6話目
ウシガエルはじっと此方を見ている。
人気の某ゲームだと、
仲間にして欲しそうに此方を見ている
となるのだが、こいつは絶対違うと思う。
何よりまず倒してないし...
...さて、なぜこうもずっと見てくるのか...
ウシガエルにしか見えなのだけれど
何かもっと危険なカエルなのだろうか。
そう思うとなかなか動き出せない。
しかし、動き出さないと長い時間
こうしていなければ、いけない気がする。
だから、ゆっくりと後ろに後ずさることにした。
そうして、徐々に下がっていっても
カエルは全く動かず此方を見ている。
とんでもなく不気味だ。
大分離れたのでもうダッシュで家族のいるところに帰る。
帰ると遊び疲れたのか兄弟達は固まって眠っていたので、そこに寄り添い先程のことを忘れるため
俺も寝ることにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから3ヶ月たった。
鑑定もLv4になったし、俺自身のレベルも3になった。
3ヶ月もたったのにレベルがなかなか上がらない...
経験値が倍になる知性が有ってさえ、それなのだ。
だから、兄弟達はLv1のままである。
ゲームならレベルの低い内は
サクサク上がるものなのだが...
取り敢えず自分のステータスを再度確認しておく。
。。。。。。。。。。。。。。。
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種族:子黒狼
Lv3/5
HP:6 MP:4
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種族は鑑定Lv3になったときに子黒狼となっていた。
その時、兄弟や両親を見たが全員子狼と狼だった。
なぜ俺だけ種族が違うのか...
生まれたときから一緒にいるはずなのだが...
鑑定Lv4になるとHPとMPが見えるようになった。
HPとMPは大事だよね。
これが分かっていれば
どれくらい無茶をしてもいけるのか、とか
どのタイミングで回復すればいいのか、とか
魔法は後、どれくらい使えるか、とか
分かるのだから。
...でも、俺って回復とか魔法とか使えるのか...?
普通の狼っぽいけど...?
......
まぁ、考えるのはやめておこう。
母親がウサギをくわえて帰ってきた。
こいつもごくごく普通にいる野うさぎだ。
日本で見たことのある動物ばかりで、
本当にここが違う世界なのかと疑いが出てきた。
確かに、頭の中に直接響くように
声が聞こえるのは変だ。
レベルがあるのもおかしい...
前生きてたときは、そんなことはなかった。
...まぁ、いっか!
今の生活は嫌いじゃない。
いや、むしろ好ましいかもしれない。
家族でのんびりと過ごせているのだから!
敵のようなものもおらず、食に困ることもなく
危険にさらされることもない。
今日も兄弟達と両親の持ってきた獲物を狩る。
取り敢えずは、今持ってきてくれたウサギだな!
そして、今日の獲物へと駆け出した。
...この生活が続くものと思いながら...