70話目
すいません。
大分遅れました。
あれから3回休んだ。
3回?
3日じゃないのかって?
こんな日の届かない所であるから、今何日経っているかなんて分かるわけがない。
体感時間でと言っても、張り詰めたまま進んでいるから、どれくらい立っているのかも分からない。
時計も持ってないしな。
こういう時は時計が欲しいなと思うが、前にクラウドが時計は高いと言ってたっけ?
鐘も鳴っていて大体の時間は分かるからいらないんだったっけ?
...まぁ、とりあえず3回休んでいるけれど3日も経っていない気がする。
今は地下8階に入って少し経ったくらいである。
魔物は.........おっと。
『クラウド、前から1匹速い速度でこちらに近づいてきているぞ。』
「分かった。
じゃー何時ものお願い。
ギルベルトさんクモが1匹、前から向かってくるそうです。」
「了解だ。
ブラン、1発かましてやれ。」
言われずとも!
体の周りに風の刃を作っていく。
ヒュンヒュンヒュンッ!!
もうそろそろ姿が見えるはず......来た。
壁を縦横無尽に飛び跳ねて移動してきている。
脚は短めで太く、目は目立つものが4つ。
特に真ん中の2つの目は大きい。
......ハエトリグモかな?
やっぱり。
取り敢えず、もう一度鑑定しておくか。
。。。。。。。。。。。。。。。
[]
種族:サルティサイダ・アウラネ
Lv9/50 状態:健康
HP 115 MP 49
力 191
防御 70
魔力 25
俊敏 132
ランクC-
[通常スキル]
噛み付きLv4 体当たりLv2
麻痺の牙Lv3
[特殊スキル]
熱感知Lv2
。。。。。。。。。。。。。。。
ふむ。
やはり地下に行けば行くほど敵は強くなっているようだな。
最初はLv2だったものな。
奴は縦横無尽に飛び跳ねることで予測の付きにくいようにしている。
さらにスピードが速いときた。
あれでは中々攻撃が当たらない。
最初ギルベルトの攻撃もクプレの拘束も当たらずに焦ったもんだ。
よし、もうそろそろかな。
カマイタチ!
体の周りにあった風の刃がどんどん飛来して行く。
「キッシャーーー!!!!」
サルティサイダ・アウラネ......面倒だ。
クモにしとこう。
クモはちょうど跳躍しており、体は空中にある。
風の刃であるから見えないはずなんだが、何かを感じたのか身をよじり回避しようとする。
だが、所詮は空中。
これではどう頑張っても逃げられまい。
まぁ、それを見越してやってるんだけどな。
ズパスパズパッズパン!!
「ギジャ〜〜〜っ!!?」
風の刃の一つ一つのダメージはそこまで大きいものでは無い。
しかし、カマイタチの利点はその数である。
大体20位の刃が敵に向かって行く。
塵も積もればなんとやらのように一つ一つのダメージは少なくても、20も積み重なればそれなりのダメージとなる。
それに体のあちこちにダメージを与えるため動きが鈍くなるというね。
カマイタチの効果が終わり、クモは開放されたが体中に切り傷ができている。
「...ギジっ!」
飛び跳ねて少し距離を取ろうとしているが、万全のスピードでは無い。
これなら...
ズアッと茨が4本生え、クモを拘束しようと動く。
ギルベルトも同じタイミングでクモに向けて走り出す。
クモも必死に茨から逃げようとするが捕まえられた。
そして到着したギルベルトが剣を振りかぶり......
『経験値を265得ました。』
『知性Lv_により経験値を221得ました。』
「よし。
上手くいったな。
パパっと解体してしまうから少し待っててくれ。」
そう言いそのままクモをバラしていく。
「ブラン、クプレお疲れ様。
いい連携だったよ。」
クラウドがこちらに来て撫でてくれる。
クプレもクラウドの後ろに着いてきており、クラウドが俺を撫でている手とは反対の手で撫でている。
......というか、クプレだいぶん近くまで来れてるじゃないか!
やっと怖く無くなってくれたのか。
良かった良かった。
クプレの方を見ると、目が合った。
ビクゥって言う効果音が聞こえそうなほど跳ね上がり、急いでクラウドの後ろに隠れた。
何故かクラウドの撫で方が慰めているように感じた。
ついでにリーシアまでも撫でてくれ、
「狼さん、元気だして」
と言われた。
俺、どんな顔をしてたんだろうか......
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