな?

......あ、ワイバーンを倒してるんだからレベルが上がってるかも?

ステータスを見てみるか。


。。。。。。。。。。。。。。。

ブラン

種族:ゲイルウルフ

Lv16/30 状態:健康

HP 216 MP 134

力 107

防御 81

魔力 93

俊敏 196


[通常スキル]

噛み付くLv5 引っ掻くLv4

食い千切るLv2 暗闇Lv2

重圧Lv2 気配察知Lv5

気配消去Lv3 穴掘りLv2

なぎ払いLv1 カマイタチLv3

追い風Lv1


[特殊スキル]

知性Lv_ 鑑定Lv8

飢餓耐性Lv1 麻痺耐性Lv2

斬撃耐性Lv1 刺突耐性Lv1

ウィンダー言語Lv3 回避Lv5

疾駆Lv2 九死に一生Lv_


。。。。。。。。。。。。。。。


ほー、レベルも順調に上がってるな。

だが、何かステータスが魔法寄りで上がってきてる気がするな。

俊敏は相変わらず、他のステータスを置き去りにして行ってるし......

まぁ、疾駆があるしな。

それのせいでも上がっているのだろう。

何気にLv2になってるし...


さて、スキルだよ。

何、九死に一生Lv_って.......

レベル表記が無いんだけど?

知性でしか見たことなかったが、他のスキルにもあるんだな。

ちと詳細を...


。。。。。。。。。。。。。。。

九死に一生:何度も危険に合いながらも、辛うじて生きている。このスキルを持っているものは1日に1度だけ、致死ダメージを無効化する。パッシブスキルである。

。。。。。。。。。。。。。。。


...んー?

何度も危険に合いながらも?

まぁ、1日に1回だけ死を回避することが出来るスキルっていうのは分かった。

それもHPが1になるじゃなくて、ダメージそのものを無効化とは...


「...う...うーん。」


クラウドが顔に手を当て起き上がった。

もう大丈夫なのか?


「頭が......痛い......」


小さくそう呟くクラウド。

あれか?

魔力酔いで、頭が痛いのだろうか?

クラウドにそっと頭をすり寄せる。


ジャリジャリ


ん?腹の下に何かある?


「.あっ、ブラン元気になったんだね!

......イタタ。」


大きめの声を出して、ばっと頭を上げたことにより、また頭が痛くなったようだ。


んー、この腹の下にあるの何だろう?

今までは何とも思わなかったが、注意を向けた為違和感が......

ここから動いて見てみたいが、リーシアはまだ寝ているしな......

どうしよう.........




ブックマークと評価ありがとうございますm(_ _)m

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