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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第1章:森の異常
51/132

???

投稿したと思っていたらしてなかった...

申し訳ありません。



深夜、全ての物が眠りについた街。

木の葉や塵が風に舞う微かな音か、虫の鳴く声だけが響く街。

それだけであれば、何時もと変わらない街。



......ベチャ......ベチャ......



何かが落ちる音が響き渡る。



......ベチャ.........ベチャ.........



音は移動している。

音の発生している近くを見ると、黒いローブを羽織っているものがいる。

黒いローブを目深にかぶり、顔も見えない。



......ベチャ。



音がやんだ。


ローブのものが足元から何かを持ち上げる。


「さぁ、何を見た。

捕まえた。

映し出せ。」


ローブのものが呟いたとたん、民家の壁に映像が映し出された。

次々と魔物の姿が浮かび上がる。

どうやら、森にいる魔物が映し出されているようだ。


次に怯えた黒い子狼が映る。

徐々に遠ざかっているようだ。


切り替わり、今度は茶色の狼が映る。

怯えてはいるが、狩りの目をしている。

狼が飛び掛かる。

瞬間映像が真っ赤になった。

直ぐ後に何かが拭い、映像はクリアになった。

茶色の狼はもういない。


次は夜。

多くの魔物が集い、ある一点を眺めている。

その後魔物たちは踊り始める。

狂ったように......

手を振り

歯を鳴らし

飛び上がり

回る

自らの命が尽きるまで......


朝には彼らの姿はない。

ただただ、1つの大きな物体と地面に刺さった白い棒がある。

ウニョウニョ形を変える奇妙な物体。

ある方角に向けて歩みを進める。

動くもの全てを巻き込みながら......

映像に鞭の様なものが映り、白い棒を抜いた。

それは此方に飛んでき、消えた。

この映像を撮しているものが回収したようだ。


しばらくあの物体に付いていっていたが、場面が変わる。

黒い狼が此方を見ている。

黒い狼が目を離した隙に、茂みに引っ込む。

黒い狼の後ろに少年がいる。

その少年は地面を見ている。

そこは白い棒が刺さっていたところ。

少年が腕輪を外した。

少年の背が伸び、少し大人びた顔になる。

ふと風が吹いた。

風が少年の髪を持ち上げ、見えた耳は尖っている。

そうして地面に手を触れるとそこが淡く光る。

そして映像は終わった。


すると映像を映していたものは何か丸いものを2つ出した。

それを黒いローブは拾い、1つを少しの間眺めていた。


「ふむ......やはりここではあまり強い魔物は出来ないか」


そう呟くと2つを懐に入れる。

暫く身動きせず、沈黙していたが黒いローブの者の体が小刻みに震え出した。


「...くくくっ......

結果はあまり乏しくなかったが良いものを見つけた。

まだ居たとはな......ハイエルフ!!」


黒いローブの者が顔をあげる。

顔を上げたことで目が見えた。

金色の瞳が怪しく輝いた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



体が上下に揺れる。

視界は真っ暗だ。


辺りから悲鳴が響き渡っている。


ドゴォンッ!!


何かがぶつかった音がした。

苦しみや悲しみの声が大きくなった。


熱気が体をなめつける。

まだ視界は真っ暗だ。

それもそうだろう。

僕は誰かに抱き抱えられているのだから。


上下の揺れがなくなった。

頭上で話し声が聞こえる。


そこで視界が明るくなった。

僕を抱き抱えていた人が目に入った。

エメラルド色に輝く瞳。

その瞳と同じ色であったであろう長い髪は、所々ちりじりになっていたり、煤を被っていたりしている。


美しい人であるだろうけれど、今は悲しそうな、今にも目から涙が溢れそうな顔をしている。

その顔を見るとなぜか笑ってほしくなる。

大丈夫だと言ってあげたくなる。

何かしようと思ったがその前に女の人から離された。

そうして違う人に抱き抱えられる。


「強く iasaniki, 私 on iisoti 子」


視界が塞がれる前にチラッと見えた顔は......


微笑みだった。


それを見た瞬間、何故かもう会えない気がした。

抱き抱えている人から離れて、あの人の所へ行きたいと、

手を伸ばそうとした。






そこで目が覚めた。

......あぁ、またこの夢か......

頬を触ると濡れている。

窓の方を見てもまだ真っ暗であり、シーンとしている。

まだ真夜中なのかもしれない。

でも、もう一度寝ると同じ夢を見そうで怖くて寝れない。

しかし、起きていてもシーンとしているのと暗いのとで先程の夢の悲しさ、寂しさが増長される。

...あぁ......僕は...一人ぼっ...


「クゥ~......」


急にそんな声が聞こえた。

声のした左下の方を見る。

暗闇に紛れ、何も見えないが僅かに動いている物が見える。

そっと手を伸ばすと少しごわっとした毛皮が上下している。

とても温かい。


そうだ、僕はもう一人じゃない。

僕には仲間がいる。

仲間達の事を思い浮かべるだけで心が暖かくなる。


その事に気付かせてくれた彼に、お礼の気持ちを込めて3回ほどゆっくりと撫で、布団に入り眠りについた。

もうあの夢は見ない気がした。


次は新章かな?

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