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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第2章:鉱山都市マクダンタ
63/132

63話目

今日が土曜であることを忘れてました。

すいません。

最近曜日感覚がずれてしまって......

皆さんはそんなことありますかね?



「本当にいいの?」


奴隷商に行く道、同じことを何回も聞いている。


「うん、迷惑はかけられないもん。」


それを聞いてクラウドはしょんぼりしている。


『...まあまあ、いいじゃないか。

リーシアが決めたことだ。

クラウドはちゃんと開放の道も示した。

けど、リーシアはそれを選ばなかったんだから...』


「...うん、そうなんだけどね。

僕にもっとお金があれば...」


「...クラウドさん、誰と話してるの?」


クラウドが俺にだけ聞こえる声で言ったのに、リーシアには聞こえたようだ。


「あー、いや、単なる独り言だよ。」


「そうなんだ。

てっきり、狼さんと話してるのかと思った~」


「...な、なんでそう思うの?」


クラウドよ、動揺してるのが分かりやすいぞ......


「だってね。

狩りに行く村の人達は犬さんを連れて狩りに行くんだけど、その時に犬さんに話しかけてたもん。

獣人はね、自分と同じ動物さんの言葉が分かるようになるんだって

リーシアもお話ししてみたいなー、いいな~って思ってたの。」


へぇ、獣人は自分と同じ動物と話せるようになるのか。

...あ、だからルリカは俺の言葉が分かったのかな?

獣人じゃなく純獣人だったけど......


「リーシアも狼さんとお話ししてみたいけど、リーシアは犬だから狼さんの言葉は分からないね...

鳥さんも鹿さんも無理だし、残念......」


「そうなんだ。

けど、ブランもサファイアもクプレも魔物だよ?

動物じゃなくても話せるの?」


「え、そうなの?

こんなに皆可愛いから動物さんかと思ってたよ~」


そう言って俺の頭を撫でてくる。

俺の方がでかいので手を伸ばして撫でている。

自分よりも大きい狼を全然怖がらずに手を伸ばしているが、リーシアは肝が座っているのか、獣人は皆こんな感じなのか......




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




奴隷商の所に着いた。

リーシアが鉱山の坑道内で倒れており、助けた経緯を話した。

そして現在所有権がクラウドに来ていることも...


「へぇ、...で、その奴隷はどうするんです?」


奴隷商は凄く気だるそうにそう言った。

どのように転んでも、奴隷商に多くの金が入ることは無いからだろうか。


「もしこの子を奴隷から解放するのだとしたら、いくらくらいしますか?」


クラウドはまだ諦めてなかったのかそう言う。


「はぁ?獣人を解放?

......また随分と物好きな......

あぁ、いえ、まだまだ子供で雌であるので金貨三枚ぐらいかと」


銅貨数枚で安いご飯が食べられるので、銅貨1枚を円に置き換えると100円ほどである。

銅貨100枚で銀貨1枚。

銀貨100枚で金貨1枚である。

と言うことは......300万...か...

高っ!?

...いや、人の命1つ300万だとすると安いのか。

俺達は妖精の泉に宿泊するお金も何とか足りている。

という状況であるのでそんな大金を払えるはずがない。

元々解放するのにはそれなりの金がいることは予想していた。

だからリーシアに解放するのには何年か、かかってしまうことを告げ、リーシアはそれならば解放しなくていいと言った。


「リーシアちゃん......本当にいいんだよね?」


「うん。」


「...分かった。」


クラウドは悲しそうな、寂しそうな顔をし、奴隷商人を見る。


「それでは、リーシアを.....


僕の奴隷にしてください。」


「へぇ、では血を数滴この皿に入れて...」


クラウドは渡された針で手を刺し、皿に血を入れる。

そこに奴隷商が壺から出した黒い液体を少し加えた。

そして次にリーシアの服を脱がした。


ご飯を満足に食べられていなかったからかガリガリだ。


心臓があるところ位の位置に青い模様がある。

その上に先程作った液体を筆でペタペタと塗っていく。

塗り終わると、少し輝き緑色の模様となった。


「これで、終わりましたよ。

新しく契約する代金として銀貨2枚貰います。」


クラウドは奴隷商に銀貨2枚を渡すと、リーシアに服を着せた。


「...じゃ、帰ろっか。」


「拾い物があって良かったですねぇ。

また今度は買いに来てくださいよ。」


奴隷商が帰り際にそう言ったが、クラウドはなんの反応もせずリーシアの手を握って宿のある方へと歩いて行く。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




宿に着いた。

クラウドは悲しみと怒り?がない交ぜになった表情をしている。

どうしたのだろうか?

リーシアもクラウドの怒り?を感じ取っているのか何も話さず静かにしている。


クラウドが1つ長いため息をはいた。


「リーシアちゃん、本当に解放しなくていいの?

その奴隷紋きついものだよね?

...主人に逆らったら胸が苦しくなる......」


「...うん、いいの。

リーシアはクラウドさんに助けてもらったの。

恩人なの。

恩は返さなきゃいけないってお父さんが言ってたの。

だからこのまま...クラウドさんをお助けするの!」


......リーシア、なんて健気なんだろう。


「...そっか。

リーシアちゃんよろしくね。

けど、無理はしちゃダメだよ?

自分のことを一番に考えてね?」


クラウドはそう言いリーシアの頭を撫でた。


「うん、分かった!」


リーシアの顔に花が咲いた。




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