71話目
申し訳ありません。
また遅れました。
次回こそは0時に投稿できるよう頑張ります。
ギルベルトが解体し終わり、更に進んでいく。
サルティサイダ・アウラネの証明部位として牙、後は脚と大きい目が売れるらしい。
脚と目共に何に使うのやら......
聞けば錬金術や調薬に使うらしい。
......なんか大きな鍋でそれらを煮込んでいる婆さんが出てきた。
ヒヒヒっていう笑い声付きで......
頭を振ってその空想をかき消す。
暫く歩いていると
「お!運が良かったみたいだな。
もう階段が見えてるぞ。」
先行しているギルベルトがそう言っているので、前方に目を凝らして見ると、たしかに階段らしきものが見える。
もう地下9階か......
一体この鉱山は何階まであるのやら。
キリのいい10階までだろうか?
そう言えば、こういう感じの所ってゲームではダンジョンとか言うんだっけ?
それで、キリのいいところでボ......ありゃ、また敵が来たよ。
『クラウド、後ろから魔物が1匹来てる。
遅いからクモではないと思う。』
「分かった。
ギルベルトさん、後ろからアンフィスバエナと思われる敵が来てます。」
「......もう少しで階段ってとこで敵かよ。
了解だ。
俺が後ろで敵を迎え撃つから、その間は前方に気をつけておいてくれ。」
「分かりました。
ブランは僕と一緒に前の警戒をしていよう。」
そう言って、サファイアを撫で
『クプレはギルベルトさんの補佐をお願いね。
いつもみたいに茨で足止めがいいと思うよ。』
クプレがギルベルトの左斜め後ろに控える。
「お。
また茨で足止めしてくれるのか?
ありがとうよ。
......お出ましだ。」
ずりずりと移動しているアンフィスバエナが見えた。
ギルベルトは大剣を構え、クプレは真っ直ぐ前を見ている。
...あ、やばい。
階段があった方からも敵が近づいてきてる!
『クラウド、こっちからも魔物が来てるぞ!
こっちはクモだ!』
クラウドは少し目を見開き、すぐさまギルベルトの方を向く。
「ギルベルトさん!
こちらにもサルティサイダ・アウラネが来てるみたいです。
だから、できるだけ足止めしてみます!」
「おう!
こいつ倒したらすぐ行く!!」
そう言ってギルベルトはアンフィスバエナに向かって走っていく。
クプレも茨を生やし、動きを封じようとしている。
「ブラン、頑張ろう!」
「ガウッ!!」
俺らもクモが来てる方を見据える。
んー、近づかれるとクラウドはあの速度を避けられないだろう。
そうすると出来るだけ近づかれるのは嫌だな。
見えたらすぐ攻撃だな。
...もう少し、もう少し............見えた!!
カマイタチ!
風の刃がクモへめがけて飛んでいく。
クモはこの距離から攻撃されるとは思ってなかったのか、一瞬動きが止まった。
しかし、すぐさま回避行動をとる。
だが、間に合わない。
全弾とまでは行かないが、ほぼほぼの風の刃が当たった。
「ギジジッ」
体に多くの切り傷を付け、天井に張り付き止まる。
よし、止まっている今がチャンス!!
久しぶりだが...重圧!
クモの脚が天井から離れ、体の向きが逆さまのまま地面に墜落。
体重と圧力によりそれなりのスピードで落ちた。
......痛そうだ。
『経験値を240得ました。』
『知性Lv_により経験値を200得ました。』
ん?今ので倒せた?
まじか。
重圧を解く。
『何か、呆気なく俺達だけでも倒せたな。』
クラウドの方をみる。
「ブラン危ない!」
え?
足に焼け付くような痛みを感じた。
咄嗟に動こうとしたが、何故か動きにくい。
「彼のものを打ち払え、ウォーターウィップ!」
水のムチが俺の足に付いてたものを打ち払う。
しかし、事前に自分から飛んでいたのかすぐさま体制を整え立ち上がる。
なぜ?
さっき経験値が入ったのになんでクモは動いてる?
噛まれた箇所をみる。
右前足の付け根の辺りから血が滴っている。
右前足に感覚はない。
というか、体全体が痺れてるような......あ!
麻痺の牙か!
くそっ!
あの一瞬でそんなことまでしてきたのか。
それに近づいているからクラウド達に危険が!
取り敢えずクラウドの前に立つ。
クラウドもリーシアを後ろに隠した。
だが、これでは満足に動けないから守れるかどうか......
クモが壁を走る。
そちら側へ俺も移動する。
カマイタチで攻撃するが、掠らせつつ避けられる。
こちらに向かって飛んできた。
爪では引っかくことは出来ないから、噛み付いてやる!
俺の目の前の地面に降り立つ。
口を開け噛み付く。
寸前に横に飛び、俺の後ろへ......
あいつ!クラウドを狙いやがった!
くっそ、追いつけ!
クモがクラウドに向けて飛び、口を開ける。
クラウドはリーシアを庇おうとリーシアに覆い被さる。
間に合わない!!
牙がクラウドに刺さる
...という所で銀色のものが閃き、クモを真っ二つにした。
『経験値を282得ました。』
『知性Lv_により経験値を235得ました。』
『麻痺耐性Lv2になりました。』
経験値が入ったな。
最初のは何だったんだ?
「危なかったな。
怪我はないか?」
ギルベルトが大剣を背負いながらそう言う。
...あ、ギルベルト達の方のか!
「....あっ、ありがとうございました。
僕は大丈夫です。
...ブラン、足大丈夫!?」
クラウドがこちらに走ってくる。
そして、足を見て
「...うわっ、血が.........
彼の者を癒せ、キュアー」
じんわりと優しい温かさが足を覆う。
痛みも、緩やかに引いていく。
「はぁっ、はぁっ.........ごめん、これ以上は出来ないや。」
そう言ってクラウドが座り込む。
『いや、大丈夫だ。
ありがとう。
クラウド大丈夫か?』
「うん。
ちょっと、魔力を使いすぎて疲れただけだから大丈夫だよ。」
「大丈夫か?
魔力切れが近いのか。
次の階に行く前にここで一旦休憩をしよう。
俺が警戒しておくから、ゆっくり休め。」
ギルベルトがこちらに来てそう言った。
「すいません。」
「いいってことよ。」
ギルベルトはそう言い、辺りを警戒しだした。
『クラウド、すまない。
俺が油断したばかりに、クラウドを危険に晒した。』
「大丈夫だよ。
僕こそごめんね。
僕が強ければ攻撃をすることが出来たし、ブランの怪我だって完全に治すことが出来るのに...」
俺はこういう時なんて言えばいいのだろうか。
上手い言葉が見つからない。
クラウドの隣に座り、体をすり寄せる。
クラウドが体を撫でてくれた。
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